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レジェンド推し芸人

2023年9月18日。紀伊国屋書店本店。
私はある方の絵本デビュー発売記念サイン本お渡し会に並んでいた。

試験前でも面接前でも感じたことのない緊張が私を襲った。はっきりと心臓の鼓動が身体全体に伝わって錆びたロボットのような動きで列に並んでいた。

衝立の向こうから何度も聞いた声が聞こえてきたとき、自分の番が来た瞬間、

画面や、劇場の遠い席からしか見たことなかった大好きな人が目の前にいる。

「頭真っ白になるってこういうことか…」という文字だけが真っ白な頭の中に浮かび、消えていった。



突然ですが、数多いる推しの中でも1番好き、生涯をかけてもいい推しのことをレジェンド推しと言うらしいです。じゃあ自分のレジェンド推しは誰なんだろう?と考えたとき、あるお笑いコンビが頭に浮かびました。


高校1年生から断続的に熱中し、あるコンビをきっかけに本格的に芸人オタクになりました。お笑い好きですが、全てのライブをチェックしたり全てのラジオを聴いているわけではなく、特定の芸人を応援するというスタンスなため、芸人オタクと名乗らせていただきます。

遍歴は、初めて劇場に足を運んだ千鳥、友達に紹介された四千頭身、コロナ禍で鬱気味のときに心を救われたハナコ

そして、M-1グランプリ2020で知った見取り図

先程のあるコンビとは見取り図のことであり、タイトルのレジェンド推し芸人を指します。
今回、見取り図と自分を見つめ直す備忘録としてこのnoteを書きたいと思います。

超簡単プロフィール

・大学生
・関東住み(首都圏)
・現在好きな芸人→見取り図(最推し)、さや香、ダブルヒガシ、天才ピアニスト、ビスケットブラザーズ、令和ロマンなど…


関東住みなため、M-12020まで見取り図のことは全く知りませんでした。しかもそれまでコントが好きだったため、漫才に疎く、M-1をしっかり見たこともありませんでした。「誰も知らんな~」と思いながら見たM-12020で私は運命の出会いをしたわけです。

…訂正。全く知らなかったとは嘘です。

私には別界隈でSNSで出会った、高校時代からの親友がいます。その子は大阪府民でM-1前に「面白いYouTubeあるで」と教えてくれたのが見取り図ディスカバリーチャンネル(MDC)でした。ですが私は性格が終わっているため、他の人から勧められたものは基本的に見ません。チャンネル登録だけして放置していました。(本当にごめん)

そしてM-1で「再会」するわけです。
「チャンネル登録だけした芸人」が見取り図だと一致するまで時間はかかりましたが…

後に話題になる「漫才か漫才じゃないか」という論争は正直どっちでも良くて(マヂラブにハマっていた時期もあるので…)、ただあの時は「優勝は見取り図でしょ!」と思った大衆の1人でした。これがきっかけで見取り図は「チャンネル登録だけした芸人」から「なんとなく気になる芸人」に昇格しました。

そこからどうやって現在に至るまでのめり込むことになるのか正直覚えていません。見取り図の画像を初めて保存したのは「12月26日」、MDCをスクショしたのが「12月27日」、cookpadLiveを視聴したのが「12月28日」でした。M-12020は12月20日ですから、この間に「なんとなく気になる芸人」から「なんか好きかも芸人」に昇格していたことになります。

あと「面白い」とさらに思ったきっかけが、盛山さんのインスタストーリーです。
これ↓



この「俺って○○していいんや、、」シリーズがツボにハマり、一気に惚れました。ミカンがオチかと思いきや、めざましくんガシッがラストなんて…声出して笑いました。
それからMDCや怒涛の東京番組を経て、気づいたらどハマりしていました。


恐らく、見取り図を好きになったきっかけの中でM-12020は1番王道だと思います。私はSNSでファン同士の交流は全くしませんでしたが、見取り図のファンが急激に増えて熱が高まっているのは感じましたし、私もその1人でした。

翌年の2021年こそ、私にとってはとっても楽しい1年で、見取り図にとって1番しんどい1年だったと思います。本人や周りの芸人さんから「あの年はヤバかった…」という話をよく聞きますが、それでも2021年のその時はそのしんどさを見せず、慣れない東京で奮闘して結果を出し、MDC150本の公約もきちんと守ったことが私が見取り図が好きな理由の1つです。


余談ですが、私は中学生からファンです。なので「熱中症になった櫻井翔」のくだりが大好きですし、「1億3000万人のSHOWチャンネル」でこのやり取りがあったときは震えました。

ほんまか?




