【MTG:Pauper】緑単ストンピィ(+ステッカー) 採用カード備忘録 -前編-
こんにちは、角とうふ(@TunoTofu)です。
今回はパウパーの緑単ストンピィ(ステッカーストンピィを含む)に採用を検討したことのあるカードたちを筆者視点でまとめ、環境ごとに調整をしやすいように備忘録を作成しました。
今回は前編ということでクリーチャーたちに焦点を当ててご紹介します。
新たにストンピィを一から作りたい!という方や、どういう視点で採用されているか知りたい!といった方に読んでいただけると幸いです。
そもそもストンピィって何?という方は【MTG:Pauperデッキ紹介】 必殺技を決めろ! 「#緑単ステッカーストンピィ」を先に読んでいただけると、より理解が深まると思います。
【1マナ】
イラクサの歩哨
1マナ2/2がシンプルに強い。
アンタップステップに起きないものの、緑の呪文を唱えるだけで起きるので、アタック→クリーチャー追加としているだけで疑似警戒をできる点は、赤単カルドーサのような1/1を展開するアグロに強く出れるので、環境次第では大活躍する。
なお、一度テンポがズレると戦闘前メインで動かないと起きないので、構えるカードよりなるべく《象の導き》のような押し付けるカードと組み合わせて使いたい。
クウィリーオン・レインジャー
これが採用されているストンピィでは、土地を17まで減らしせる。
《森》からマナを出して《森》回収、ランドセットして再度マナを出すことで、ワンランドから2マナを用意できる小技を忘れてはいけない。これのおかげでキープ基準が緩くなる。
本人は1/1と控えめだが、誰でもアンタップできる点は他のアグロ相手に強いほか、土地破壊も回避できるが嬉しい。
緑のサイドによく挿される《散弾の射手》との相性も〇。
スカルガンの穴潜み
狂喜達成で1マナ2/2。1ターン目からクロックを並べて、なるべくこのカードは2ターン目に狂喜達成しつつ出したい。裏を返せば、他の1マナクリーチャーの採用枚数が少ない場合は採用を見送ることも。
本人の性能としては、パワー未満のクリーチャーからの回避能力が強く、《怨恨》やP/Tステッカーを貼りたい筆頭候補。
ファミリアや壁コンボ等のパワーの低いブロッカーを並べるデッキが増えれば、積極的に採用したい。
大霊堂のスカージ
マナ総量でいえば2マナだが、緑単では黒マナを出せる要素がほとんどなく、98%で1マナ+2点ライフで唱えるので1マナ域で紹介。
ロクな飛行生物のいない緑単で採用できる貴重な飛行クロック。黒いため《殺し》が効かないので、対青黒テラーなどでは重宝する。
絆魂で対アグロにも強い……と言いたいところだが、赤のアグロにはしばしば《溶岩の投げ矢》や《炎の印章》などが採用されているので、あっさり落ちることを考え、実はサイドアウト候補。赤単相手ではΦマナの2点が痛い。
格闘(ビーム)呪文との相性が良く、格闘でゲイン、そのまま殴ってもう一回ゲインとすることで、たまにライフレースがぶっ壊れる。
若き狼
不死で2/2にならないとアタッカーとしては弱いので、《湿地帯のグロフ》と組み合わせない限りあまり使いたくはないカード。
しかし、ステッカーの登場で評価が一段と上がった。通常1度しか使えないステッカーを、死んでも使い回せる点が◎。
もちろん一度死ねるブロッカーとしての役割も評価が高く、対アグロ性能が高いほか、布告除去を多用するデッキから《怨恨》等を貼ったメインアタッカーを守る意味でも重宝する。
ジンジャーブルート
