外資系IT企業で働くメリットとデメリット
昨日のエントリでは、外資系IT企業に就職する方法について書いてみた。
あと、以前に「外資系に行く機会があったら行ったほうがいい」って内容も書いたことがある。
改めて見たら、ここに書いてあることでほぼ終わってた。でも昨日のエントリで「メリット・デメリットについて書く」って書いたので、今日は外資系に勤務するメリット・デメリットを書いてみたい。
なお、僕は外資系バンザイ派なので、外資系企業に肩入れした内容になります。ご了承ください。
外資系に勤務するメリット
そもそも給与が日系より高め
もうこれは間違いない。同じような仕事内容だとしても、外資のほうが間違いなく給与は高い。まあ、30代後半で低くても1000万円以上、40代だと1500万円以上は期待していいんじゃないかと。
もちろん、それだけ優秀な人材を集めているので、入社するのは狭き門だったりするのだけど。入社してしまったら、それなりに期待できるのは間違いない。
福利厚生が充実してる
もうね、日系企業より遥かに福利厚生はしっかりしてる。どこかの記事で「日系企業のほうが福利厚生はしっかりしてる」って書いてあったけど、大嘘だね。特にIT企業は外資のほうが遥かにしっかりしてる。
どんなふうにしっかりしてるのか。まず、オフィスの環境が整ってる。フリードリンクは当たり前、お菓子も食べ放題がほとんど。会社によってはマッサージまで出来たりする。昼食を出してくれるところもある。
僕が以前勤めてた会社では、昼食が全部出てた。だから昼食を外で食べたり弁当買ったりしたら、レシートを貰ってそれで経費精算してた。毎月の経費精算がめんどくさいんだけど、まあ文句も言えないよね。
あと、企業型確定拠出年金に入ってたりもする。このへんもしっかりしてる。
IT健保とかで保養施設を格安で使えたりするし、本当に充実してるよ。日系企業にいたら、そんなことほとんどなかったわ。大企業だったら違うのかもしれないけどね。
給与以外の収入がデカい
これは会社によるんだけど、多くの会社では給与とは別に自社株が付与されることが多い。RSUと言って、一定期間勤務したら、その後定期的に何株かもらえる制度がある。頑張って株価を上げたら、その分自分の実入りが増えるわけで、これが本当に美味しい。
あと、ESPPという自社株購入制度もある。日本企業だと持株制度、とか言うのかな。まあ格安で自社株を購入できる。格安で買えるので、買った時点で利益が確定してるわけです。その後値上がりしたら、ボロ儲けもいいところ。
これらは上場企業の特典なんだけど、じゃあ未上場の場合はこういうのはないのか、って話なんだけど、ないところもある。が、企業によっては未公開株を付与してくれるところもある。会社が上場したら、ガツンと跳ねる可能性があるわけです。
こういう株を使った制度は、外資のほうが遥かに充実してるんじゃないかな。もちろんインサイダー取引に引っかかったりするおそれがあるので、売買には制限がかけられているんだけどね。でもこれのおかげで、僕は今の車を一括で購入したしね。
有給休暇が取りやすい
今は日系企業も問題なく有給休暇は取れてんのかな?その辺はよく知らんけど。僕は日系に勤めてたときも、普通に有休取ってたけどね。周囲の人は気を遣ったりしてたみたい。あ、僕も沖縄旅行が当たったけど、途中で切り上げて帰ってきたことがあったわ。
外資だと、もう休むのは当然の権利なので、みんなガンガン休む。とっても良いことだと思う。自分も休みたいときには休んでいい。お互い様だから。
もちろん、仕事には影響が出ないように自分で調整するのは必須。でもそれさえちゃんとやってたら問題なし。僕は最長で2週間休んだことがある。ちゃんと調整しておけば、みんな文句言わない。でも、他の人間が休むときもそれをちゃんと尊重してあげることが大事。
優秀な人間が多い
これが結構メリットとして大きいかもしれない。
給与のところでも書いた通り、高い給与を払うんだから、それなりに優秀な人間を採用している。人が足りないからそこそこの人間で、ってことがまずない。いい人がいなかったら、人手不足でもなんとかしのぐ、取り敢えず誰かを、ってことがない。
だから、一緒に仕事する人間は、基本的にはとても優秀な人間ばかり。たまには微妙な人もいるけど、でも殆どは優秀。
そんな環境で仕事すると、本当に成長できる。成長しないとやっていけない、くらいになる。
自分が更に成長していく、出来なかったことが出来るようになる、新しい発想が生まれてくる、そんな経験すると、ホンマに楽しくなるよ。
ある程度長く勤めてると長老扱いされる
これが良いかどうかはさておきなんだけど、外資の、それもIT企業ってのは人の入れ替わりがとにかく激しい。平均在職年数は2年とか3年とかちゃうかな。だから、5年もいたらかなり長い方になる。
それくらい在籍し続けて、かつ成果を出してたら、長老みたいに崇めてもらえる事が多い。
それが良いかどうかはさておき。一歩間違うと膠着化につながるからねぇ。
でも仕事はやりやすくなる。社内のキーメンバーとは顔馴染になるし、色んな人に対して話を通しやすくなる。誰に聞けば良いかも分かるし、製品のことも詳しくなるし。どんどん仕事はやりやすくなる。
