舞台『刀剣乱舞』无伝 夕紅の士 -大坂夏の陣-感想(4/23マチネ、4/24ソワレ)
※2021.4.25のふせったーからの転記です。
なあ、私すえおじを信じていいんだよなあ!?!?信じるからな!!!(涙)初見は正直あれだ悲伝が陽伝に変わった瞬間全てが吹き飛んだ。
まあ、すえおじは割と初期からハッピーエンドにするやで〜と言ってたのに「嘘だ!!!スペクターをハッピーエンドと認識してる脚本家のいうことなんて信じられっか!!俺は先に寝るからな!!」と死亡フラグを後生大事に抱えて生きてたのは私のほうなんですけど、无伝見てこりゃハッピーエンドになるぜと華麗な手のひら返しをしてる。いま。
でもどこがキーポイントだったんだろう?
悲伝でまんばちゃんが勝ったことはフラグのひとつであることは確実だろうけどそれだけではないんだろうな。
悲伝を乗り越えた(天伝で聞いたところの未来の)まんばちゃんは行方不明だけど、太閤いわく「歴史を最初から」なんとかしてるっぽいから、その働きも影響してるのかなあ。
まあそのまんばちゃんが何してるかは全然わかんないんですけど。未来で妖怪物語おいてけ切やってたことくらいしかヒントがない。
无伝の結果が悲伝の結末を変えたっぽいんだよな。最後に生まれたのは鵺ではなく鬼丸国綱?だったし?
えっマジで!? というかいつからその構想があったんです!? だから微妙にシルエット似てるんか!? えっっっ怖っっっ!!
でもなんか悲しい。救われたルートに切り替わった(多分)ということは、鵺の存在はないものになってしまうんだな……あれはあれで立派に刀剣男士やったと思うんだ……真田十勇士もね……。
時系列は天伝のすぐ後だけど、真田十勇士自体は未来から如水が送りこんでるっぽい(しかも一度や二度ってレベルじゃない)。
みかちかが悲伝で鵺が初めて登場したときに見逃したように、如水もまた異物(刀剣男士)を見逃しており、しかも両者は『同じものを求めている』ときた。
もう如水が欲してるのは天下じゃなさそうだよな。ってか如水ラスボスってことでいいか? いいよな?
阿形と吽形、なんかちょっと喋り方とか天伝んときより滑らかだし自然になってた気がしなくもない。レベル上がっとる。
ストーリーは天伝に比べるとシンプル。
歴史改変が進み、放棄が決まってしまった大坂夏の陣。しかしながら正史との差異が大きすぎると影響を与えかねないため、存在しないはずの真田十勇士と真田丸、そして高台院を排除することを目的とする刀剣男士たち。
どちらかというとシリーズ通して一体どうなってんの!?とゴロゴロ転がされる話が多かったなか、ずいぶんストレートにぶちこんできたなって感じ。
真田十勇士との対決は三日月の進言によるところが大きいので、物語の潔さはそのまま三日月の性格を現しているのかとふと思う。
複雑な事情を抱えているように見えるけど、三日月の目的は一貫してあの本丸を守ることだけだからなあ。
その点まんばちゃんはなやみ多すぎなので、主役になるととっちらかりがちってのは、あるかも。
うーん、ストーリーよりもキャラごとに言ったほうが思い出せるかも。というわけで思いついた順で行きます。
・豊臣秀頼
天伝に続き、タイトルコール担当。前作では自分の出自を疑い、目的を見失っていたところからスタートし、天下人豊臣秀吉の子であることにアイデンティティを見出した彼。しかしながら、高台院は天下人を肩書きでしか受け止めきれない秀頼をして、天下を治める器量がないと断じる。厳し〜。
この時秀頼ってまだ18歳くらいじゃなかったっけ? 忘れたけど。まあ現代の18歳とは全く趣が変わるでしょうが、その年齢では天下とは何かまで思い馳せることは難しいだろうな。
秀忠との会話で、自分の器を悟った秀頼はそれでも「あがくことをお許しください」と最期の戦いに身を投じる。
大坂城で自刃するまできっちり描いてくれたの本当によかったと思った。滅びの美学。
无伝での秀頼は脇役ではあったけど、天伝から通しての主題は豊臣秀頼の物語だったと思う。
ようがんばったなあという高台院の台詞がとてもよかった。
英雄を追いかけ、英雄になれなかった名もなき武士たちの死闘の場とかエモさしかないです大坂の陣。
※追記
秀頼が高台院に渡した介錯の太刀が一期一振ってことに気づいてうわあああああああってなった。
うわあああああああ!!