…そんなことは置いておいて、順調に(?)見取り図推しライフを歩み始めた私ですが、一つだけ大きな問題がありました。

見取り図が劇場に全く出ない

好きになったからには生でネタを見たいのがお笑いファンの性であると思うのですが、この頃の見取り図は忙しすぎて、また大阪所属だったこともあり、東京の劇場に全く出てませんでした。
ごく稀にルミネ出番があっても抽選の時点で完売。勿論抽選落ち。大阪出番があってもコロナ禍ゆえ気軽に県を行き来できない。
大好きなのに会えない。かなりストレスでした。こんなに好きなのに画面でしか見れない。大阪に行けない。

さらに2021年8月、私は先述の親友に会いに大阪旅行の予定を立てていました。見取り図が出るライブと、MDC展のチケットを取っていました。
その時期にちょうどコロナウイルスがまた元気を取り戻し、その旅行は中止になりました。親友にも見取り図にも会えなくなってしまったショックで、あの頃はかなりメンタルを崩してしまいました。
今でもただの紙切れになった、2枚のMDC展のチケットは机の引き出しに眠っています。見えないように色んなものを上に乗せて、あの頃の悔しさを思い出さないようにしています。

また見取り図チャンスを失い、初めて見取り図関連のイベントに参加したのは2021年9月29日の「MDC展in東京」でした。最高なことに私の誕生日の前日でした。

当たり前のように1人で行きましたが、本当に幸せでした。1人で綾ちゃんのパネルと写真を撮り、1人でスタッフさんに頼んで南大阪のカスカップルのパネルと写真を撮りました。

特に印象的だったのは(ヌードデッサンの原画もだいぶインパクトがありましたが)、この動画内でリリーさんが盛山さんにウルトラライトダウンをプレゼントすると見せかけて自分で着るというボケをした、その現物があったのですが、

サイズがLLサイズでした。
リリーさんは基本的にLサイズなので、本当は盛山さんに用意したものだったんだとホッコリしました。他の単独等で着た衣装も展示されていましたが、盛山さんは大体LLサイズでした。おっきい。

念願のイベント参加も、本人がいらっしゃったわけではありません。その後も配信でバックトゥザミトリズピアス(ニューヨークとのツーマンライブ)を見ながら、会いたいなぁ、生でネタが見たいなぁとずっと思いを馳せていました。


そしてついに2021年11月7日、東京グランド花月ルミネtheよしもとで初めて見取り図を見ることができたのです。ハマってから1年近くが経とうとしていました。

当時の興奮ストーリー(読まなくていい)

これも1人で行ってますね。お気づきでしょうが、友達いません。

初めて劇場で見取り図の出囃子「涙のリクエスト」を聞いたとき、頭が真っ白になって鼓動が一瞬止まりました。軽快なドラムロールと共にお二人が出てきたとき、微かに総毛立ったのを覚えています。
正直席は遠くて、お二人の姿がくっきりと見えたわけではないですが、本当にいらっしゃるんだと思いました。盛山さんの特徴的なハケ方も見れて、とても嬉しかった。ネタはM-12021敗者復活でもやっていた左利きと、病院でした。(ストーリー参照)
お二人が生み出す笑いの渦に強制的に巻き込まれる感覚。お二人が「生のお笑い」の良さを語られる意味がわかりました。
また見たい。また巻き込まれたい。
そう強く思った一日でした。(次の日の一限はちゃんと行きました)


さて、時は経て年末になりました。年末と言えばM-1です。周知の事実でしょうが(?)見取り図は準決勝敗退となり、敗者復活組になりました。
正直、決勝には行くと思っていたため、ショックではありました。けれどそれは彼らにとってプレッシャーでしかなくて、あの多忙の中準決勝まで進出した時点で褒め称えなければならなかったのですが、それすらも少しはばかられました。なぜならこの動画を見たからです。

コメント欄でも指摘されていますが、左後方部にいる2人の姿は見ていてとてもいたたまれなくなりました。
じっと耐えている盛山さん。落ち着きなくキョロキョロしているリリーさん。誰かが呼ばれたとき「もう呼ばれない」と悟ったかのような表情。かける言葉はただのいちファンである私にはありませんでした。だからこの行き場のないやるせない思いは自分の腹の中でずっとぐるぐると渦巻いていました。

こんなことってあっていいの?
この1年、大阪と東京を死ぬほど行き来して、東京番組で奮闘して、少ない時間で単独を打って舞台に立って。
その努力は報われないの?

