MIU404から見る救い
元々岡田健史のファンで見始めた『MIU404』だが、回を追うごとに引き込まれていく。今日(8月21日)で第9話。いよいよ、クライマックスが近づいてきた。
第3話で成川を取り逃がしたことに責任を感じていた九重。第3話は、普通の高校生として生きる道に戻った側と、道を外して先の見えない闇に片足を突っ込んだ側と、道がはっきり分かれた回だった。後者である成川は、その後戻る場所を失い、生きるために、闇の世界に溺れていく。いくらでも戻る方法はあるようにも思ったが、いっぱしの大人のように動いている自分に溺れ、大金に目がくらみ、自分が大人によって駒にされていることに気づかず、うっすら危ない世界に身を置いていることに気づきつつも、そこを居場所として生きていく。18歳という大人でも子どもでもない年齢相応の危うさが、成川をそうさせたと言えなくもない。
今日は、九重の回といっても過言ではなかった。
九重は、自分が取り逃がしたことで、一人の若者の人生を狂わせてしまった。そのことが皮肉にも、今時の冷めた若者である九重に、刑事としての自覚を芽生えさせたのかもしれない。今日の九重の真剣さは、その表れではなかっただろうか。あくまで、私の主観だが。
最後は成川、麦が九重や陣馬によって救われた。しかし、救われたのは、二人だけではない。後悔の念に苛まれていた九重、麦を守り抜きたいと思っていた桔梗、伊吹、志摩、陣馬も、成川と麦の生存によって救われた回だったと思う。
来週は、久住がいよいよ本格的に動き始めるのだろうか。最終回に向けてますます波乱の回となりそうだ。しかし、「くずを見棄てるでくずみ」ちょっと言ってみたいセリフだった。蛇足だが。