実質アンブロ、速攻、食物(ゲイン効果)、無色と嬉しいことは色々書かれている。詰めの盤面で出すと強いが、1ターン目に出してもすぐ止まるうえ、アンブロ付与にかかる1マナがストンピィ的には結構重く、実は微妙なんじゃないかと筆者は思っている。
統治者・イニチアチブに対しては特効なので、それらがまた流行るときが来れば入れる理由にはなる。
実験体
コモン落ちで話題になったが、ストンピィではP/Tが2止まりのクリーチャーばかりで、1度進化しても再生までできるようにはなかなかならない。
頼みの綱の《湿地帯のグロフ》も、最大出力を求めると2ターン目に出すことになり、その際に生け贄にされるのはこのカードだったという……。
2マナで2/2より大きく優秀なクリーチャーが増えればワンチャンあるかもしれない。
散弾の射手
飛行持ちに全体1点を飛ばせる対フェアリー特効薬。自分の《大霊堂のスカージ》にもダメージが入る点は忘れてはいけない。
(《シラナの岩礁渡り》はあくまで疑似飛行なのでセーフ)
対フェアリー戦では定着するとワンサイドゲームになるので、除去やバウンスから守るのが吉。他にも《戦隊の鷹》や《金切るときの声》などを使ってくる白系デッキにも有効。
白黒ブリンクの《鼓舞する監視者》を落とすために1枚程度サイドインすることもあるが、接死ステッカーが貼れると《吸血鬼の君主》まで落ちることを覚えておくと良いだろう。
野生の朗詠者
筆者の採用実績は0で懐疑的だと思っているカード。好きなマナを出せるので黒も出せるが、真に重要なところは緑単最強コンバット・トリックの《吠え群れの飢え》を簡単に陰鬱込みで使えるところだと睨んでいる。
《炎樹族の使者》の余りがちな赤マナから出せることや、《ギルドパクトの守護者》をブロックできる点はあるが、貴重な枠をここに割く必要性があるようには思っていない。
ラノワールのエルフ
《野生の朗詠者》のときに”3マナにアクセスしやすくする”とあえて書かなかったのは、このカードの存在があるから。
緑単ストンピィではマナカーブの頂点を《象の導き》や《Finishing Move》のある3マナで留める構築が主流で、そこに簡単に到達できるのはいいが、それ以降の役割が少ないのが採用されにくい理由だと考えている。
《宝石泥棒》の他に優秀な3マナクリーチャーが増えれば、採用の余地はあると思う。
【2マナ】
炎樹族の使者
ブン回し担当。「対フェアリーにどうやって勝てばいいですか?」という質問には「このカードを先手2ターン目に出せ」というだけで済むほど、クロックに大きな差を付けられるカード。
このカードを2ターン目に複数枚展開できれば気分が良いが、全体除去を食らったら台無しなので、気を付ける必要がある。
裏を返せば、全体除去の返しにこのカードから展開すれば、相手のプランを崩せることも大いにあるだろう。
ストンピィではとにかく展開して押し切るのか、相手の除去を躱し切るのかを常に選択せねばならない。
なお、このカードから後続のカードが出ないと、手札にクリーチャーがいないことが透ける点は注意。
また混成マナは多色扱いなので、《ギルドパクトの守護者》をただの4/2/3にできるのを忘れてはいけない。
巣の侵略者
ETB能力でエルドラージ・落とし子トークンを生成するが、これがとにかく強力。
土地の少ないストンピィが安定して3マナにアクセスできることや、最強コンバット・トリックの《吠え群れの飢え》を能動的に陰鬱で使えるのは基本のテクニック。
さらに、トークンは無色なので様々なテクニックに応用できますが、このトークンについては活躍の幅が多すぎるので、詳しくは後日公開の”緑単小テクまとめ”で!
