【MTG:Pauper】最速3キル!? #サディストコンボ デッキ紹介!
こんにちは、角とうふ(@TunoTofu)です。
今回はモダンホライゾン3にて誕生した新コンボデッキ、「サディストコンボ」について紹介します。
私はこのデッキを持ち込んでMH3発売日のFNMで3-0。その翌日に晴れる屋宇都宮で開催された「パウパー雷神戦」では決勝をスプリットと好成績を収めてきたので、そのデッキパワーは本物かと思っています。
さて、この結果がただの初見殺しなのか、それとも粘り強く厄介なコンボデッキなのかはこの記事を読んで判断してみてください。
また、本記事は全文無料となっていますが、新環境のコンボについて発売後一週間の鮮度の内に!と寝る間も惜しんで記事を書いたので、頑張りを誉めて頂ける方は、お布施をいただけると泣いて喜びます。
◆デッキ概要
今回紹介するのは、私がパウパー雷神戦で使ったリストから多少変更を加えた、シナジー重視で粘り強いタイプの「サディストコンボ」です。
まだまだモダンホライゾン3が発売されてからすぐの新環境で、サディストコンボもさまざまなタイプが産まれつつありますが、個人的にはこの構築が粘り強く、安定性もあり、ちゃんとビートダウンプランも取れる、記事執筆当時(2024/6/22)で一番完成度が高いと自信を持っている構築です。
基本の回し方はカルニブラックやグリクシス親和などの序盤のように、《カルニの庭》から出る植物トークンや《彩色の星》などを《命取りの論争》のコストに当てて、メインのコンボパーツである《サディスト的喜び》と《日を浴びる繁殖鱗》を探します。
《催眠の悪鬼》や《蛇皮のヴェール》などを引き、相手の妨害を避ける準備が整ったらコンボ開始。無限パワーやその他のコンボに繋げます。
デッキの根幹となる《日を浴びる繁殖鱗》と《進化の証人》は、順応持ちで+1/+1カウンターを介して能力が誘発するため、アドバンテージを取る過程で盤面が強くなり、意外とビートダウン性能も馬鹿にならないのがこのデッキの良いところだと考えています。
さて、デッキ概要も簡単に見たところで、本筋のコンボについて見ていきましょう。
◆無限コンボ解説
①無限パワー&無色無限マナ
《日を浴びる繁殖鱗》に《サディスト的喜び》が着いた状態で、+1/+1カウンターが乗るか、クリーチャーが1体死亡して《サディスト的喜び》が誘発すると、このデッキのメインとなるコンボが始動!
①《日を浴びる繁殖鱗》に+1/+1カウンターが乗り、落とし子が出る。
②落とし子を自身の能力でサクって、無色1マナを捻出する。
③《サディスト的喜び》が誘発して、①に戻る。
→無色無限マナ&《日を浴びる繁殖鱗》が無限パワーを獲得!!!
ついでに無限に落とし子が1体場に残るおまけつき!
後は相手プレイヤーに向かって殴るだけ!!!
…
……
………
それで済むならサディストコンボは大したデッキでは無かったでしょう。(もちろん無限パワーだけで勝つ試合もありますが)この後は《日を浴びる繁殖鱗》+《サディスト的喜び》が決まった後の追加コンボについて紹介します。
②無限ライブラリーアウト
落とし子をマナと生け贄の両活用で、《思考抜きの魔女》で相手のライブラリーを無限に追放!《レンバス》で耐久しようとしても、そのたびに追放できるので確実にLO勝ちができます!
しかし、今回紹介しているデッキリストでは不採用。《思考抜きの魔女》はコンボ一辺倒のカードすぎて、あまりオススメではありません。
コンボが決まるときは無限無色マナが出ているので、マナコストがもう少し重たくとも、汎用的なカードを使っていきましょう。
③無限ドレイン
落とし子の無限生け贄に誘発して無限ドレイン!
相手にターンを渡さず勝つので、LOさせた後に《稲妻》を連打されて負け……なんてことも回避できますね!
《ネイディアの夜刃》はコンボが成立せずともビートダウン戦略を取ったときや、コンボ成立前にライフが危うい状況でも、宝物や地図など各種トークンを消費してのドレインが攻防に役に立ちます。
④無限占術
「上記の無限コンボがあるのは分かったけど、それって素引きするの?」
答えは"No"です。《臓物の予見者》で落とし子をサクると無限に占術が可能です。デッキトップに《ネイディアの夜刃》等のフィニッシャーを積んだ後は、《彩色の星》で色変換&ドローで勝ちましょう!
