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北新羽杉山神社
新羽町に続いて
北新羽総鎮守・杉山神社に行ってきます。
ここは少し分かりにくい場所で、散々迷って辿り着きました。
ブルーラインを超えて「せせらぎの道」的な遊歩道を進み、佐川急便のヤードの所を曲がり、緩やかな坂道を登っていくと、
参道と鳥居
ん、鳥居が中空に浮かんでいる...いえいえ、
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参道が崖沿いに横からつながっています。道路を作るために丘を削ったのかなと思ったら、明治時代からこのような形だったようです。
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今昔マップさんより
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このアングル以外、全体が写らない鳥居。
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えっこら階段を登り切ると...うわぁ高いなぁ!
狛子(こまねずみ?)
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ちょうど境内に茅の輪があり、八の字くぐりしました。
あれ?狛犬が変な向き。
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これは狛子(こまねずみ?)様。(前に撮った写真)
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神社の祭神・大国主命のお使いであるネズミ様を設けた。(平成14年)
この狛子様、石臼のように回すことができる。
本殿に向かって左がメスで右がオス。
男性はオスを、女性はメスを1回転してからお参りするそうだ。
(回すとチューと音がするらしい)
たぶん、参拝者が回しきれず放置したのだろう。
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拝殿の前には、本当の狛犬が座している。
社殿
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社殿には三本の杉の木が並んだ「重ね三本杉」の紋章。奈良県の大神神社に由来するそうだ。
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社殿は昭和51年に焼失後、同54年に鉄筋コンクリート造で再建。古い木造の社殿を見てみたかった。
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正面の崖階段の細さから考えると、境内は意外に広い。
北新羽・杉山社の縁起
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三輪神道の先駆者横地監物が、大和国一之宮・大神(おおみわ)神社(三輪明神)の分霊を応永2年(1395年:室町時代)に勧請して杉山大明神と称し、この地を美和台としたことが起源。
町田市の三輪町にある椙山(すぎやま)神社と同じ系統かな?
椙山神社は、元慶元年(877年)大和国城上郡三輪にある三輪神社によく似ている地に勧請したとの伝承がある。
新羽地区に、二つも杉山社があるのは不思議。
現在は新羽町の杉山社が管理をしていますが、二つの神社は系統が全く違うので統合されることなく残ったということでしょうか。
新編武蔵風土記稿の記述
杉山社
村の坤の方にあり、本社は一間半に二間南向なり、石階數級を登りて中間に石の鳥居を立、例祭七月二十二日蓮花寺の持
白山社
年貢地、杉山社の後背にあり、光明寺の持。
天満宮
除地、一畝、村内光明寺の下にあり、同寺の持。
子神社
村の乾の方にあり、丘上に塚の形をなす、土人の傳へに、此塚の下に朱或は金の類を埋めてありしと云、一とせ發きしものありしが、物怪に逢て其ことを果さずとぞ、文化九年より石の社を崇め置といふ。
江戸時代から、参道の中ほどに鳥居があったようですね。
御祭神
杉山社
大己貴神(おおなむちのかみ=大國主命の前身)
白山社
白山比咩命(しらやまひめのみとこ)
金比羅社
大物主命(おおものぬしのみこと)
子大社
大國主命(おおくにぬしのみこと)
少彦名命(すくなひことなのみこと)
五十猛や日本武尊が含まれないのは、杉山神社では珍しい。
境内社
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本殿の右わきに大黒様と三社(金比羅・子・白山)があり、その奥に裏参道が通じています。
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裏参道の途中に稲荷社。
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裏参道は台地の上に続いていたのですね。
つくづく表の崖からは想像できない。
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室町時代の建立ということで、この地域の黎明に関わる古い神社ではなさそうです。もう一つの新羽杉山神社も、立地をみると中世の建立のような気がします。
それでも、田園地帯の静かな高台にある、味わい深い杉山社でした。
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南に向いた鳥居。
日中は白く輝いて、遠くの方からでも見えるのでしょうね。
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