トークンにはもちろんステッカーを付けてもいい。
シラナの岩礁渡り
到達の効かない疑似飛行に呪禁。1/1とP/Tは小さめため、3枚目以降の投入は難しいと思っているが、《怨恨》やステッカーの貼り先として優秀すぎる。特に対除去コンや青黒テラー戦で重宝する。地上が均衡しがちなアグロミラーでも強い。
リバー・ボア
再生持ちの島渡りと、強いことしか書いていない。
《シラナの岩礁渡り》や《大霊堂のスカージ》などの飛行組の横で無限再生チャンプブロッカーとして使うだけでも十二分に強い。
タフが1なので狙われやすいことや、再生に緑マナを要求されるので、なるべく3マナを出せるようになる中盤戦以降に出したい。
ただし、相手が島を置いてくれるフェアリーやテラーの場合、相手の打ち消したい筆頭候補になるので先手2ターン目に出して、地上を制圧するのもアリ。
なお、《殺し》や《終止》などには、”再生できない”というインクの染みがあることを忘れてはいけない。
サイドによく入っていたが、テラーの隆盛によりメインでも採用する価値があると思っている。
湿地帯のグロフ
2マナ5/4!ただし、出すときに生け贄or3マナを要求してくる問題児。《若き狼》と組み合わせると、2ターン目に7点クロックが並び立つスーパーブン回りがある。
しかし、このカードしかクリーチャーがいない、他のクリーチャーも2マナで生け贄にするとテンポが悪い……といった初手に来ると困る。
タフが4なので《感電破》1発で落ちる点なども考えて、安定感を求めるなら抜けがち。
Chicken Troupe
2/2/2 護法②、この時点で採用を検討しても良いのにETBでチケットまで貰える本当に優秀なクリーチャー。(もちろんステッカーも貼れる)
よく飛行と間違われるが、チキン(鶏)なので飛べない。
また呪禁ではないため、相手のアクションに+2マナを引き出したうえでコンバット・トリックを打てると、テンポ差が大変なことになる。
安寧砦の精鋭
このカードのために記事を書いたといっても過言ではないほど、世間から過小評価されているカード。
素が2/2のため、普通にクロックとしても及第点なスペックを持ちつつ、頑強により全体除去でも死に切らず、ステッカーを再利用できる点が優秀。
何より頑強は+1/+1カウンターがあると相殺されるため、《吠え群れの飢え》や《蛇皮のヴェール》で何度でも頑強を使いまわせる点が強すぎる。
また、不死ステッカーを貼ることで、無限に生き返る。
ガラクの仲間
2/3/2 トランプルと、クロックとしては一段上の存在だが、ダブルシンボルを要求されるので、《炎樹族の使者》との噛み合いが悪く、出たとき何もしない&除去耐性もない2マナクリーチャーが入れられるかといわれると微妙……。
トランプルを活かせる《強行突破》や、信心の濃さから《ハイドラの血》、進化持ちの《実験体》と合わせるならワンチャンか。
アクリディアン虫
ステッカーのないMOのストンピィに採用されていたエコー持ち2/4。
《稲妻》に耐えることのできるタフ4が硬く、アグロミラーで無双できるサイズだが、何よりエコー2マナが重すぎるように感じる。(ジンジャーブルートのマナでさえ重かったのに)
また、赤単カルドーサ隆盛時の紙のメタでは、同数程度のシェア率を誇る親和や青黒テラーに有意な点が一つもないことから、相当MOが赤い環境だったからこそ使われたことが予想される。
エコーで自ら退場していくので、《吠え群れの飢え》が陰鬱込みで打ちやすいのだけは嬉しい……のか?
エルフの幻想家
キャントリップつきの2/1/1。発掘付きの強化エンチャントである《絡み蔦の外套》や《湿地帯のグロフ》と組み合わせたいが、それらが最大限に投入されていない構築では1/1が小さすぎるといった印象。
生命の咆哮の思念
《寄せ餌》を内蔵しつつ、魂力でサポートもできる2/1/2。
指輪誘惑の3章との相性の良さはあるが、魂力で打つには重すぎで、クロックとしてはパワー1なのがピン指しでも割と要らない寄りの性能。
【3マナ】
宝石泥棒
3/3/3 警戒、トランプル、ETBで宝物生成と至れり尽くせり。
《象の導き》を付けたらテラーも怖くないが、やっぱり3マナが重い。
これ以降のクリーチャーたちも含め、コンバット・トリックで勝つストンピィは最低限の土地からスペルもクリーチャーも欲しいので、とにかく枠に空きがない。
