『話すチカラ』を読んで
斎藤孝、安住紳一郎の対談形式で書かれた本書。
本屋さんで見つけた時、サークルの先輩とお茶をした帰りでした。
人と話すときに緊張してしまう…という内容のお話をしていたため、「大勢の人を前に話すときは?」「初対面の人と話す時のコツは?」という帯にあるフレーズがあまりにもピッタリで驚きました!即購入。
アウトプットの練習として、ポイントや感想を綴っていきます。
1章 分かりやすく話す
2章 人間関係がうまくいく話し方
3章 話すためのインプット
4章 日本語の面白さにハマる
5章 上機嫌で話すマインドセット
本書は、この5つの章で構成されていました。
「話す」という1つの行動を、こんなにも多くの観点から考察できることに驚きました。
特に印象に残ったのは、3つ目のインプットの章です。
・他人の3倍インプットを心がける
・「流行りもの」と「偏愛するもの」に触
れておく」
・使える日本語のフレーズをストックする
紹介したいのは、この3つです。
まず1つ目の、「他人の3倍のインプット」
「どんな業界でも、仕事でいいアウトプットをしたかったら、その3倍くらいのインプットをしておく必要があります。」
「あくまで、インプットはアウトプットをするための手段です。インプットが目的になってはいけません。」
ここに書かれていることは新しい発見、というわけではありません。
学校でもアウトプットの大切さは教わってきました。
しかし、少しのインプットで満足してしまうことが多いです。
楽したいのが人間だから。笑
そんな時、喝を入れてくれるのがこの言葉だと思います。
より充実した自己表現をし、自由になるためには豊かなアウトプットが欠かせません。
2つ目は、「流行りもの」と「偏愛するもの」
・「流行りもの」
「流行りものに接しておくと、「その時代を生きた」という実感が得られます。しかも、流行りものだけに、それに触れた人も多いから会話が成立しやすくなります。」
私は小さい頃からテレビを見る、ゲームをするといった習慣がなく、話題のドラマやジャニーズ・流行りのゲームなどの話にほとんどついていけませんでした。
流行に疎い自分を自覚しつつ、興味がないので調べる気にもならず…。話してくれる友達には申し訳ないと思いましたが、適当に相槌を打って聞くことが多かったです。
しかし、上の文章を読んで、もう少し歩み寄る努力が大切だと気づきました。
小学生の頃は、親の影響力が大きかったから仕方ないと割り切れます。今の私は19歳。スマホもパソコンも持っているのだから、分からないことは調べればすぐに基礎情報は手に入ります。
今まで触れる機会が圧倒的に少なかった。
これは事実です。けれどいつまでもこだわって、ずっと知らないままでいる必要はありません。
仲の良い気心知れた人なら、様々な話題で盛り上がることができます。
一方、初対面の人や自分との共通点が少ない人と会話をする時、流行りものの話はコミュニケーションを助けてくれるはずです。
口下手だと嘆く前に、雑談のネタを集めようとここに誓います。
・「偏愛するもの」
「好きなものを追求している瞬間、私たちは強いポジティブなエネルギーを発します。「これが好きだ」という気持ちが自分を豊かにして、自己肯定力を上げるのです。」
これを読んで、最近読んだ最果タヒさんの『「好き」の因数分解』と重なりました。
「ここにあるのは、好きを飛び越えた私そのもの、もしくは、私さえ飛び越えた、生きることであると信じているから。」
「好き」という気持ちが向けられた対象を大切にすると共に、その「好き」そのものを辿っていくことで、新しい自分や他者に出会えるのではないか。
そのワクワク感が「偏愛」という言葉にはあって、心に残りました。
お互いに共感し合うことで、さらに視野も広がると思います。
最後は、「使える日本語のフレーズをストックする」
「普段から、定番フレーズや使えそうなフレーズをノートなどに書き写しておき、場面に応じて使ってみましょう。」
「表現の引き出しを増やしたいなら、「面白い!」と思ったフレーズをとにかく真似することです。
何か面白いフレーズを覚えたら、とにかくアウトプットしてみましょう。実際に使うことで、初めて頭にインプットされます。」
覚えたフレーズはとにかく使う!というのは外国語の授業でよく言われますが、日本語も然りです。
新鮮な感じがします。
物心つく前から話してきた日本語は、日常生活に不自由なく使えるため、インプットしなきゃと危機感を持つことはほとんどありません。
しかし語彙を増やしたい、自分の言葉で語りたいという望みを実現するために、フレーズのストックは大きな力になります。
母国語を真似することを厭わず、楽しんでやっていきたいです。
「たくさんのフレーズを身につけると、言葉のセレクトが細やかで正確なものになっていきます。」
とてもシンプルですが、本書のこの文を読み、「これこそ、わたしが語彙を増やしたい理由だ!」と強く思いました。
今日紹介したのはごく一部ですが、非言語的要素や聴き手側のテクニックなどの具体策も述べられていたので、相棒として手元に置いておきたいと思います。
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