・へし切長谷部
隊長やったんか。ってか斬ればいい、とか山姥切くんと同じこという。ステ本丸においてはこの二振は似たもの同士だからなあ。
ジョ伝以来のキレてる長谷部くんが見れます。長谷部くんは大抵どの伝でも怒ってる気がするな。
天伝ではまんばちゃんが弥助との対決を制したのと同じ構図でvs如水を演じてましたが盛大に負けちゃったね……修行に出たのは小田原に加えてこの敗北も大きかったんだな……。
極めた長谷部と如水の再戦フラグがばりばり立ってるから次がんばれ!!
隊長なのに三日月が自由すぎて御せない点で、まんばちゃんと愚痴ってそう感がすごい。ステ本丸の長谷部とまんばちゃんはマブダチやから……。
・数珠丸恒次
声帯が緑川光すぎてびっくりしちゃった。あと仏道とはなにかを見つめて参りましたとか穏やかな口調でいうし生真面目そうな風情を醸してるのにめちゃくちゃ刺すじゃん。めちゃくちゃ刺すじゃん。殺意の高さにびっくりして2回いっちゃったし2回刺してた。マジで。ぶっすりいかせてもらう薬研以上に無慈悲と思ったがそこがいい。
戦闘以外では温厚だし冷静だし、気が短めな長谷部のサポート要員って感じだし、浮き足だってる骨喰を諭すし人生の先達でございって感じだし、天下五剣はすごいなあっておもいました(こなみかん)。
あの髪の毛どうすんねやろって思ってたけど始まってみたらあんまり気にならなかった。これって何気にすごいよね。当たり前といえば当たり前だけど、髪の毛が気になるようじゃ話にならんからな。
長谷部だけじゃなく、単独行動の三日月、神出鬼没の鶴丸を抱えてる部隊のなかで精神的支柱になってるのかなって感じでした。
静謐って言葉が似合う立ち姿で、決して目立つ役ではなかったと思うけど私は数珠丸さん好きだからいてくれるだけで嬉しい。(超主観)
・骨喰藤四郎
キャスティングで骨喰二振りって聞いた瞬間私の死亡確定って思った。この本丸(だけじゃないけど)同じ刀が同時にいることってまずないから、同じ本丸なのかが確定してないんだよな。科白劇綺伝では別の本丸の戦績記録を追ってる体だったし、二つの本丸の話を反復横跳びしてんのかなって思ってたんだけどさすがにないかなあ。
私の親喰(?)は北喰だからちょっと北喰贔屓になっちゃうんだけど、三津喰は三津喰でよき。感情がわかりにくい役でありながらとても情緒的。少ない台詞でここまで心情を伝えてくる役者さんも珍しいのでは。
悲しい目をしてる三日月を救いたい、自分が高台院を斬るべきなんじゃないかって苦悩は、おなじ足利の誼だからって範疇超えてる気がするけど、鶴丸とは違う方法で三日月の異常を感じ取っているんだろうなあ。
鶴丸はこれまでの状況証拠の積み上げで三日月の異常を推察してるけど、三津喰は完全に三日月の感情を読んで察してる感じがする。
このあと、三津喰は悲伝で足利義輝を斬るんか……ひぇ……。
ところで序盤に三好入道(どっちかわからない)と戦ってたとき、ついスーパーマリオブラザーズを思い浮かべてしまってごめんなさい。完全にマリオだと思った。
・鶴丸国永
維伝以来の染鶴さん。維伝で時間遡行軍コントやってたけど、時系列的にあの時の鶴さんは阿形・吽形のモノマネやったってことになんのか笑
公演順的には鶴丸の遡行軍コントが先なので、阿形・吽形の喋り方がああなったんだろうけど自然すぎてわからなくなるな。
鶴丸はさあ、もううっすら三日月が変やなってことに気づいてたけど、今回そこに真正面から踏み込んでいったね〜。訊き方はだいぶ婉曲的だったけど、直裁的に訊いても答えんやろなこいつ、とは考えてたかもしらん。
実際、三日月はなんでループできるのかとか詳しく答えてはくれなかったけど、あの本丸があるから狂わずにいられる、という台詞を引っ張りだしてくれてありがてえというお気持ち。
でも番宣における染谷氏の刀ステの明るい部分を担当している発言にはちょっと首を傾げるのであった。確かに明るい部分を担当してはいるから嘘ではないけど、真相を知るとあの明るさが心臓に強い負担をかけてくるからな………………。