⑤無限ライフ
落とし子からマナを捻出して、次の落とし子に装備。装備した落とし子からマナを出すと3点ゲイン。これを繰り返して無限ライフ達成!
《ネイディアの夜刃》を引けているときは不要ですが、このデッキはアグロが苦手なので、無限に繋がらずとも適当なブロッカーに装備して耐久するだけでも価値がありそうなので、サンプルリストではメインから採用しています。
⑦無限パーマネント回収(&無限ドロー)
2枚目の《サディスト的喜び》が必要にはなりますが、無限コンボが成立している横に《サディスト的喜び》のエンチャントされた《進化の証人》がいると、墓地から無限にパーマネントを回収できます!
《彩色の星》を回収し続けると、無限ドローと色マナ確保が可能なので、フィニッシャーに繋げていきましょう!
⑧無限ブロッカー
《日を浴びる繁殖鱗》に2枚の《サディスト的喜び》を付けると、1体の落とし子が死亡するたびに2体の落とし子を生成!無限にブロッカーを生成し、死んだそばから次が補充される不死隊の完成です!
◆汎用コンボ解説
《サディスト的喜び》を介さないコンボについてもご紹介。デッキの底力を上げるコンボなので必見です!
①2マナでドロー&パンプアップ!
赤の《発火器具》はカルドーサでお馴染みですが、同サイクルで緑の《獰猛器具》は+1/+1カウンターを配置するので、このデッキとは相性抜群!
《日を浴びる繁殖鱗》に使ってメインコンボを狙えるのはもちろん、《進化の証人》に使うとサクった時点で1ドロー、+1/+1が乗ることで《進化の証人》の能力で誘発し、サクった《獰猛器具》を回収できるので、①{緑}マナごとに1ドローとパンプアップが可能です。
コンボパーツを探せるのはもちろん、ついでに《進化の証人》がどんどんムキムキになっていくので、ビートダウンも狙いたいですね。
②ナイトメア能力で追放ハンデス!
モグワーツでもお馴染みのコンボですが、《催眠の悪鬼》はいわゆるナイトメア能力というもので、ハンデス能力が解決する前にサクると、先にカードを返却する能力が誘発して、ハンデスした後は戦場にいないので、永久に相手のカードを追放したままとすることができます。このデッキでは《命取りの論争》や《熱狂的献上》のほか、無限占術のために採用された《臓物の予見者》などが入っているため、積極的に永久追放を狙っていきましょう。
◆採用カード解説
コンボも一通り紹介したところで採用カードの紹介です。まだまだ改良中のため60枚解説とまではいきませんが、カードの採用方針についても軽く触れています。
コンボパーツ
メインギミックの《日を浴びる繁殖鱗》と《サディスト的喜び》は各4枚。コンボ成立時の勝ち手段となる《ネイディアの夜刃》、《シルヴォクの生命杖》、無限パワーにトランプルがあれば殴っても勝つので《怨恨》も入れて各1枚。どれも無限占術で探せますが、メインギミックを探しているときに重ね引きたくないのでこの枚数。一応、どれもコンボ不成立時にビートダウンで使える性能のものにこだわっています。
+1/+1カウンター
《日を浴びる繁殖鱗》は自身でも順応を行い、+1/+1カウンターを置くことができますが、これには2マナかかるので隙になりやすいです。
《蛇皮のヴェール》はコンボを狙うときに防御札になりつつ、《進化の証人》と組み合わせると相手とのアドバンテージを大きく離すことが可能です。
《瓦礫帯の異端者》は諜報2でコンボパーツを探しつつ、墓地から{緑}マナだけでカウンターが置けるので非常に使いやすいです。ただし、1/1はブロッカーとして微妙で、《スレイベンの検査官》等の1/2以上を横並べするデッキにはちょっと使いにくいので、採用枚数を悩んでいます。
《獰猛器具》は《進化の証人》との相性はもちろんのこと、《命取りの論争》のコストに当ててもドローすることが可能です。忘れてはならないのが《熱狂的献上》から出る地図トークン。確定ではないものの立派な+1/+1カウンターを置けるリソース手段なので、なるべく大事に使っていきましょう。
《進化の証人》
無限に……とまではいかずとも、パーマネント回収がとにかく強力。相手の妨害で《サディスト的喜び》を着け損なっても、《進化の証人》で回収できれば何度も仕掛け直すことが可能です。
「サディストコンボ」をデッキとして確立し、ロングゲームやアドバンテージ勝負で負けない粘り強さを与えているのはこのカードだと思っています。
回収対象はコンボパーツ以外にも、《催眠の悪鬼》で相手の妨害を徹底的に狙ったり、本人だけでも順応で4/3にまで育つので追加のクロックを拾ってビートダウンも可能です。
本筋のコンボとは絡まないので4枚は取らないものの、コントロール相手に《サディスト的喜び》の全打ち消しプランを取らせないように3枚をとっています。
《邪悪鳴らし》
パーマネント回収は範囲が広く、コンボパーツをどれでも探せるだけでなく、落とし子が付いてくるので順応せずとも《サディスト的喜び》からの無限コンボ起爆剤となってくれます。
