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vs.非人間と人間界の縮図。TRIGUN STAMPEDE
こんにちは。菜紡です。
気がついたら4月。随分と時間が経ってしまいましたね。
新しい環境、心機一転、変化があった人も多いのでは。
もし今「大変」なら、それは大きく変わろうとしている証拠。
前置きはこれくらいにして…
「とにかく凄い」とおすすめされたアニメ、「TRIGUN STAMPEDE」
1990年代の漫画、アニメを再構築したもので、3DCGの迫力が加わったものだそう。
なんとなく見始めたのですが…
結論。
おもしろかったです!
旧作版を何も知らない私でも、話の展開が読みやすかったし、それぞれのキャラクターの立ち位置や思想が明確だったなと。
以下、深掘り。
プラントvs人間。その対立を超えるヴァッシュ。
(プラントとは、水、食料、エネルギーなどの物質をゼロから生み出すことのできる存在。稀に人間の形に突然変異することがある。それが主人公のヴァッシュであり、双子の兄ナイブズ。兄弟の考え方の違いが、この星の存続自体を危うくさせている)
ナイブズの主張は、「人間にこき使われる自分達プラントを解放しよう」というもの。
確かに一理あるし、理解することは難しくない。
でも…憎しみや恨みによる行動は必ず遺恨を残し、次の時代もまた同じことを繰り返していくだろう。
ナイブズの主張が実現したら、ナイブズの恨みは晴れるかもしれない。
でも、人間側の恨みは残るだろう。
本編では、プラント側をかわいそうに思う人間や、かわいそうと思われて怒るプラントの存在も描かれる。
これらは明らかに二項対立であり、非人間vs人間。
はたまたこの地球に当てはめてみると、AI vs 人間とも言えるだろう。
この二項対立の世界から抜け出したのがヴァッシュだ。
彼がよく投げかけられた言葉の一つに、
「お前はどっちの味方だ」
がある。
この言葉は物事を二項対立でしか見ることのできない、白黒つけたがる多く人の思想を反映している。
ヴァッシュは理想主義者といわれる。
争いが嫌いで、戦うことをしないで逃げる弱虫。
プライドがない、と。
本当にそうなのだろうか。
逃げて何が悪い?
相手の行動を容認し、相手と共に生きる道を模索し続ける。
誰も殺さない。
みんな助ける。
確かにこのヴァッシュの行動は、救えなかった過去の後悔から来ている部分が多い。
でも、この地球全体がヴァッシュのように考え、相手の善悪や自分の損得を超えた場所に立てたのなら…
きっとこの世界はもっともっと愛溢れる世界になる。
ただの人間サイドから見る。
話は変わって、人間サイドから見てみる。
上空で何が起こっているのか考えることもなく、ただ目の前の「敵」(だと誰かが決めた存在)を亡き者にしようとする。
相手の言い分に耳を貸すことなく、自分の利益のことにしか関心がない。
確かに、私たち人間は自分のことが1番大切で、周りのことが二の次。
ネットの発達で、遠くで起こっていることを知ることができるようになったけれど、それは所詮他人事。
それでいいと思う。
でも、きっと私たちが暮らす世界はもっともっと大きなことが影響している。
それは、ヴァッシュとナイブズのような個人的な行動が反映したもの。