【短編小説】「逆ピンポンダッシュ」
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子供のころ、ピンポンダッシュにハマった。小学校の、4年のときだったと思う。見知らぬ家のインターフォンを押し、人が出てきたらダッシュで逃げる。はた迷惑な悪戯だ。やられた方はたまったもんじゃない。学校にクレームが入り、禁止となった。
私と悪友たちは「いまはヤバいから、しばらくやめて、みんなが忘れたころにまたやろう」と考え、(ピンポンダッシュについては)控えていた。だが、それっきりピンポンダッシュをすることはなくなってしまった。
集団下校が始まったからだ。
「上白須小の六