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誰もが主役。自分達の手で石巻市をつくる「石巻復興支援ネットワーク やっぺす」

あの日からもうすぐ丸10年

こんにちわ。梅津です。

今年の3月11日である出来事から丸10年が経過します。

2011年3月11日に発生した東日本大震災です。

時が経つのは早いもので、あれから10年という月日が流れます。
被災した街の復興再建は続いているものの、傷跡はまだ残っているのが現状です。

傷跡というのは土地や住居に限った話ではありません。
被災された方の心も同様です。

震災が起きたことだけを記憶に残すだけじゃなく、復興活動や被災者のサポートをされている方達をぜひ覚えてもらいたいです。

今日ここまで被災地が復興できたのは自然の成り行きじゃなく、人の力で成り立っていることを心から感じてくれると嬉しいです。

今回は宮城県石巻市で復興活動や被災者のサポートをするNPO法人を紹介します。

「特定非営利活動法人 石巻復興ネットワーク やっぺす」さんです。

宮城県石巻市は甚大な被害を受けた場所の一つです。

被災された石巻市の住民をサポートする活動は続いており、やっぺすさんはその一代表として欠かせないコミュニティです。

代表者の兼子さんを筆頭にやっぺすさんのスタッフ一同で活動されたことは今日までに多くの石巻市住民の支えとなり、ふるさとづくり大賞最優秀賞(内閣総理大臣表彰)を平成29年度に受賞されてます。

(参照元:(地域づくりTV「みんなで復興 やっぺす!! 特定非営利活動法人石巻復興支援ネットワーク」)

10年で大震災の記憶が風化しないためにも。石巻市を支え続けているやっぺすさんの詳細を紹介します。

「やっぺす」に込められた意味

やっぺすという言葉をご存知でしょうか?石巻地方の方言で

一緒にやりましょう

です。元々は「復興に向けて頑張ろう」という意味が込められていましたが、一緒にやりましょうの意味へ変わった背景があります。

代表の兼子さんが大事にしている、人と人を隔てる壁を越えてお互いを尊重し合える社会にしようと想いが込められていることです。

震災当時は多くの方が生きる希望を持てることに精一杯の毎日。お互いを尊重し理解し合う雰囲気にはなりたくても、後ろ向きの気持ちがそれを阻んでいました。

石巻市の住民が笑顔で明るい日常を取り戻すためにも、お互いを尊重し合うことで被災者の笑顔を増やそうとやっぺすさんは動きました。

やっぺすさんで活動する方も一被災者として同じ目線で寄り添って活動ををしよう。これがやっぺすさんの言葉に込められた想いです。

石巻市民が一丸となって自分達で復興させていく。

この想いが多岐にわたる活動へ一貫して繋がっています。

代表理事の兼子佳恵さん

やっぺすさんの代表理事で石巻市在住の兼子佳恵さんです。

元々はPTAや環境教育に取り組んでいた専業主婦さんでした。東日本大震災で被災したのを機にやっぺすを設立して仲間達を引っ張るリーダーとなりました。石巻市の復興と住民の笑顔を一人でも多く溢れるよう日々活動なさっています。

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参照元:特定非営利活動法人 石巻復興支援ネットワーク やっぺす HP

こちらは助け合いジャパンさんが兼子さんへインタビューされた時の動画です。震災当時の状況や、石巻市復興とやっぺすさんに込めた想いを話されています。兼子さんの子どもさんが救援物資に集まる大人達を見て発した言葉が兼子さんの心を動かします。

参照元:助け合いジャパン情報発信本部(2014年7月16日)

東日本大震災が発生し2ヶ月後の2011年5月に、NPO法人石巻復興支援ネットワーク やっぺすさんが設立されました。

はじめは仮設住宅民のコミュニティづくり

兼子さん達がまず取り組まれたのは、仮設住宅に住まれている方々のコミュニティ形成です。

地震により近所同士のコミュニティが消失し、仮設住宅へ住まれた方が余儀なく孤立状態となってしまうことを避けるために行われました。

お茶会や手芸教室を開催することでコミュニティが形成され、住民同士がコミュニケーションする機会をつくれました。開催を重ねて次第に笑顔を取り戻し、住民の方からも感謝されるようになりました。

