回帰、そして成熟の軌跡 2020 J1 33th Sec
前倒し分の33節。久しぶりにホーム日産。
選手の疲労蓄積を考慮した大幅なスタメン入れ替え。しかしCBは連勤だし、小池を左に配置せざるを得ないあたりに苦しさが現れているが、果たしてどうなるか。
メンバーを替え過ぎたので何とシンがキャプテン!
そしてキックオフ。フォーメーションは関係ない(お約束)だがおおよそ以下のようになっている。
両ウイングが幅を取っている。小池やケニーが交互にインサイドに入る。どうやら思い出したようだ。我々の原点を。
比較的マッチアップの構図が1対1を作るので、前線はプレスに行きやすいようだ。フレッシュなメンバーということもあり、テンション感と強度もある。
相手のネガトラが遅い。生じている空間を使って小気味良いパスワークで前進する。
うちの繋ぎとしてはいつもと変わらないスピード感のようでもあるが、相手は疲れがあるのだろうか。そこから来る様子見か。そのため立ち上がりから何度も相手ボックスにボールを送り込む。
15分を過ぎると互いに保持しながら膠着してくるが、その中でも1648のAJの、ライン裏への走り込みは良かった。ボールはやや長くなったが(結果CKを得る)、これに合わせたショートロブを上げたのがケニーというあたり “らしい” プレーだった。テルと見せるコンビネーションのイメージから出てくるものでもあるだろう。
30分あたりからは相手のウイングへの牽制もありなかなか前に行けなくなるが、シンの縦パスが刺さるようになったりと中央からもチャンスを作るようになる。ただAJの決定機逸などもありゴールとはならない。
願っていた先制点は4054。最前線で収めたエジが上がってきたAJへ。その外の詠太郎へ繋ぐ。速いグラウンダークロスは見事にエジの足元へ到達し押し込むだけだった。
この直前のプレーが映像には無いのだが、フォロイー様からの情報によると、後方で繋ぐのをキャンセルしたパギがロングフィードをエジに当てたということだった。(フィードはケニーによるものとのメディア記事もある)
それを踏まえ見返すと、0632のパギの(エジへの)フィードはこの得点時と近い形で皓太や詠太郎を絡め持ち込んでいる。伏線があったということだろうか。
後半に入り、主にポジトラによってチャンスを作る。しかしなかなかクリーンなシュートまでは行けない時間が過ぎる。
前進の質は決して悪くはないのだが、ファイナルサードに入ってからのアイデア不足はこれまで同様、否めない部分だろう。保持しつつもミスから奪われるなどして相手の時間もそれなりに作ってしまう。
すると68分には同点にされることとなる。
サイドから自陣に入られ長めのクロス。中央で競ったものの繋がれ、なんとも簡単に見える鋭いシュートで決められてしまった。
この後、両ウイングを大然とエリキの走力のある二人に替えたが、むしろプレスは嵌らなくなったかもしれない。行ったり来たりするような攻防が続く。
すると7621に勝ち越し弾。
リスタート、エリキが後方から受けアーリークロスを送る。左サイドに流れてしまうが大然が追いつき小池へ戻す。ボックス角まで持ち上がったところで走り込んできた皓太へパスすると、ダイレクトで放ったシュートは勢いを “殺され” 、ゆっくり弧を描いてゴール隅へ吸い込まれた。
この後、うちは最後まで攻めた。それなりにボールを相手に渡しながら。汗
そしてタイムアップ。2-1 でめでたく勝利を飾った。
最小差にも関わらずリスクを顧みない、終盤のうちの試合運びの是非についてはもう今更言うまい。(言ってる・笑)
そのことよりも言いたいのは、先に書いたように、この日のやり方は2019を彷彿とさせたが、今やそれとは似て非なるものだということ。ビルドアップが難しいと感じたなら蹴るし、DHが状況により最後列に入りその数も自在だし、AJが外へ流れる代わりに皓太や水沼らが中央へ。
すべてに流動的かつ柔軟でありながら、今季前半のような落ち着きのない動きではなくなってきている。積み上げたものと、経てきた時間による成熟を感じること、そのことが何より貴く、胸が熱くなる。
ウイングの個に頼って抑え込まれていた時期は過ぎた。チームはここまで様々なトライを重ねた結果、動的にネットワークを形成しながら前進し、チャンスは地域を問わず作れるようになってきた。
この先、舵を向ける先はどこか。楽しみだし期待している。