そんなに悪かったかなぁ…? 2020 J1 25th Sec
前倒し消化分の25節。次から次へと試合でしかもまた中2日。復帰しては怪我人が出るような状況で、果たして無事に今季のスケジュールを終えることができるのだろうか。
チームは乗ってきている。前節で4連勝とした。しかもそれはすべてが3得点と、持ち前の攻撃性とその力が戻ってきた。矛盾するが、こうなったらもう上のようなことは考えていられないという気分でもある。うまくやってくれ(😅)願わくば昨季の終盤のように突っ走りたい。
スタメンとフォーメーションは上のように。詠太郎がシャドウの一角に入った。
久しぶりの三ツ沢でキックオフ。
立ち上がりから相手のプレスと攻勢。相手の守りは4-4-2を基調としながら、(片方の)HVにはSH、WBにはSBが出てくるなど、完全に蓋をしようと出足が速い。
しかしうちのビルドアップに落ち着きが感じられる。0256などは右後方から左、そして縦と上手く躱し脱出しながら決定機なのがおわかりだろうか。右の水沼まで含めれば5対3に近く、彼のサイドに出せていればうちの形、速いグラウンダークロス、あるいは直接シュートまで持って行けたはずだ。
このところパターンになりつつある、WBに蓋をされた時に斜め前の中央、CF(方向)へ送るパス。0604に早速見られた。
相手のSBの出足が速いほどこれは有効で、中央が疎になるのと同時にチャンネルにギャップができる。横というよりは縦に段差が。そのためオフサイドを気にせずコンビネーションで縦突破が容易だ。
水沼からサントスへのパスはコンタクトを受けてしまうが、詠太郎へ繋がり水沼とともに前進。その詠太郎は速いタイミングでクロス。ボックス中央はサントスが倒されたため大然しかいないが2対1で疎。期待感のあるシーンとなっている。
この6分という段階でまたもアクシデント。高野がOUT。これも恐らく筋肉系のトラブルだろう。ここで大津が同じ左WBに入る。
21分はミスから持ち込まれピンチになるが、和田が奪い返し繋ぎながらひっくり返してカウンター。右サイドに抜け出した水沼に詠太郎から縦、そしてサントスへ。ボックスに持ち込んで正面からシュート。これを決めておけばおそらく試合結果に影響したであろうという超決定機だったが2度のシュートをGKに防がれた。
前半の後半は相手にボールを握られてしまう。ここでの守備の問題については別の機会に譲る。やや再現性が見られるので書くこともあるだろう。
後半早々には相手CKから不運なこぼれを正面から決められ先制されてしまった。だが後半、メンバー交代とともに圧を高めながら、結果的には相手のミスだが、83分に高い位置でAJがパスカット、それをエリキのシュートに繋げて得点、1-1 のドロー決着となった。
さて、本稿は大好物の逆サイドからのバックドアについて語りたい。
2346。左でスローインからリスタートした流れでやや密集ができるが、タカに渡り内側を向くと右で開いていた水沼がディフェンスラインの背中側から裏へ。
相手の意識が密集によって集まっている時に逆サイド。受ける側は十分開いて距離を取り、気配を消しておく。水沼は素晴らしく上手く引き出した。
HS終端のまさに「泣き所」がボールの落下点。この場所はゴールを空けてしまうためGKも出られない。ただボールのバウンドが難しかった。それをどうにか折り返し。浮いたボールに触れそうではあったが、サントスと大然が重なるように位置してしまいシュートは完遂ならず。
タカから水沼。この二人によるバックドアは後半の失点直後、4906にも鮮やかに実行された。
図の大きな矢印で示したように(1)、右で作ってエリキがボックス内にボールを送るがシュートできず、(2)大津が戻したところでタカ、そして水沼へ。
プレーベクトルが移り全員の意識がタカの地域に集まったところを逆転、つまり元の場所に戻るようにパスしたため、相手のディフェンスラインは虚を衝かれたかのよう。折り返しは弾かれシュートできなかったが、非常に惜しかった。
ミドルレンジのロブによるバックドア。このパスが出せる選手という意味では、今のチームの中においてはタカくらいかもしれない、というイメージはぼんやりとあったが、そのままのプレーになってもいることに少々の驚きも感じる。
また、試合の何度目かの見返しで(笑)気づいたこと。
1409、左で密集になった後のタカによる長いサイドチェンジ。これがピタリと水沼に合う。
少々戻って、1342も左で密集である。このとき右が画面で捉えられていないのだが、1348の水沼の戻りを見ると、やはり相当前で開いていたと思われる。
タカの淀みないパス選択を見るに、こうしてポジションしている水沼のイメージは最初からあったのではないだろうか。時間がここで作れると。
過去のエントリーでも書いたが、水沼は幅を取る位置取りが上手く、その意味がわかっている。
それを生かしたまま前方に動けば決定的なバックドアの出来上がりというわけだ。
相手を押し込んだのちの、パターンを持たないうちのラスト1/3。彼ら特定のコンビによって実現された、ごく限定的なプレーなのだが、シュートの一つ前の「決定機」を作る上での成功体験として、逆サイドで裏を取るメカニズムが選手それぞれに記憶されてほしい。これを実行すればチャンスになるではないか、という理解が共有されていけば他の選手による再現性も上がると考えている。
長くなってしまったので終わりま〜す(・ω・)ノ
事実としては、非常に効果的なこのプレーも、シュートには結びついていない。直接GK強襲のシュート、そこからのこぼれ、引き出した逆のサイドで更に浮く選手を置いておく、また中央後方できっちり浮いておいてマイナスのパス、など、バリエーションとともに練度も必要だろう。言わずもがな、全員のイメージが一致していることも必要だ。
アンジはこの試合内容に激怒していたようだが、オレは上のようなプレーが見れたおかげで満足度は割と高い。笑
ドローに終わった今節だが、また来る試合に期待している。