クリーチャーが3マナしかいない初手はキープできないので、コンバット・トリックか2マナ以下のクリーチャーに枠を奪われがち。
光素跳び
召集持ちの3/3/2。特に《炎樹族の使者》との相性がよく、炎樹族+浮き2マナで出せたり、炎樹族+《巣の侵略者》+落とし子トークンでこのカードを出せる。
他にも1マナクリーチャーや《カルニの庭》の植物トークンなども採用していると出しやすい。
《イラクサの歩哨》と合わせると、緑呪文を経由して連打もできそうだが、このカードは若干重いので採用は2枚程度に抑えたい。
無色なので防御円や《虹色の断片》に強く、特に《ギルドパクトの守護者》とは何もしなくても相打ちをとれる点は評価が高い。
伝染病のヴォラック
ETBで土地サーチor増殖。ストンピィ的には4マナあれば、《象の導き》+1マナコンバット・トリックが構えられるので、まあ嬉しい。
《蛇皮のヴェール》まで採用している型や《実験体》と組み合わせてみれば増殖も嬉しいが、如何せん愚直にパワーをあげるだけでは、筆者の感想的にはイマイチとしかいえなかった。
ちなみにステッカーも増殖できます。
殺戮角
普通に出すとただの3/3/2なので、湧血の能力をメインで使って、もしものときにだけ場に出したいクリーチャー。
ストンピィにおける瞬間パンプアップはブロック・クリーチャーの突破やリーサル時の押し込みに使うと思われがちだが、防御面の役割として、クリーチャーが除去されそうになったときの対応で打つことの方が多いので、アタック時にしか使えない湧血は少々評価が低い。
次にも紹介する、クリーチャーでありながらコンバット・トリックとなるカードたちを複数搭載した《紆余曲折》採用タイプなどができたらワンチャンスはありそう。
忌み者のフェアリー
サイドの墓地対策カード。《大祖始の遺産》は設置・起動に各1マナかかるのがテンポロスに繋がるので、それを解消してくれる枠。
テラー相手には2枚追放程度では話にならないが、他デッキ相手には見えない角度から墓地対策が飛んでくるので意外性は強い。
Spyや《死体発掘》を利用するリアニメイトデッキ、《虹色の断片》などの使用デッキが増えるなら採用しても良いと思う。
【4マナ】
戦旗皮のクルショク
4/4/4 トランプルはマナフラ受けとしての側面として捉え、2マナの補強2をメインで使っていきたい性能。
特に頑強持ちの《安寧砦の精鋭》とのシナジーが良く、クリーチャー補充の《紆余曲折》を上手く使えないか考えてみたが、本当に欲しいのは後続より押し込みのコンバット・トリックなのではないかと思い、まだ試してはいない。
7マナで活用している頃にはどの道負けていそう。
ブラストダーム
消失3ではあるが、4/5/5 被覆持ちはなかなか。欲を言えばトランプルが欲しいが、そこは対象の取らないステッカーで!と思ったが、テラーに対して4マナのクリーチャーをぶつけに行くのもなあと思い断念。対親和ならそこそこ役立つかも。
増殖持ちとも組み合わせてみたい。
【6マナ】
わめき騒ぐマンドリル
6マナを素キャストするころには負けていそうだが、探査によって1マナで出すことのできる4/4 トランプル。
《Finishing Move》採用型では安定して3マナに到達するため18~20枚程度の土地を取るが、マナフラ受けのためにサイクリングランドやキャノピーランドの採用している。
これにより従来のストンピィより墓地が肥えやすく、1枚差し程度なら問題なく運用できると考えている。
3マナ程度で出しても十分なスペック。
以上。
おわりに
カードの強さは環境によってマチマチです。
ローテーションの無いエターナルフォーマットにおいて、後世に残すならその当時の75枚解説より、採用の余地のあるカードを全解説した方が良いんじゃないかと思いつきで書き始めたこの記事ですが、誰かのため、あるいは新環境に向けての自分のためになればとも思います。
後編ではコンバット・トリックや強化エンチャントたちについて取り上げるので、お楽しみに!
またこの記事は、今後も良さそうな新カードが来たら追記予定です。執筆当時だと次セットは「エルドレインの"森"」ですね。
2023年前期のスタンダードでは、緑を使う機会がなかなか無かったので、緑の復権と新規コモンが楽しみです!
追記
2023/8/15 《忌み者のフェアリー》を追記
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