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『THE FIRST SLAM DUNK』はスピンオフ作品だったんだな

観よう観ようと思っていた『THE FIRST SLAM DUNK』をやっとNetflixで観た。

もう最初から呆気にとられてしまって。なんでリョータの昔話から始まってんだ?リョータの話も悪くないんだけど、山王戦はそれだけで楽しませてくれよ。山王戦ってもうそれだけで完成されてんだから、その映像化だけでいいんだよ、ってすげー思ってた。リョータの話は別でスピンオフ作品作ったら?って思いながら観てた。

多分、その感想自体が間違いなんだよな。この『THE FIRST SLAM DUNK』自体がスピンオフ作品なんだ。原作の映像化ではなく、原作から派生した、リョータを主人公にしたスピンオフ作品なんだ、ってことに途中で気付いた。

そう思ったら、まあ納得かな。色々と腑に落ちる部分も多々あった。

僕からしたら、ホンマに「なんでそこ削んねん」ってところがたくさんあったわけですよ。

例えば、ゴリが河田にやられてコートに突っ伏すとき。魚住がやってきて大根を桂剥きするところとか。あのシーンとか最高でしかない。

試合前の回想シーンだと、安西先生が一人ずつに声をかけるシーンなんかもすごく良いと思うんだけどなぁ。「いくら山王といえど三井寿は怖いと見える」

リョータをメインに据えるなら、「PG(ポイントガード)のマッチアップではウチに分があると私は見てるんだが……」は出してよかったと思うんだけどなぁ。

そして何より、やっぱり最後の「大好きです。今度は嘘じゃないっす」がないのが本当にありえないと思った。他を削ったとしても、ここ削っちゃダメでしょ、っていうね。

ゴリの泣いてるシーンとかもなくなってるしなぁ。残念。

でも、それもこれも全て、リョータがメインのスピンオフだから、ってことで全部理解できた。最後の「大好きです」なんか、これ出したらもうリョータが主人公じゃなくなっちゃうからなぁ。

どうして井上雄彦が監督・脚本やってこうなってんだよ、と思ってたんだけど、でもまあそう考えると取り敢えず腑に落ちた。

でも個人的には、やっぱりこれらのシーンが無くなったのは残念でしかない。「お前は鰈だ。泥にまみれろよ」「大好きです。今度は嘘じゃないっす」は残して欲しかったなぁ。

30年前のTV版から比べると映像も展開も全部綺麗になってたし、原作に忠実だったし、そういう意味ではとても良かった。まあこの出来にならないと井上雄彦は納得しなかっただろうし、これは30年前にはできなかったよなぁ。その点では、良いものを観させてもらいました。

でもやっぱり、山王戦を描いた内容としては、個人的には不満が残る内容だったなぁ。SLAM DUNKが大好きな人間に、感想を聞いてみたいところだ。

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