お互いの立場や考え方の違いを受け入れ、共に「その人のできること」を見つけ出す。さまざまな活動を通して石巻市の住民同士が支え合ってます。

やっぺすの活動

やっぺすさんが行っている活動を一部紹介します。共に「その人のできること」を見つけ出すテーマが、活動内容を見ると如実に現れています。

◆石巻に恋しちゃった♡
趣味や特技をもつ街の達人によるワークショップを行い、地域の繋がりと住民の活躍の場を生み出す地域づくりプロジェクトです。平成29年までに10回開催し、のべで役8,700名が参加しました。

達人のジャンルはヨガ、美容、ベーグル作り、カホン、絵手紙など多岐に渡ります。

この事業は終了し、その後は有志で集まった「石恋まつり実行委員会」へ引き継がれ、「石恋♡まつり」として開催されています。

まさに「その人ができること」を活躍する場としてつくられたものです。

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「やっぺす!起業支援ファンド」「やっぺす!人材育成スクール」
やっぺすさんは人材育成にも注力されています。被災地における起業と雇用を創造することを目的に、被災地域が抱える社会課題を解決するために「社会的企業」の起業を支援するものが「やっぺす!起業支援ファンド」です。

また、起業を志す女性と若者20名に対し、起業支援金のほか、企業に向けて必要なノウハウやスキルアップの機会を設ける「やっぺす!人材育成スクール」も運営されています。

事業は飲食業、ネットショップ、古民家再生プロジェクト、IT開発スクール、除染開発、コミュニティスペースなど多岐に渡ります。

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◆復興グッズ販売
企業さんとの協業で防災商品や、シンガーソングライターの方と共同制作した復興応援歌などの復興グッズを販売しています。

想いのある方々の背景を読み取りながら、楽しくお買い物をしてやっぺすさんを応援できます。

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他にもやっぺすさんは沢山の活動をされてます。記事の最後にやっぺすさんのホームページを掲載しているで、ぜひそちらからご覧ください。

やっぺすさんのミッションとして掲げている、「誰もが自分らしく生きられるが叶えられるまち」が様々な活動へ形となっています。

石巻市の街と住民が変化した背景はやっぺすにある

私にとってやっぺすとは

私にとって居場所
みんなでやるとできることが沢山ある
自分の知らない世界を見れて教えてもらえる
新しい道を見出すきっかけになる

やっぺすさんで活動した方々の声です。みなさんがイキイキとしてます。

それも代表理事の兼子さんの在り方や、やっぺすで活動するみなさんが石巻市を復興させようとする強い思いがあるからです。
それが今日までに多くの方から愛され、信頼される背景となってます。

自分たちが住む石巻市は自分たちでつくるんだ。
そう思う人を沢山仲間にして、その関係性を広めて石巻市の街を大きくする。石巻市に来てくれる街となるように若い人を育てていく。
兼子さんがやっぺすさんに込めた想いです。

今年1月中旬に筆者がオンラインで兼子さんと対談させていただきました。
やっぺすさんで活動をした10年は、今まで沢山の方に勉強させていただいたと振り返ってました。

色々なことを知ったから、知ったことを色々な人へ伝えていく。
石巻市をこれからも支えつつ恩返しをして恩を繋いでいく。
お互いがリスペクトし合って関係性を持つことを大事にしていく。

やっぺすさんに関わった方々や被災者の笑顔が増えたのは、兼子さんの立ち上げ当時から変わらない想いが背景にあると感じました。

そして石巻市の今日があるのは、やっぺすさんの支えがとてつもなく大きいものだということにも。

何か社会還元できる活動をしたい
ボランティアでできることをやりたい
復興支援に協力したい
地方移住と共に自分が役立つことをしたい

そう考えている方へ。やっぺすさんの活動をぜひ調べてみてください。ヒントを得られるはずです。

このご時世で外出する機会は今中々ありませんが、終焉した時に石巻市へ足を運ぶ機会があったら、10年前にテレビや写真で見た風景と今では変わっている背景を読み取ってみてください。

やっぺすさんの支えがあったからときっと気づきます。

◆参考元
特定非営利活動法人 石巻復興ネットワーク やっぺす、大手小町、一般財団法人  地域活性化センター、非特定営利活動法人ネットジャーナリスト協会、地域づくりTV

リンク集

◆コミュニティの相談、記事紹介の依頼はこちらまで
TUproject0314@gmail.com

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