バイク乗り回す鶴丸が鶴丸すぎてほんま鶴丸。鶴丸国永すき。
あとやっぱり鶴丸国永の殺陣が好きだね。
・薬研藤四郎
相変わらずヤニキはヤニキだったので満足です。ありがとうございました。
なんつうか、薬研は常に精神が安定してるので安心して見てられるよなあ。外見こそ長谷部の方が上に見えるけど、長谷部をフォローしたり慰めたりしてるの大抵薬研だしな。いやあ年長者の風格がありやすな兄貴は。粟田口短刀頼りになるぅ。
无伝においてはほぼ長谷部のお守り役って感じだったな。長谷部が短気なのと三日月が自由だったのを除けば比較的安定した部隊でしたね。ジョ伝にも薬研がいたらもうちょっと暴走防げたんじゃないかなあと思うなどした。
……改めて考えるとジョの面子、ダメだね!? 強力なストッパーがいねんだもん! 死線ギリギリにまでらならないと止まらんし!!
個人的には綺伝面子が一番問題なく任務遂行しそうだなあと思う。長義は苦労しそうだけど歌仙さんと負担を分け合えそうだからまたマシな感じする。
一部隊に一薬研欲しいな……。なんの話だこれ。
・三日月宗近
は〜……三日月宗近……。なんかため息出てしまう。悲伝であんなことになっちゃって以来の三日月宗近じゃないですか……もうほんとどんな顔して三日月宗近を見ればいいんですか……って神妙になってしまったけど、无伝の三日月さんはまだ悲伝経験する前だったからか、悲伝ほどの衝撃もなく、私の情緒は守られた。
ストーリー自体が真田十勇士と歴史を守るための戦いに全振りってのもあると思う。真田を、大坂を守るために生まれた彼らの矜持を尊重し、やり合ってみたかった、というのは三日月が見せた数少ない本心のひとつだったんじゃないかなって思うから。
三日月は強すぎてもはや敵がない状態だし、ぼろぼろになりはするけど真剣必殺してないもんねえ。
悲伝での、この戦いで自分は使われなかった、という三日月の台詞が強烈に残っていたので死力を尽くして戦うという行為そのものが、三日月の望みなのではないかなあと思ったりするのであった。
誰の物でもない刀が三日月宗近だと高台院は言うけれど、三日月宗近にとってそれは呪いなのかも。でも、誰の物でもないからこそ美しいっていうのもあると思うんだ。
孤高にして無二の刀、三日月宗近。
でもやっぱり、あの本丸で何も憂うことなく他人(主にまんばちゃん)の羊羹掠め取って暮らして欲しいです。
すえみつなんとかして。すえみつ……なんとかして……。
・大千鳥十文字槍と泛塵
ふた振まとめてでごめんなさい。弊本丸にはいないので、あんまりどんなやつかわかってない。次のチャンス来たら絶対呼ぶのでよろしくお願いします。
あのいちいち書いてないんですけどほんとに声帯が同じなん?ってくらい声が似ててすげえ。小烏丸とか、ステで見たのが最初だったんですけど、シールでゲットしたときにその再現性にびびった記憶がある。てんご俳優は大変な仕事だ……。
大千鳥十文字槍も創作というか、史実でも不確かな存在ということで、一体真田十勇士とどう折り合いをつけるのかなあと思ったら、十文字槍の語り草(物理)にしてしまうというぶっとび解決法を提示されてしまい、なるほど!っていうしかなかった。
もう真田十勇士の物語、逸話は十文字槍に集約しちゃうという荒技をかましてきたからもう真田十勇士のゲーム実装は絶対にないな(確信)。
すえみつおじさん原作厨だから多分自分の二次創作物たる真田十勇士は実装されたくないと思うんだよ知らんけど。つって実装されたらどうしよ。いやない。倶利伽羅江も来てないし。
泛塵も骨喰同様、あまり感情を出さないタイプだけど、十文字槍の在り方を心配して語り草の草を進んで用意しちゃうあたり面倒見がいい。いや黙って草を用意してさあ食えよみたいなやり方、やっぱりちょっと大雑把すぎない? まあいいかそんな君が結構すき。この認識で合ってる? 大丈夫?
