Todd Rundgren

トッドラングレンとの出逢いは高校3年生のとき。私は自分の部屋で勉強をしているフリをしながらFMラジオを聴いていた。
耳が反応する曲が流れてきたら、すぐに録音できるようにカジカセにテープをセットしてから聴くのが常だった。

その日、私の心を捉えたのがトッドラングレンのCan We Still Be Freandsだった。
直感的にこの曲好き!と思った。まさに自分のアンテナに受信する感覚。すぐに録音ボタンを押す。
切ないメロディとピアノの音。
そしてすぐそばで歌ってくれているような、寄り添う歌声。まだ高校生だった私のハートを完全に射抜いたのだ。

当時はネットもスマホも無い時代。
今では考えられないことだが、曲名やアーティストを調べるのも一苦労だった。ラジオDJが流暢過ぎる英語で曲紹介をすると聞き取れないことも多かった。
だが、この曲のタイトルは高校生でもわかる英語だったこと、そしてトッドラングレンというアーティスト名もしっかり聞き取ることができた。

その頃、ラジオから流れてくる曲でいいなと思った曲はノートにメモしていた。
曲名とアーティスト名、両方わかるものもあれば、どちらも中途半端にしかわからないものもあった。

そして慌ててボタンを押したので、途中から録音されたCan We Still Be Freandsを繰り返し聴いて、この曲に浸った。
どんな人が歌っているのだろう…?
私は長い間トッドラングレンの姿を妄想していた。現在はいとも簡単に画像検索すれば解決するが、当時はそうもいかず…。でもこのわからない期間というのも、今思うと悪くない。
妄想に妄想を重ねて、それはそれで楽しい時間だったように思う。

それからしばらくの後、レコードは完全にCDに入れ替わり、私はタワレコで輸入版のHermit of Mink Hollowを購入した。
ライナーノーツを読みたかったので日本版が欲しかったのだが、当時はまだ輸入版しか発売されておらず…。
しかし、やっと手に入れることができてとても嬉しかったことを覚えている。

ジャケットの写真がトッド本人だとわかって、この人があの繊細なピアノを弾く人か。線の細い人を想像していたので、うん、そんなに想像と違っていなかったなと思った。
顔はふーん、こんな顔だったのかと、大変失礼な感想。(笑)
いやいや、とても雰囲気のある不思議な魅力を持ったミュージシャンだと思った。(これ本当!)

このアルバムが私の初トッドラングレンだ。

そして、遡ってたくさんのアルバムを聴いた。私はまず、彼のピアノが好きなのだ。
彼のピアノのクセというか、なんだろう、弾き方のクセというか、彼独自の音世界がある。
それがとても心地良い。

彼のピアノに浸りたいときはこちらのアルバムを。シュールなジャケットですが、沁みるのだ。
たまに聴くと、このアルバムの世界に入り込んだような気持ちになる。

トッドラングレンの名盤は他にもたくさんあるけれど、今回はこの2枚を聴き返してみた。
そして、やっぱり大好きだと改めて思ったのだ。
これからもずっとお元気で、私たちに貴方の音楽を届けてね。愛を込めてトッドに感謝の気持ちを伝えたい。

#トッドラングレン
#ToddRundgren
#70年代洋楽



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