小さな世界
壊れた人
離れていたいけれど嫌いになれない
小学生は指差しして
大人は面白おかしい会話で
あの頭のおかしい子と呼ぶ
あの人
確かに差別している自分の胸が痛い
笑顔の仮面しか持っていなくて
優しいけれど人を助ける事は出来なくて
自分の生き方なんて分からない
………
一言も言い返せないんだけど分かってる
バカにされてることも騙されてることも
僕は人間なんだけど何一つうまく出来ない
悲しい事や辛い事からは逃げるんだけどね
怖い事は忘れないでってすぐにやって来る
僕はだんだん怖くなって
弱くなってしまったんだ
死んじゃえば楽なんだと思った
でもその時
優しいお母さんが頭に浮かんで
僕は悲しませちゃいけないって思ったんだ
とても怖くて自分で死ぬ事も出来なかった
だから殺して欲しいって頼んだんだけど
ダメだって
………
壊れた物は捨てられるのに
どうして
壊れた人は捨てられないの
とても小さな世界で平和な心を保とうと必死で生きている
壊れた人
どうしようもなく面倒で周囲を困らせる
壊れた人
信じられない程に厄介で人を消耗させる
壊れた人
私とよく似ている