あ、これは日系でも変わんないか。
転職しやすい
これはホンマにある。外資系企業に勤めてる、ってことは、それだけである程度の能力を証明していることにもつながる。なので、次のキャリアを考えやすくなるし、ステップアップしやすくなる。
「あそこの企業に勤めてたなら」ってなるからね。
だから、外資系で勤務すると、次も外資系になる。日系だと前職が外資系にいたことは何の意味も持たなくなるケースが多いから。
とは言え、日系でもベンチャー企業とかSaaS系の会社とかはだいぶ状況が変わってきてるからね。外資からそういう会社に移る人も増えてきてるし。今後はもっと変わってくるかもね。
とまあ、メリットをだいぶ書いたけど、他にもまだまだあるけど、きりがないのでこのへんで。で、デメリットについても少し触れておこう。
外資系に勤務するデメリット
優秀な人間だらけなので、成果を出せないと逆に目立つ
優秀な人間がいて刺激を受けられるのはメリットでもあるけど、逆に考えたら、成果を出せなかったらその中で悪目立ちしちゃうんだよね。
幸い、僕は比較的それなりに成果を出せてこれたので良かったのだけど、それでも僕は結局中の上くらいだったかな、と思う。まあそれなりに出来てたから良かったけど。
下の方になると、変に目立っちゃうんだよね。「あいつ何やってんの?」的な感じで。
だから、なんだかんだでやっぱり成果を出すことが求められる。
会社の流れが速い
とにかくスピード感がある会社が多い。そうじゃないところもあると思うんだけど。
朝令暮改もあるし、去年と今年で方針がガラリと変わることもある。
慣れてしまえばなんてことないんだけど、ゆったりした流れに慣れてる人にとってはしんどいかもしれない。
個人的には、典型的な日系企業のように、何かを変えるのに無駄に時間がかかるよりよっぽど良いけどね。
人数が少ない会社だと英語はできたほうが良い
昨日のエントリでも「英語はできなくても大丈夫」って書いたけど、それはある程度日本法人が大きい会社の場合。日本法人が小さいと、やっぱり英語はできたほうが良い。
重要なドキュメント類は基本英語だし、英語での会議も普通にある。ドキュメントならDeeplやChatGPTで翻訳すりゃいいけど、会議はなかなかね。今はZoomもリアルタイム翻訳してくれたりするから、そういうの使えばいいけどね。
でも、やっぱり英語は使えるに越したことはない。逆に考えたら、英語を使う機会が必然的に増えるので、英語をマスターしやすい環境になる、とも言えるけど。
給与はインセンティブの割合が大きい
職種によるんだけど、給与はベースとインセンティブの2段構造になっていることが多い。
例えば、1000万円が年収だとして、そのうちの600万円はベースで必ず払ってもらえる額、残り400万は業績に応じて支払われる。目標をセットして、それを100%達成したら400万円、みたいな。
なので、目標を達成できなかったら、給与がフルで支払われないことになる。日系のように決められた額が必ず入る、とか、6月と12月はボーナス、とかはない。
一方で、目標を超えて達成したら、青天井でインセンティブが増えていく。上記の例で言うと、インセンティブが400万円で契約してるけど、実際に支払われるのは500万円とか600万円になることも珍しくない。
これは契約内容によって異なってくるんだけど、僕は外資に勤務しているときは、基本的には契約した金額を下回ったことはなかったかな。日系のときはボーナス0とかあったけどね笑
他になにかあったかな。あんまりデメリットって思いつかないな。よく言われる「外資系は首を切られやすい」も完全な大嘘だしね。日本法人作ってやってんだから、日本の労働基準法に従うわけで、労基法では簡単に社員を首に出来ないようになってる。それに従う以上、外資系だって簡単に首を切れるわけない。他の国では話は別だけど、日本においてはそういうこと。
採用されるかどうかが一番の問題
個人的な意見だけど、外資系企業に勤めることはメリットだらけで、デメリットも正直全然大した事ない。見方を変えればメリットになるようなもんだらけだからね。
だから、僕は一貫して「外資系に行けるチャンスがあるなら行ったほうがいい」って言い続けてる。そっちのほうが遥かにメリットあるから。
ただ、何度も書いた通り、優秀な人間をとにかく探しているし、優秀な人間を採用しようとしている。更に、数多くの人間が外資系企業の門を叩いている。
そんな中で戦って、採用されなければいけない。この、「初めて外資系企業に採用される」というハードルが一番高いのかもしれない。一回採用されたら、LinkedInにその職務経歴を書いとけば、エージェントが勝手に連絡してきてくれるから、その後は楽になるんだけどね。
もし外資に行きたいと思うのなら、昨日のエントリに書いた通り、
眼の前の仕事をしっかりとこなして成果を出す
LinkedInに登録して簡単な職務経歴を書く
の2点をやるのが一番の近道だと思うなぁ。
結局は眼の前の仕事を大切にしろ、ってことやな。