9月27日 新曲リリースについて
やっと発表できた。
グローバルショートドラマアプリ #vigloo にて
【HENGEN ~毎朝髪型が変化する男~】の主題歌を担当しました。
viglooはショートドラマアプリ、そこから配信されているドラマの主題歌の話をいただいた時はシンプルに嬉しかった。
もちろん、ドラマメインなので使われる秒数は僅かな時間だけど、それでも不特定多数の今まで出会うことがなかったかもしれない人に音楽が届くと思うったらやっぱり嬉しかった。
『心がささくれ立つ』という言葉に目がいった、この曲はまっすぐなロック調な楽曲だけど、中身としてはひっかかりについて歌っていた。
ささくれは、指先にある小さな痛みの源、その存在がまるで日常の中に潜む些細な不協和音のようで。普段は目立たず、何気ない瞬間に感じる痛みが、まるで心の奥底に隠れていた不安や悩みを象徴してるように思えた。小さな皮膚の裂け目が、指先にだけではなく、心にもわずかな亀裂を作り、その一瞬の痛みが、いかに繊細で、時に不安定な存在であるかを思い出させる。
無視しようとしても時折鋭く刺さる、忘れられない痛みだ。それは一見無害で小さなものに見えるが、触れれば触れるほど深くなり、癒すには時間がかかることがある。こうしたささくれの痛みは、日常の中でしばしば見逃している小さなストレスや抑圧や不安を象徴してような気がする。
Sasakureという名前はそう意味でつけた。
この楽曲の歌詞は結構スラスラ書けた記憶がある。
この曲をつくったこと自体は結構昔で、ちょうど弾き語りの枠に囚われすぎていないか?って自分に対して違和感があった時期だった。
ずっと話してるけど、アコギ1本と歌ひとつで創っていくライブスタイルがとても大好きだ。でも、作りたいものってそれだけじゃ表現できない。憧れたり理想的な先輩たちは”一人で成り立つ”というキチンとした土台に他の楽器が融合していくスタイルで、それを目指したかったのもあって、そこに行き着いたことがとても違和感だった。Sasakureを弾き語りでできないことはないし、お客さんは別に気にしていないけど、自分のなかでは『バンド曲を無理やり弾き語り用にした』と感じていた。
そういった、心のモヤモヤがあるなかで、この曲はバンドスタイルで完結となるよう振り切って作ったイメージがある。デモの段階からギターリフとギターソロはつけて、そのデモを昇華してくれたのかカヅキだった。
彼のすごいところを存分に発揮してくれた一曲になっていると思う。
そうしてレコーディングが終わったのが2020年、コロナ真っ最中の時だった。
そこからリリースしようとおもったものの、コロナで完全にタイミングを見失いほぼお蔵入り状態となっていた。
そんなある日、今回の主題歌の話をいただいた。本当はドラマ用に1曲書き下ろす話しでいただいていたが、脚本を読んでいくうちにSasakureがピッタリな気がして監督に提案したところ、それが見事にハマり今回の主題歌として抜擢された経緯があった。
主人公の直向きさとユーモアが周りを巻き込んでいくコメディドラマに、ほんの少しだけ失ったり失敗したりしたくないという恐怖を打ち破るシーン。まさにドラマの世界観と自分の楽曲がリンクしたと言ってもいい気がする。
色々な人々のもとで作品が形になっていく。自分の小さな部屋から生まれた音楽が世界へと羽ばたいていく。これがとても作り手としては嬉しくてたまらないことだ。
今は小さな1歩でも積み重ねていると思ったら躊躇わず進める。たかがこれくらい、とか人と比べてしまうこともあるけれどそうじゃなく作り続けていこうと思う。いい楽曲、いい音源を。
グローバルショートドラマアプリ #vigloo にて
【HENGEN ~毎朝髪型が変化する男~】
全20話配信中