いちファンのくせに偉そうですよね。そんなことわかっていても悲しかった。敗者復活を全力て応援しよう、そう前を向けるまで数日かかりました。
敗者復活当日。つまりM-1当日。見取り図のエントリーナンバーは4000。出順は4番目。
とてもとても寒い中、会場の熱気を一気に引き上げたのは見取り図でした。なるべくフラットに全ネタを見ましたが、投票のとき、やっぱり1番面白かったのは見取り図だと自信を持って1組に選びました。

見取り図は敗者復活4位でした。

マジかとは思いましたが、その後のM-1の結果には何の異議もありません。お笑いファンとして楽しく拝見しました。


年が明けて2022年。
年始早々お二人揃ってコロナウイルスに罹患されてしまいました。体調の心配と快復を願うと共に、1月29日にルミネtheよしもとのチケットを2ステ分取っていたため、めちゃくちゃしょんぼりしました。このときが芸人さんのコロナ感染ピークで見取り図以外にも代演になっていました。仕方ないことですね。

そして覚えていますでしょうか、21年夏に旅行が延期になったことを。そのリベンジ旅行が2022年2月24日〜27日に決行されました。見取り図スポットを洗い出して、全ては行けなかったものの居酒屋やライブを詰め込んで、親友とUSJ(関西だとユニバと呼ぶらしいですね)に行くことができました。

念願のマンゲキ!

この最終日に、見取り図がマンゲキを卒業すること、東京所属になるニュースを拝見しました。
残念ながら卒業公演は配信勢でしたが、最後に「よしもと漫才劇場所属芸人の見取り図」を見れてとてもとても幸運でした。


それから3月、4月、5月と月イチの頻度で見取り図を見に行きました。何回見に行っても見取り図の出囃子を聞くと心が踊ります。その後間が空いて10月に渋谷LINEキューブで行われた営業に行きました。
思えばこのライブがM-1ラストイヤー前最後に見に行ったライブであり、11月15日のM-1準々決勝で見取り図が敗退するなんて思ってもみない頃でした。
M-1前だし賞レース用のネタをかけるかな?と思っていたのですが、営業用の、お客さんを巻き込むタイプのネタである謎解き都道府県ゲームでした。そういうところが本当に好きだなと思った記憶があります。

さてM-12022ですが…
準々決勝で噛み倒して敗退してしまった見取り図ですが、リリーさんの大噛みに対する最後の盛山さんの「噛みすぎやろ!」というツッコミ、笑顔でハケていったお二人を見て、敗退したという事実は置いといて、とても見取り図らしい、素晴らしい15年の終わり方だと思いました。その後ラジオで自分も甘噛みを繰り返していて、触れるか迷っていたらリリーさんが大噛みしてあの言葉が出たと言っていた盛山さん。

#5の「ドキュメント・バイ・見取り図」も好きですが、1週間経って冷静になった言葉が聴けるのでこっちも好きです。

もちろんこれも!

2021年で「スッキリした」と語っていたお二人がラストイヤーに出てくださったことはすごく大きな意味があると思います。
金属バットやランジャタイ、モンスターエンジンなど共に戦ってきた戦友とM-1を閉じることができて、本当によかった。
こんなこと言うとM-1にストーリーを持たせすぎてまた芸人さんがやりづらくなってしまうんでしょうか。まあいいか。

大好きな写真


2022年、2023年と、アイドルや他の芸人にもハマり、見取り図を生で見る頻度は少なくなってしまいました。POSSE会員になり、テレビやYouTubeなどで動向を追ってはいますが、ライブはなかなか当たらず……私の名義は本当に雑魚。

7月には家族で大阪旅行をする予定だったのですが、森ノ宮での出番と、大阪駅時空の広場で開催されたナツノレイル旅祭を見るため前乗りするというトンデモスケジュールを組みました。ナツノレイルの後、芸人さんが列になって帰る際に手を振ったら盛山さんが目を見て振り返してくれて、その後「好き…」しか言えない体になりました。(出待ちしたわけではなく、偶然通りかかりました)

