社会人1日目
3月31日まで学生という能書きでふらふらしていたのに、4月1日から社会人になった。というかなっていた。
3月31日23:59:59までは学生
その60秒後にはどうやら社会人ということらしい。
そんな意識なので、人生に一度しかない4月1日を迎えるときに私が何をしていたのかと言えば、相変わらず見ても見なくても自分の人生においては全く関係の無いSNSをスクロールしていた。ゴミか?
明日の準備もせず、かと言って眠れないので私とお話していきませんか?ということもせず、満員電車の撮影をしてる男性のYouTubeを朝になるまで見ていた。ついでにコメントもした。今見たら長文で返信が来ててウンザリした。
睡眠を取らずぼんやりとした頭のまま支度をして家を出たせいでワイヤレスイヤホンを忘れる。家には戻る時間もなくただテンションが2マス戻る。
出社して席につき、定刻になった。
壇上に立つ初老の男性はどうやら人事の偉い人のようだ。
初老の男は言った「君たちはまだ学生だ。学生気分が抜けてないぞ。今日は社会人の自覚を持ってもらうからな。」と。
よく分かるなあ、、と思った。挨拶がダメらしい。挨拶にダメもくそもあるんかと思った。
そこからはもうすごかった。嵐かと思った。
声出しから始まるんかと。私から見れば優秀な振る舞いをしてる同期もダメ出しはされるわやり直させられるわ。え、いつわたし軍隊に入隊したんだ?グリーンベレー?FBI?
社会やべ〜と思った。
一通り終わったあとにはもう頭痛が始まっていた。なんでもいいから叫びたい気分になったし、全然全裸になりたかった。
味のしない昼食を食べて、また軍隊をした。
一日がこんなに長いとは驚いた。ずっとこんな感じは嫌だなと思った。
声が出てなくて何度も自己紹介をやり直している同期に同情を覚えつつも、なんで声出すことも出来ね~んだ犬だってデケエ声で吠えるわカスがと身勝手なことを思ってしまった。この場を借りてお詫び申し上げたい。
帰宅する際に同期の子に話しかけれるが、内容が耳を通り抜けていく。とりあえず目を細くして相手の目を見つめ、会話の切れ目で適切に頷いておいた。
帰りの方向がおなじで、怒りを通り越して笑えてる時とほぼ同じ感情が押し寄せてきたが耐えた。家はもうすぐそこだから。
家に着いた。子犬を撫でくりまわしてたら涙が出た。なんの涙かわからなかったが、その時思ったことは「犬って臭い」「こんなに小さくて温かい生き物がこの世にいるんだ〜」の2つだ。
風呂に入りプロテインを飲んで泥のように寝た。
この投稿を未来の私が見たらどう思うのだろう。1週間後、1ヶ月後、10年後の自分が見たらどう思うのだろう。舐めんなとか思ってんのかな、怒るかな、懐かしむのかな。未来の私よ、仕事はまだ続けてますか?一日目の私はこんな感じでした。
初心を忘れずにというが、人は忘れる生き物だ。
だから人は描くことを覚えた。文字を生み出した。文章を組みたてた。だから私も忘れないうちに書いておく。人事も「メモとれ!」って言ってたから。
時は未来へとしか進まない。1秒前には戻れない。3月31日23:59:59から1秒すぎて社会人になった私は、あの妙に生温くて常に痛みを感じていた学生時代には戻れなくなってしまったのだ。
ならば終わるまで歩み続けようと思う。戻れないなら前に。学生気分の私を持って行けないのなら、ここに置いていこう。
不安しかない。早く目標達成したい。恋人とは次いつ会えるだろうか。評価軸が明言化されずに自発的な行動を取らせられるのは辛いので、誰か正解を教えて欲しい。人には嫌われたくない。仕事怖い社会怖い家で犬と一緒にずっと寝てたい。人に否定されたくない。
さようなら。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?