脚が遅い和田竜ニ騎手の解説【ドラゴンスロー】
JRA重賞50勝、内G1を8勝。立派な成績だ。G1の7勝は「世紀末覇王テイエムオペラオーとのコンビ。」しかしこの和田竜二騎手も、とにかく勝てなくなってしまった。近代競馬に対して、とにかく脚が遅いのだ。ゴールドシップ産駒にしか乗っていないのかと思うほどだ。その昔、遥か昔、伝説のパーフェクトイヤー+グランドスラムを達成したコンビ、世紀末覇王テイエムオペラオーはスタミナ・パワーがあり適度に脚が遅めだった。そして日本の馬場もまだ高速化する前だった。だから和田騎手でも勝てたのだ。というか和田騎手が合っていたのだ(また、ラッキーなことにG1で雨や傷んだ馬場が多かった)。だが、世紀末覇王の時代を最後に日本の馬場は急速に高速化していった。そして残念ながら和田騎手は高速馬場に対応できなかったことで成績を落としていった。ルメール騎手とは真逆のパターンである。近3年での重賞成績は勝率1%、複勝率11%だ。最後の直線はいつ見てもじりじりと追い上げるか、じりじりと失速する。しかし最後まであきらめずに追ってくれる。「クランモンタナの小倉記念」は普通の騎手なら追うのをやめているはずだ。ごくまれにキレのある末脚で勝利することもあるが、ほとんどない。脚が遅い騎手なので短距離や高速馬場での成績が悪すぎる。とても買える騎手ではない。が、和田騎手が勝つときは上がりのかかる競馬がほとんどだ。皆が遅くなれば、相対的に和田騎手が速くなる。よって和田騎手の買い時は、「長距離、または短距離ではない重・不良馬場」だ。ディープボンドも適度に脚の遅い馬だった。だから和田騎手で上がりのかかるレースで好成績を残しており、他の騎手にはあまり上手く扱えなかったのだ。川田騎手でさえもだ。フランスのフォア賞を勝ってしまったのも、脚が遅いことがいい方向に働いたからだ。もし25年前にディープボンドがいたら、テイエムオペラオーとわりと似た成績になっていただろう。つみたてWIN5で、とても買える騎手ではないが、個人的には相性がよかった。つい長くなってしまった。また、和田騎手の居場所は「時計のかかる福島競馬場」だ。ここなら脚が遅い和田騎手でも頑張れる。小倉ではなく、福島で頑張ってほしい。