ツンデレあざらしを飼ってみた②(人間視点)

※独自設定注意

ツンデレあざらしを飼うことに決めて、数日後の土曜日にツンデレあざらしが我が家に来た。
「よろしくね、貴方の名前はツンちゃんにしたよ。」
ツンちゃんはうんうんと頷いた。

あざらし用のトイレと籠、飼いあざらしについてのマニュアルなども家に届いた。

一応トイレの躾はされているらしいが環境が変わったら少し混乱するので新しいトイレを教えなければいけないらしい。

「ツンちゃん、ここがツンちゃんのトイレだよ。おしっこやうんちがしたかったらちゃんと言うんだよ。」

最初のうちは籠の中で飼うらしい。
少しずつ新しい環境になれたら籠から出してもいいとの事だった。
籠の中を使わないタオルで敷き詰めてから、トイレや水飲み器、餌を入れる皿を設置する。
10分ほどで完了した。
そこの中にツンちゃんを入れる。

早速ご飯をあげることにした。
あざらし用に「あざらしフード」なるものがあるらしい。見た目はドッグフードやキャットフードと変わらない。

最初はそれを1日3回与えたら良いらしいが、なれたら煮干しなども与えていいらしい。
一番驚いたのはなんと、ドーナツや飴等のお菓子も食べるとの事だった。
あんまり大量に与えたら糖尿病になるのでドーナツは1口分、飴は金槌で砕いた欠片を少しが限度とマニュアルに書かれていた。

あざらしフードを与えるとツンちゃんは美味しそうにまぐまぐと食べ始めた。

しばらくすると、ツンちゃんがムズムズし始めた。
どうやらうんちがしたくなったらしい。
「ツンちゃん、トイレはこっちだよ。」
籠の外から指をさして教える。

ツンちゃんはトイレの方に行ってちゃんとうんちをした。
「ちゃんとトイレでできて偉いね。」
籠からツンちゃんを出して頭を撫でる。
トイレもちゃんと処理をする。
ほんの少し臭かったが思っていたよりかは臭わない。

ツンデレあざらしは沢山褒めたら飼い主の言うことをちゃんと聞くようになるらしい。
ツンちゃんは嬉しそうな顔をした。

寝る時は籠にちゃんと鍵をかけているかと確認してから眠りにつく。
慣れたら一緒の布団で寝ていいらしいが、最初のうちは籠の中で眠らせる事にした。

日曜日。

起きて籠の中を確認するとまだ寝ていた。
スピースピーと寝息を立てている。

今日は休日なので、ツンちゃんが起きるまで観察してみることにする。

私のような社会人のために、1日3回決まった時間に餌を与えてくれる機械が割引セールだったので、買うことにした。今日届くはずだ。

しばらくすると、ツンちゃんが目を覚ました。
まだ眠いのかポーっとしている。
「おはよう、ツンちゃん」
「…?おねえさん?おねえさんははやおきさんだね…おはよう…」

あざらしフードをあげると美味しそうに頬張った。リスみたいにほっぺたをパンパンにして食べ物を食べているのが愛らしくてつい笑ってしまう。

「ツンちゃん、ご飯食べてしばらくしたらお散歩しようか?」
「おさんぽ?」
「うん、ツンちゃんに見せたいのがあるしね。」
「ほんとにっ!?わーいわーい」

それから数十分後にツンちゃんを散歩に連れ出した。ツンちゃんを抱きかかえて歩いていく。

ツンちゃんは外の世界は初めてだったらしくあれはなにこれはなにと聞いてきた。
なかでも信号機がお気に入りになったらしい。
「あかいのとあおいのときいろのぴかぴかしゃんきれいー」
目を輝かせながらはしゃいでいて愛くるしい。

しばらく歩くと目的の場所に着いた。
公園だ。

滑り台とブランコとベンチしかない小さな公園だが、たまにここのベンチでご飯を食べてピクニック気分を味わっていた。

「おねえさん!ぼくすべりだいでするんしたいー!」
公園の滑り台は小さくてそこまで滑る距離はない。ツンちゃんを一番上まで乗せたあと滑り台のコースの先でツンちゃんを受け止める準備をした。
「おねえさん!いくよ!するーん!!」
ツンちゃんは滑り台が気に入ったのかその後何回か楽しんだ。

そろそろ宅配便が来る時間なので家に戻る。

昼ごはんの時間になったので適当に冷蔵庫にあった物を食べる。ツンちゃんにはあざらしフードをあげた。

\ピンポーン/

宅配便が来た。段ボールを受け取り、開封したら自動餌やり器が入っていた。
さっそく籠に設置してみる。自動餌やり器の中にあざらしフードを入れて翌日から稼働するように設定をした。

「ツンちゃん」
「おねえさん、なにー?」
「お姉さんね、明日からお仕事でお家出るからその間ご飯さんが出てくるように機械付けたんだ」
「おねえさんいなくなるの?(´;ω;`)」
「違うよ、夜には帰るよ。はい、寂しくないようにお友達だよ」

そう言って私は飼いあざらし用のボールをあげた。
「おねえさんいないのさみしい…でもぼくこれであそんでまってる!おねえさんはおしごとがんばってね…(´・ω・`)」

悲しそうな顔のつんちゃんを見て申し訳なくなった。
遊べる時はできるだけ一緒にいてあげよう。
「ごめんね、ツンちゃん。今日はたくさん私と一緒に遊ぼうね。」
「うん、ぼくとボール転がしてあそぼ!」

その日は夜までツンちゃんと遊んでた。大玉転がしの要領でボールを転がしているツンちゃんを応援したり、テレビを一緒に見たり、こしょこしょして笑わせてみたり…

「おねえさん、きょうはいっしょにねたいよ…」

私は考えた。まだ最初のうちだから籠の中で眠らせていた方がいい。しかし、今籠の中で寝かせようとしてもツンちゃんは悲しがるだろう。

「…!」
私はあるものを思い出し押し入れの中を漁った。
「良かった!出てきた!」

昔ぬいぐるみを持ってた時にぬいぐるみ用のベッドを買って貰ったのを思い出した。かなり丈夫な作りでなんとなく捨てることが出来ずに実家を出る時に持ち出したのだ。

ぬいぐるみ用のベッドはちょうどツンちゃんが眠れる大きさだ。そこにタオルを敷く。

私のベッドは窓際にある。窓際はインテリアが飾れるスペースがあり、ぬいぐるみ用のベッドが余裕で置ける幅があった。
ここなら寝返りでツンちゃんを潰しちゃうことも無いだろう。

「ツンちゃん、ここなら寝ても大丈夫よ、私のそばだし」
「ほんとに?うわーい、うれしいなぁ。おねえさんのそばでねれるー」

ツンちゃんをベッドに寝かせる。
「おやすみ、ツンちゃん」
「おやすみ、おねえさん!」

こうして一日が終わった。

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