十文字槍は泛塵くんの気遣いにはあんまり気づいてないけど、結果として語り草にしたので、やはりなんか見た目若いっぽいほうが一枚上手で他刃を回してる感がある舞台刀剣乱舞です。
十文字槍は普通に仲間想いでいいやつ。槍の扱いがすんばらしーな〜。槍いいな。豪快で。槍すごい。槍つよい。
いいやつだけど泛塵の気遣いには一生気づかなさそう。いいやつだからいいけど。
・真田十勇士
十振まとめてでごめんなさい。多すぎて全員に言及するまで覚えきれなかった。
顔と名前が全員一致してるかというと2回程度の観劇では非常に怪しい。けど、2回でもだいたい把握できるキャラの濃さは流石です。忍術の表現とかステアラならではで良かったねえ。いやでもまさか刀剣男士が炎をガードできるとは思ってなかったが。長谷部そんな技をもってたんか。いつの間に覚えたのか。お空の男士もなんか色々技もってたしおかしくはないけど。
筧十蔵と鶴丸のやりとり好きだったな。というか武器が銃剣なのズルい。そんなの好きじゃん。
穴山小助は多分みんな好き(主語がデカイ)。まず見た目が好きじゃろ?しっかり者で十勇士のまとめ役だけど、仲間からの無茶振りに応えるお茶目さんやろ?ほらみんな好き(主語がデカイ)。
由利鎌之助も多分あんまり嫌いなひといないんでは。なんか可愛いしイタチやし可愛いし。言うてることが物騒だけど仕草がいちいち可愛いポイント稼いでくる。
猿飛佐助が一応リーダーなのかな。確か最年少?(朧げな記憶で書いてる)だし、リーダーなりたいならせろ!ってワガママ言った可能性ある。
流石に全員に等しくスポットを当てるのは難しいとしても、それぞれ見せ場と個性があり、旡伝一本のために使い捨てるのもったいないレベルだなあ。真田十勇士だけで一作できるんでは?
まあ彼らがは歴史の異物である以上、叶わない話ではありますが……。
ステアラの殺陣は本当にすごくて運動量も半端なさそうなんですけど、見てるこっちもすっごく疲れるね。天伝の体験があったから今回は少し体力に余裕があったけど、ソイヤソイヤで手拍子したくなるほど楽しいし、やっぱりまたステアラでやってくれんかね。無理かね。
まず无伝が公演中止になってたりして、未来のことは全く読めない。
いつか収束するんだって希望を持って手を洗って消毒するしかない……。
まず2022年の綺伝は確定として、陽伝もやるのか?ってのと、あと一箇所空欄のとこも埋まって欲しいなあ。
舞台刀剣乱舞、本当に終わるの? って気持ちともう一生やってくれって気持ちがせめぎ合ってる。
ああ、楽しかった。
転記前に刀ステ五周年記念本のすえみつさんインタビューで如水ラスボス説否定されてたし、まだラスボス決まってないみたいなこと言ってたらしくて、すげーラスボス如水推してるの大外れだった。
てか、この話、明確なラスボスみたいなやつ必要なのかなあとも思い始めていたりもする。
いや、全ては末満氏に委ねるので、健康で長生きして欲しい。