ふりだしに、もどる。 2020 J1 14th Sec
チームはカップ戦を戦うためにこの週の水曜に遠征している。
相手のプレスに苦しみ、トータルでもシュート5と抑えられたものの、PK戦の末にこのカップ戦、準決勝進出を果たした。
そしてJ1第14節。
リーグ優勝を諦めてはいない。そう選手は言う。
ならば現在の首位との対決、勝利以外にない。またも中2日と厳しい中でこの重要な試合を迎えたが、ホームでもある。
いこう。やろう。
試合開始。
立ち上がり、相手がうちのCBにプレッシャーをかけてくる。
しかし30秒ほど経ち相手スローインから混戦・密集になった右サイド後方から持ち上がったAJが中央のマルコスへ、そしてスプリントしたエリキへ。ここで惜しくも通らなかったが、カウンターの形になった3対4、これはそのまま持ち込めれば決定機だった。
サイドに密集ができたら、その地域と前後方でプレーを続けてしまうと難しくなる。ここでは横方向へ中央のマルコスを経由し脱出したパスがキーになったことがわかる。密があれば疎が生まれる。そこを使うのだ。
相手ボールになってもプレスはまずまず効いている。GKに蹴らせ回収。すると0153には早くもマルコスによる先制点が生まれる。
チアゴから詠太郎に入ると高いポジションにいた小池がチャンネルラン。回転しながら入れ替わるとフリーになった。その小池から引き出した詠太郎が中へ長いマイナスのグラウンダークロス。これはやや速度が足りなかったもののマルコスに届き、ゴール隅を突く上手いシュートが刺さった。
クーリングブレイクの後、うちの弱点、サイド裏へのロブをきっかけに相手が攻勢を強める。
跳ね返しやGKキャッチからのスローなど、切り替わりの瞬間はうちのチャンスでもあるのだが、どうも落ち着いたボール保持と前進ができない。結果として相手の時間帯が長くなり、3235には同点ゴールを許してしまう。
うちから見て左に寄って圧縮していたのだが、奪い切るまでいかなかった。そんな時に逆サイドを使って抜け出されてしまうともう運を天に、である。
前半終了。そして…
ハイ負けた! 撤収撤収!
というわけにもいかないのでちょっと書く。
後半立ち上がりに一気に2点を失い、1-3となったまま負けた。2失点めはやや不運な抜け出し方をされたと言えなくもないが、3失点めは自分たちのボールで前進を急ぎすぎ、奪回しようとGKまでプレッシャーにとベクトルが前のまま裏返され、遅いカウンターでやられたという印象。
うちから見た右サイドの2対2でどうにかしたかった。局面のクオリティと言えばそれまで、だが。
50分過ぎには天候が急変、大雨となる。
やりにくさはあったのだろうが、チャンスを作れていなかったわけではない。オレはあの相手が特別強いわけではないと言い続けてきたが、守備における穴はあって、事実それを突いて前進できていた。
今のうちは選手間の間隔を使って前に行ける。構造を突ける確信はあった。しかしながら先に2点差をつけられては厳しい。
オレ自身もこの試合にやや入れ込みすぎたか、終わってみると、人生ゲームのようなボードゲームでふりだしに戻ったかのような気分だった。
うちは強くない。いや、たびたび見られたように、鮮やかな前進もできるのだ。良い面と悪い面のそれぞれの質量が重すぎ、天秤の腕が折れ曲がりそうに撓んでいるような状態を想像してクラクラする。
リーグ戦の消化は半分にさしかかろうとしている。この日の敗戦によって首位との勝点差は17と広がった。この先、どんな推移となるだろうか。
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