回収しなかったカードは墓地に落ちるので、《進化の証人》で拾ったり《瓦礫帯の異端者》を起動できたりと、サディストコンボと相性抜群です。
土地について
《日を浴びる繁殖鱗》を素出しから即順応する場合、{緑}{緑}が必要になるものの、基本は《命取りの論争》などで手札を整えるので、黒マナと緑マナはほぼ同じくらいの配分にしています。また、攻める展開よりコンボパーツを探して守る展開の方が多いため、ゲインランドを4枚採用しています。
《命取りの論争》系ドローがあるためアーティファクトランドも採用したいですが、そこまで頼ることもないので、《ゴリラのシャーマン》に狙われないように各色1枚の採用に留めています。MOでは赤緑ランデスが流行しているらしいので、ゲインランドの枠を破壊不能のブリッジランドにするのはアリだと思います。
◆対策するには?
ここで一旦相手側の視点。このデッキを対策するにはどうすれば良いかを考えてみましょう。サディストコンボ側の乗り越え方にも注目です。
①とにかく除去する。
エンチャントを付けるソーサリータイミング始動のコンボのため、インスタントタイミングでの除去やカウンターにて妨害するのはさほど難しくありません。
サディストコンボ側はフルタップの隙を突いてくるのはもちろん、ハンデスで妨害を抜いたり、パーツを集めて何度か仕掛けてくるので、しっかりと差し切りを狙うのが肝心です。
また、あまりロングゲームをしてしまうと《進化の証人》によるリソースの回復をされてしまうので、妨害と合わせるのであれば墓地対策も有用といえます。
②ハンデスで抜きまくる
デッキに4枚の《サディスト的喜び》を探すデッキのため、1枚抜かれるとコンボ速度は低下。特に《進化の証人》が入っていないコンボ重視のタイプだと結構困ります。本当におすすめなので、サディストコンボ側は《進化の証人》を入れて回収できるようにしておきましょう。
③無限コンボを封じる
かなり局所的なメタカードにはなりますが、《侵入者への呪い》を置くと逆無限ドレイン状態となりサディストコンボ側は無限コンボができません。
他にも《魂の管理人》なども思い浮かぶかもしれませんが、結局は無限パワーで押してくるので、そちらはあまり関係ない気もしています。
ちなみに《侵入者への呪い》を置かれたサディストコンボ側がやるべきことは、ひたすらビートダウンをすることです。順応で強化するのはもちろん、落とし子もそれなりに出るので《サディスト的喜び》をビートプラン用に有効活用しましょう。……ちゃんと勝てます。
④横並びや回避能力で攻める
各種カードで0/1のブロッカーが立つことはありますが、横展開や飛行戦線には基本的に無防備なサディストコンボ。パーツを集めている最中に猛攻されるのが実際一番負けます。サディストコンボ側はサイドに《嵐の乗り切り》などのアグロ対策を多めに取ることが多いので、そこで捲っていきましょう。アグロ側もガンガン攻めようとフルタップにすると、いきなり無限コンボから負けかねないので押し引きは慎重に。
◆不利対面について
◉カルドーサレッド
火力で妨害しつつ、横展開の攻めがとにかくキツい。調整会での連敗をキッカケに現在は厚めにサイドボードを取っています。0/1のトークンたちはライフがギリギリになるか、《ゴブリンの奇襲隊》が来るまでは、なるべくブロッカーとして温存しておきたいです。
◉ボロスシンセサイザー
カルドーサと同様に火力で妨害、飛行でブロックできない攻めがライフを容易に持っていきます。比較的カルドーサより遅いので、しっかりとコンボを狙うのが肝心です。
◉カルニブラック
除去がパウパーでも随一に多いデッキで、コンボもビートも全く通してもらえません。サディストコンボ側に除去が入っていないのが致命的で、イニチアチブも統治者も一方的に維持されるのがキツいです。
昨今は《こそこそサクサク》の流行で若干数を減らしそうな印象のデッキですが、また増えたときは《蛇皮のヴェール》を増量して、相手の除去を避けてやりましょう。
◉壁コンボ
「コンボは自分より早いコンボに不利」はカードゲームの鉄則。サディストコンボ側は最速3キルとはいえ、メインコンボのパーツは各4枚しかないので、壁コンボの方が安定した速さを発揮してくることでしょう。サディストコンボ側はハードマリガンするのが一番の対策になりそうです。
◆有利対面について
◉クリーチャー主体のデッキ
除去が4枚程度の軽・中速デッキ全般に基本的に有利がつくと考えています。サディストコンボは即死コンボを内蔵しているおかげでどこからでも逆転できるため、パーツが揃うまでは0/1トークンたちと論争系ドローでじっくりと準備をすることができます。特に除去が少ないデッキの場合は容易にハンデスや《蛇皮のヴェール》などで妨害を避けられるので、安心して無限コンボにいくことができます!
