第27回おもてなし武将隊におもう
1、導入
地元の祭りがあり、「おもてなし武将隊」の演舞目当てで人混みに紛れてきました。
「おもてなし武将隊」とは日本各地の観光PRを担う人々のことで、地域に根付いた歴史上の人物に扮することで「武将の世界観」を表現します。
2009年に結成された名古屋の武将隊が嚆矢で、全国に30ほどあると言われています。
うちの御屋形様(上記写真中央の人物)が自らの誕生祭に各地からそれくらい集まると言っていましたので確かでしょう。
熱烈な追っかけもいるようで、うちの5歳の息子も朝からパンフレットで予習しているほど楽しみにしていました。
全国から武将隊が集まるサミットも開催されているようで、近年の観光PRのあり方としては定着した感があります。
個人的にはくまモンとかヒコニャンより世界観で売っているだけ好感を抱いています。
公務員の自分が言うのも何ですが、お役所主導の仕事としてはうまくいった少ない例の一つではないでしょうか。
2、公共事業としての類似例
お役所仕事の成功例として、「道の駅」もよく挙げられます。
道の駅は、国土交通省が主導して整備するもので、商業施設・休憩施設・地域振興施設・駐車場等が一体となった道路施設のことです。
全国に1000箇所以上あるので利用したことない人はほとんどいないのではないでしょうか。
個人的には日本テレビ「ザ鉄腕ダッシュ」という番組で道の駅で売られている地域の特産品から地元の生産者さんを訪ねて廃棄するものをもらって料理する企画が好きで見ていたのでその印象が強い施設です。
実際、広い駐車場と産直、地元料理が味わえるレストランがあり、温泉も併設されているなどそこが旅行の目的になってもいいような施設になっていると感じます。
とはいえ雨後の竹の子のように増えすぎ、競合してしまえば利点を活かせなくなってしまいます。
そもそも車社会を前提にした施設なので、今後10年、20年を見通した際にはそのビジネスモデルには疑問があります。
いわば「平成」の象徴となるモデルではないでしょうか。
3、展望
武将隊の話に戻りますが、こちらも増えすぎると新鮮味がなくなりそうです。
例えば一つの県内にいくつも存在するのはどうなのでしょうか。
一つに絞って磨きをかけて全国屈指の武将隊になってもらうほうが、それを目的に旅行にくるような影響力を持ち得るでしょう。
それでも、「道の駅」とどうように、後世から見たら「平成」時代の産物とされてしまうのでしょう。
何より、400年以上前の戦国武将が一番のキラーコンテンツだなんて、その肩にどれだけ重荷を背負わせるのか、と言う感じです。
総理を狙う野心的な政治家や、時代を先取りする事業家、地域への移住をうながすようなインフルエンサーが我が地域から出て欲しいものです。
まあ、昨日に引き続きお前がやれよ、って話ですが。