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2020 J1 34th Sec “最終節”

失意のACLから間が空いた。

新型コロナウイルスの影響で日程が詰まってしまい、短期で駆け抜けたJ。ついにこの日、残っていた2020年のリーグ最終節を迎えた。


長らく出番のなかったGK梶川がスタメン。外国籍選手は既に母国へ帰っているため、日本人選手のラインアップとしてはベストと思われるものになっている。


キックオフ間もないロストからいきなりピンチ。これは撃ってくれたのでGK梶川がキャッチして助かった。

前プレが嵌らない。嵌るほどには走れていない。保持はうちに傾いているが、容易く前進を許す。

相手の守備は4-4-2。全体的に寄せの強度が高く、ユニットごとボールサイドにスライドする。そのため開始数分で何度かボックスに入ったのち前進ができなくなる。

すると7分、相手の右サイドの保持をきっかけに縦の往復からチャンネルを突破されると逆サイドに振られてフリーのシュートを許し失点。これは相手の攻撃を褒めるしかないだろう。言うとすれば一度相手の最後列へボールが下がった時に全体に押し上げ守備の圧を上げたかった。


11分には相手GKからのフィードをシンが後逸、相手に1対1の形のシュートを許すもポストに救われる。失点していたら試合は終わっていたと思い胸を撫で下ろしたが、結局この時の予感は的中することになる。


とにかく追いついておきたかった。しかし15分、無情にもこの試合2点目は相手に入ってしまう。被カウンターからフリーのシュートを許し、梶川がナイスセーブを見せた直後のCKからだった。

2点のビハインドをひっくり返す力はうちにはない。さらには相手の勤勉な守備。あのACLの最終戦を何となく思わせる展開に、この後、正直なところ静観モードになってしまった。


21分には得点し1-2と差を詰める。右で密集を作り左へ渡していく。中へいた高野から開いた大然、1タッチクロスを阿道がこれまた1タッチのシュート。浮き上がったボールは一度ポストに当たって阿道のところに戻り、それをプッシュ。

この後、相手の守備によりボックスに入ることも多くはなかったが、放ったシュートもほとんどが枠外ということで、このまま終わる。



後半に入ると、追いつかなければならないこともあってかプレーが積極的になる。いや、どうにかしてクロスを入れようという意識が高まったと言うべきか。

それでも相手の固いブロックにより、それ自体が阻まれる。56分や62分など、もう一歩というチャンスはあったのだが。

そんな中、72分にあろうことかまたCKにより失点してしまう。この日被CKにより2失点なので、いつも「CKは偶然」と言っているオレの立場からすると、とにかくこちらの攻撃で得点できなかったことが敗因の全てだと考えている。

80分をすぎて被決定機は逃れたものの、自陣で失うミスがいくつかあったのはいただけないものだった。そしてこの時間帯に勢いがなくなっていった。最後にチャンスはあったがやや苦し紛れだった。


1-3 で試合終了。横浜ダービー、最も負けたくない相手に屈辱の敗戦。

このような形でシーズンを終えたくなかったが、今季の象徴のような内容でもあり、受け入れるしかない。


さて、守備面で改善が望めない以上は、攻撃のことにフォーカスして言及する。過去自分はこのエントリーで、相手ボックス侵入回数を数えてみたことがある。

今回もそれをやってみた結果、以下のようになった。(おそらく色々と漏れはあると思われるがご容赦を)

【前半】
 保持率 68% (sofascore) 
 侵入・17/シュート・9/枠内・2
 
【後半】
 保持率 62% (sofascore)
 侵入・31/シュート・12/枠内・5

あくまでも相手ボックスへ到達した中での数字。後半になってクロスの回数は増えたものの、ボックスの中へクロスとして送り込んだボールの3〜4割は「触れない」ものだった。

【前半】侵入 17 / うち(触れない)クロス 7
【前半】侵入 31 / うち(触れない)クロス 11

触れたとしてもそれがシュートとしての体を為すかは別問題で、クロスもCKと同じで運に頼るようなもの、という持論は間違っていないと感じる。


それにしても枠内率が低い。

これに関してはひとえに、相手の守備ユニットを動かして疎の状態を作り出せていないということに尽きると思う。

シュート場面でシューターに余裕がない。つまりフリーになれていない。つまりその直前の状態で疎にできていない。選手間隔を開けることができていない。

また、横に動かしながらの縦スルーパスや、逆サイド裏へのショートロブなどいつも言っているような型がないためにシュート場面への心の準備ができていないのでは。どことなくQBK的に外すような気がするのは自分だけだろうか?

相手の守備は賞賛すべきものだったが、このレベルの守備を打ち破れないと今後も同じような内容として目の前に現れてしまうだろう。直前のエントリーでも書いたが、カウンター型のうちに備わっていない崩しの機構の問題なので、これについても改善の見込みについては悲観的である。


この2020年という異常な年に、これまた過密で異常なリーグを走りきったことは凄まじく、お疲れさま、なのだけど、潜在的な弱さの部分が凝縮されたようなこの最終節に、なんともやりきれない感情が残った。



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