揺さぶられる支援者(コラム)
1.現場で見られる具体的な行動
嘘をつく、物を壊す、盗癖、相手をコントロールする、暴言を吐く、舐める、卑猥な発言など多くの対応に困る行動をすると思います。そうした行動を目の前にした時に、どのように対応していくか、という事を考えると思うのですが、とても迷うと思います。そして、毎日そのような行動に悩まされ、変わらない行動に疲弊していってしまいます。こうしたことは現場でよく目られることです。
しかし、そのような問題を起こす子どもが悪いわけではありません。何故支援者は揺さぶられて、疲弊してしまうのでしょうか?
2.関わりづらさは○○からくる
ヘルプアクションの項目でも説明しましたが、揺さぶってくる子どもの言動は、子どものからの緊急事態のサインです。
そのような感覚で関わりをしていく事が前提としてあるのですが、わかってても関わりにくさを感じてしまうと思います。
何故でしょうか?それは、大人の都合からくると思っています。
大人の都合とは、“良い子を求める”事です。良い子とは、一般的に評価される行動をする子ども達だと思うのですが、大人たちはそのような行動を意図的に、そして無意識に求めています。このような大人の都合を押し付けられた結果
「僕のこと、私のことをわかってないじゃないか」と反発してきます。良い子として演じるしかなかった、良い子でいても殴られた
という理不尽な環境で育った子からしたら「良い子になるなんてうんざり」と思うかもしれません。
3.求めるというより、一緒に辿る
大人の都合が何か分かったと思います。整理をすると
*ものわかりのいい子、手のかからない子を目指してくる大人
→完成を求めて来る大人
*失敗を大切にしてくれる、提案をしてくれる、ぶつかってくれる大人
→未完成のものを一緒に作ってくれる大人
という二種類の大人がいると思います。
現場で必要な大人は、後者の大人です。未完成を分かってくれる大人がとても大切になってきます。
揺さぶられてしまうのは悪いことではありません。とても大切な揺れ動きです。
しかし、大人が求めるのものに応えてこない子どもたちに対して、“手のかかる子”という評価をくだして、大人が揺れ動いてしまうのは少し違う揺れ動きのように思います。
一緒に感情を共有する中で、楽しさ、苦しさを共に味わえる揺れ動きが、関係を強固なものにしていきます。
“苦しかったよね”と過去に気持ちを寄せていってあげる事が大切です。過去を一緒に辿っていってあげて下さい。
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