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判決追記:傍聴人・つむじ必勝 22歳の娘を殺害された母、犯人を前に証言

裁判傍聴

東野圭吾の「さまよう刃」に一切納得してない、東京地裁のさまよえる蒼い弾丸つむじ必勝です。今日は朝から殺人事件の裁判員裁判を傍聴しました。判決前の第3回公判で覚悟はしていたのですが、「被害者の母親の意見陳述」「検察の論告求刑」「弁護側の最終弁論」「被告人の最終意見陳述」

ニュース報道

同棲中の女性を包丁で刺殺 容疑の男を逮捕 口論原因か 2019.11.5 07:56
東京・上野のマンションで同棲(どうせい)中の女性を包丁で刺して殺害したとして、警視庁上野署は5日、東京都台東区東上野、自称会社員、吉村卓也容疑者(29)を逮捕した。同署の調べに対し容疑を認め、「口論でかっとなって刺した」という趣旨の供述をしているという。
 同署によると、吉村容疑者は4日午後10時半ごろ、同署に「彼女を殺したので自首に来ました」と1人で出頭。説明を受けた署員が自宅のマンション4階の一室に駆けつけ、リビングのベッド近くの床にあおむけで倒れている女性を発見し、現場で死亡が確認された。近くには凶器とみられる包丁が落ちていた。
 殺害されたのは、吉村容疑者と同棲していた20代の女性とみられ、同署が身元の確認を急ぐとともに、殺害に至った経緯を詳しく調べている。 逮捕容疑は2日、マンション室内で、女性の首を包丁で刺して殺害したとしている。現場はJR上野駅の北東約300メートルのマンションなどが立ち並ぶ一角。
「産経デジタル提供」https://www.sankei.com/

事件概要

被告人(29歳男)は、被害者(22歳女性)と同居し婚約関係にあったが被告人の実家に挨拶に行く段階になって被害者とケンカ、別れ話になり、被害者が寝ている背後から刃物で襲い掛かり刺した後、馬乗りになり首を絞めて殺害。2日後に警察署に出頭し逮捕された。


「被害者の母親の意見陳述」

※一般傍聴、加害者から見えないようにパーテーションで仕切られている。

22年前、娘が生まれた時、どんな事があろうと私が命を懸けて守る、そう誓いました。朝9時、上野署からの電話を受けた時のメモの文字は自分で信じられない程、乱れ読み返せないものでした。

司法解剖で髪を剃られた娘の遺体にショックを受け死体検案書を何度も読み返した。18か所刺された傷の一番深いものは14.5㎝にたっし凶器の包丁は曲がっていた、さらに馬乗りになり首を絞めた。

それから2日間、顔にタオルだけ掛けられ冷たい床に放置され、被告人はその横でコンビニでおにぎりを買い眠りタバコを吸い過ごした、その片づけを自分がした。

本当に娘に対する想い、罪悪感があるなら、なぜ冷たい床に2日間も娘を放置したのか、顔にタオルを掛けたのは自分がバツが悪いから。

娘に明日はこない。犯人に朝がくる事、陽の光をあび気持ちいいと思う事、すべてが許せない、考えただけで気が狂いそう、イヤ、いっそ本当にこのまま気が狂ったほうがどれだけ楽か。

FAXで2枚の謝罪文が送られたがテンプレ通りのものだと聞き受け取らなかった。スマホ等に残る娘の写真はすべて削除するよう刑事に説得してもらったが、プリントアウトしたもの5枚と指輪は被告人が所持、これは死者への冒涜だ。墓参りには絶対くるな。(少し声が震え荒ぶる)

娘とよく音楽を聴いた、今は街で不意にその音楽を聴くと耐えられないのでイヤホンが手放せない。私の作る料理が好きだった娘、だから私も料理をするのが好きだった、だが今は包丁を見るとこんな硬いものが曲がる程の力で刺された娘がどれだけ痛かっただろうと考えてしまう。

今はこれから先、何の為に生きていくのかわからない。被告人に死んでしまえとも思うし、このまま生きて死ぬまで苦しめとも思う。


「検察の論告求刑」

検察が至極情緒的に陪審員に語りかける、量刑グラフというものに当てはめて考えて欲しい「男女の問題」「強固な殺意」「計画性のなさ」など、

ここで今回、被告人は自ら出頭したがこれが「自首」として本当に減刑されるに値するか、どうか、自ら出頭した事が捜査に与えた影響について限定的なものでしかないと異議を唱える、検察は総合的に考え、求刑懲役16年


「弁護側の最終弁論」

弁護側も量刑グラフで考えて欲しいと陪審員に訴える。

前科前歴が無い。

受け取ってもらえなかったが謝罪と賠償の意思がある。

更生環境が整っている。

実直な人柄で現在の仕事も7年続いていた。

突発的で「計画性が無い」。

「強固な殺意」について被告人は3か所以降は刺した事、首を絞めた事まで記憶がない、これは過度なストレスにより心理的にブレーカーが落ちた状態であり(医師の診断有り)記憶がない⇒心理的にブレーカーが落ちた状態⇒「強固な殺意とまでは言えない」。

被告人は自殺を図るも失敗し、防犯カメラに写った警察署に出頭しようと何度も行ったり来たりする姿は真摯な反省のあらわれ。

自首は事件発覚前に出頭し成立する。

よって、懲役10年が妥当


「被告人の最終意見陳述」

大変怖い思いをさせてしまい申し訳なかった。一生かけて償いたい。

(ここで、私の気のせいだと思うが母親がいるパーテーションの方向から、ツバを吐くような音がした。イヤ、本当に気のせいだと思う)


私的考察

弁護側からの求刑というのが陪審員裁判で増えてるそうです。しかし、検察の求刑16年弁護側は10年。6年の差は大きすぎる、弁護側は検察側の2/3とは、これを一般人の陪審員に判断させるのは酷。

それにしても心理的ブレーカーって弁護をよく被害者の母親がいる状況でした弁護人のメンタルが凄い。記憶がないから責任取る必要ない理論、おめーえ、すげぇーわ、それに3回も刺した時点で十分、強固な殺意が普通にあると思います。

次回、令和2年12月21日 11:00 判決 710号法廷

事件名 殺人(事件番号 令和元年合(わ)第333号)


判決

「主文、被告人を懲役15年に処する。未決勾留中240日をその刑に算入する。」

完全に過剰弁護。結局「心理的ブレーカー」ってなんなのでしょう、おばちゃんが言う「今日、耳おやすみー」の方がまだかわいいです。

陪審員裁判で弁護人が求刑をおこなう場合、一定の判断基準が必要に思います。原則、弁護人の求刑は無意味だが陪審員への一定の影響は否定できないでしょう。今回の様な検察側の求刑と大きく乖離する場合、弁護人は一定の責任をおうべきではないでしょうか。陪審員が素人なのを利用するような悪意ある行為に思えて仕方がないです。

事件発生時には多数の地上波TVニュースで取り上げられた事件でしたが、裁判の判決はTV報道はもちろんGoogleでもヤフーでも検索して出てきません。悲しく思います。

散文御無礼。

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