◉青系コントロール
パウパー界のお手軽即死コンボといえば、モグワーツや裏返しコンボが思いつくかと存じます。これらの致命的な弱点は、色が赤いために《青霊破》が当たってしまうことです。対してサディストコンボは黒緑がベースのため、順当に《対抗呪文》を構えるのが関の山で、比較的妨害されにくいです。(個人的にこれが好きでゴルガリカラーを好んでいたりもします)
即死コンボがチラつくことでコントロール側は常に{青}{青}を要求されますが、サディストコンボ側は悠々と《命取りの論争》で手札を整え、ハンデスで相手の妨害を抜いてから安全に仕掛けられるので、基本的には有利マッチです。
抜ききれない量のカウンターがある場合は、ライフを狙うことができるのがサディストコンボの利点なのでガシガシ殴っていくことも忘れずに。
ちなみに青黒テラーなどの単体クロックでも攻めてくる青系デッキも、0/1でひたすらチャンプブロックで時間が稼げるので有利マッチです。
◆おまけ - 調整用パーツ -
まだまだ調整中のサディストコンボですが、せっかくなので採用を検討していたカードたちを紹介していきます。出戻りも十分あるカードたちなので、ご自身の好みにも合わせて調整してみてください。
よろめく怪異
主にマナ加速源に見せかけて、実際は面倒な《クラーク族のシャーマン》や《墓所のネズミ》などの除去内蔵クリーチャーを倒す役割での採用。マナ加速するだけのときが絶妙に弱くて、シナジー重視の《瓦礫帯の異端者》と変更になりましたが、上記を使ってくるデッキが増えるのであれば採用価値も上がってくるでしょう。
エネルギー屈折体
海外のリストだとよく入っている印象の《エネルギー屈折体》。
無限無色マナが出た後に《命取りの論争》などを打つための色マナ確保源として採用されており、最終的にはフィニッシャーに繋げるための補助輪として入っていることが多いですが、無限無色マナの出ている時点でだいたい勝っていることが多く、勝つとき以外の役割が2マナ1ドローでは弱いため不採用としています。
胆液の水源
コンボ重視のタイプなら即採用でしょうが、今回紹介するタイプはビートダウンも視野に入れているため、攻めるカードを採用していると自然と枠がなかったです。
憑依の外套
せっかくの無限パワーなら殴りたい!という夢を無限無色から一直線に狙える《憑依の外套》。ビートダウンプランとして採用するには設置の3マナが重たいため、今回は不採用。
のたうつ蛹
めちゃくちゃビートプランに寄せるなら《のたうつ蛹》採用のタイプも一考の余地ありか?合計12枚の落とし子生成カードたちで殴りまくろう。
間に合わせの砲弾
無限コンボ後の追加の勝ち手段&ビートダウンにも有効な《間に合わせの砲弾》は今一番採用したいカード。赤マナが必要になるが、《彩色の星》4、《命取りの論争》4と採用されているのでタッチ程度は可能にも思える。
《屈曲地帯》で《山》を持ってくることも視野に入れ、マナベースを改善してから採用してみたい。
SPECIAL THANKS:ゆーき/Heterodox (@yuki_heterodox)
ここから先は
¥ 300
この記事が気に入ったらチップで応援してみませんか?