そして2023年9月13日、初めて見取り図の初単独ツアーBackpackerに行くことができたのです。

会場となった浅草公会堂にはせり上がりがあるため、そこから登場されたときは感無量でした。
ツアー中のため詳述は控えますが、漫才、コント、幕間VTR、全てが私の大好きな見取り図でした。

喜怒哀楽に分類できない様々な感情が混ざりあって、言葉にしたら褪せてしまうかもと思うくらい、大切な思い出になりました。幸せってこういうことを言うんだろうな…と本気で思っちまいました。

あと、POSSE会員限定Tシャツを着ている方がたくさんいらっしゃって、ここにいる全員が見取り図が好きなんだと思うと不思議でした。最高の空間ですよね、私は見取り図ファンどころかお笑いファンの友人すら1人(先述した親友)しかいませんが……



ここまでつらつらと語ってきましたが、周りにお笑い好きな友人がいないため、「見取り図のどこが好きなの?」という質問をよく受けます。



わからん‼️😁

ネタが好き、平場が好き、お二人の人柄が好き、コンビ間の連携が好き…挙げたらキリがなく、突出した「ここが1番好き!」ポイントが見つかりません。この2年間で少しずつ育ててきた好きという気持ちが見取り図という存在を完全に包摂していて、明確な言語化を拒否しているのです(伝わりづらい)。
たとえ言語化したとしても、月並みで見取り図ファンの方なら「もうええて!」と叫んでしまいそうな陳腐な褒め言葉しか羅列できない気がします。

だから、MDCで1番好きな動画、ネタ、ラジオを残しておきます。

MDC

1位選べなくて2個選んでしまいました……

「マッハPアタック」では盛山さんのしっとりした「僕にちん○んを見せてください」とリリーさんのロレックス見せるくだりが意味わからんすぎて好きです。冒頭でさや香も好きと書いてますが、それも含めて好きです。

「リモート喧嘩ドッキリ」ではマユリカの面白さを知ったのはもちろん、例えドッキリでも喧嘩できない見取り図の仲の良さと演技の下手さを感じられます。あとこの時のリリーさんすごいカッコイイ。リリーさんは髪の毛長めの方が好きです(聞いてません)。

2番目に好きなのはこれ↓

同じサンドウィッチ選んでるのも、結局食べないことになったのに「仕方ない」と言い合っているのも、見取り図らしくて好きです。

ネタ

痴漢
「若痴漢」というパワーワードに加え、「マンチカン」をかけているのが好きです。あと最後の満員電車に揉まれて密着しているのかと思いきや「やっと2人きりになれましたね…」て囁くところ、こっちの想像が裏切られるのが最高に面白い。想像裏切り系で言うとM-12022の3回戦、ABCお笑いグランプリ2023でやっていた舞妓のラスト「キャップ被ってたん!?」も好きです。
ネタ動画がないので画像だけ貼っておきます。

浴衣DE漫才のときの写真

名誉のために付け加えますが、くっついてるから好きなわけではありません。

スタンド・バイ・見取り図

らじこーはエリア外で聴けていなかったのですが、見取り図のハコを経てのレギュラーラジオに大歓喜した記憶があります。ゲスト回も大好きですが、やっぱりお二人の掛け合いが好きです。リリーさんのボソッと言うツッコミが大好きなのでラジオだとたくさん聴けて幸せです。

1番好きな回

衝撃のラストに大笑いしました。

あとは「あらぽん」、「チンタクからドローン」、「盛山と漢方」、「盛山がバトル!『謝りたくない!』」、「けいちょんフェスにもの申す!」など挙げたらキリがないです。マンモだけは未だに理解しきれていません。


この時点で6000字を超えてしまったのでそろそろ締めたいと思います。備忘録と言いつつ、自分でもこんなの読み返すのかな?と嫌な予感がしています。目次とかどうやってつけるん?noteって何文字が平均なんですか?もはや短い論文くらいの分量あるぞ。

まあいいや。

noteの仕様がわかっていないのでバリ読みにくかったと思いますが、もし最後まで読んでくださった方がいれば、大感謝です。
今回は見取り図と自分というテーマで書いたので、今度は見取り図の魅力について書き出したいと思っております。気力があれば(^-^)

いつか、お二人にずっと応援していますと伝えられる日が来ますように…

どうも、ありがとうございましたー!

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