たくさんの見えていない世界。久しぶりに一気見したアニメ「残響のテロル」
世間で精神疾患と言われるものたちを調べていて、それを題材にしたアニメないかなぁ〜と、気になったのが「残響のテロル」
https://terror-in-tokyo.com/
好きなPSYCHO-PASSと同じノイタミナで放送されていたんですね。
しかも2014年!かなり前…!
内容に触れる前に、
きっと私たち1人1人の世界はその人の1つしかなく、誰かと交わるものではない。
そして世界は、私たちが見てその中で認識できたものしか写っていない。
あまりにも見逃しているものが多いのだと改めて思う。
スピンクスとリサの関係性が魅力的。
偏って偏って生きてきた3人が交わり、
個としての存在意義が生まれていく。
孤児で実験の日検体にされたナインとツエルブは、脱走後この世界から存在しないものとして扱われた。ずっと2人で生きてきた。
2人で生きてきたその絆はとても深いように思えて、
でも実際にはそんな絆なんてもの、偏った中でしか育まれていなかったのだと思う。
そんな折に現れたのが、リサ。
学校ではいじめられ、精神的に参っている母親からは執拗に責められ、
個として存在理由を見出せていなかった。
自己肯定感が低かったのだと思う。
でも、死にたくはない。
それが彼らと彼女の向かう先の違い。
それでも交わった。
お互いに足りないものがたくさんある彼らが。
後半部分、アメリカの介入がよりリアルティアップに繋がったのではと感じます。
きっと今の世界、外交問題なんてそんなものだと思うし、
事実、第二次世界大戦後に戦勝国と敗戦国が生まれている。
表沙汰になっていない出来事はたくさんあるし、
不条理に思えることもたくさんある。
テロというある意味「異質」のものの中に、
たくさんの「現実」が散りばめられている、そんな作品だと思いました。
リサ、ツエルブと出会ってくれて、ありがとう。
ナイン、ツエルブと生きてくれて、ありがとう。
柴崎さん、ナインに力を与えてくれて、ナインとツエルブを迎えにきてくれて、ありがとう。