中央大学通信課程2020年民法4(債権各論)代替スクーリング試験[評価B]

問い1は回答必須、問い2は3問中1問選択で、以下の設問について解答しました。3301文字、参考資料なし。

問い1 次のような申込みの意思表示が貴方に対してなされた申込みに関する記述の場合、契約は成立するか。契約の成立の原則を踏まえ、レジュメ17-23頁の記述も参考にして、理由を示し貴方の結論を述べなさい。「私Aは、貴方に、時価2000万円の私の土地甲を1500万円で売ります。ついては、1ヶ月以内にお返事をいただきたく、もしこの期間内にお返事がない場合は、承諾とみなします。」このAの申込みに対して、貴方は返事を出さなかった。

問い2 C 民法722条2項の過失相殺の規定につき、解釈上問題となる点につき、具体例を挙げて論じなさい。

以下回答です。

問い1
1.成立の要件
事例は売買契約であるから、民法555条により売主Aが財産権の移転を約束し、相手方が代金の支払いを約束すれば、両当事者の申込みと承諾の意思表示が合致し、形式上これが成立すると考えられる。また民法は、契約自由の原則により諾成契約を保証しており、契約の内容を示してその締結を申し入れる意思表示が相手方に到達したことをもって申込みの意思表示が効力を生じ(97条1項)、「相手方が承諾をしたときに」契約が成立すると規定する(522条1項)。さらに、承諾期間に定めのある場合、相手方は、この期間内に承諾の意思表示が到達しなければならない(523条2項)。そこで、定められた承諾期間内に返事をしない場合、これを自動的に承諾とみなすことが認められるか否かが問題となる。

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