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漫画の仕上げ作業どうやってる?(ついでに愛用ペン入れ素材)

だいたいの場合、作画の順番は
ネーム→下書き→ペン入れ、背景、描き文字→仕上げ作業だと思うんですが、仕上げと一口にいっても
・ベタ
・カケアミや影ベタ
・人物影トーン
・人物基本トーン(服など)
・集中線ほか演出トーン
・ホワイト

etc……色々あります。
どのタイミングでどう進めるか、どう進めれば効率がいいのか、自分に合っているのか。

今の自分の工程を、記録しておこうと思います!

①ネーム
+集中線、演出決め

ネームの時点で演出を決めてしまいます。
(ここでいうネームは、一番最初の殴り書きラフネームではなく、編集さんに見せられる、少しきれいにしたネーム)
仮置き状態で雰囲気トーンを置き、3D背景も置いてます。

何でかというと、演出だけで語られる情報量がある=セリフや表情にも影響すると考えるからです。

編集さんにも伝わりやすいですしね。

あとは、ネームの時点で画面のベタや線の密度を決めてしまいたいから。
白いところから影トーン貼ってると、どんどん濃くなってしまうことってないですか?

で、そのページに引っ張られて他のページの張り込み量も増えていってしまう。

これは私がアナログ作画の時に痛感してたことだったんですが……そもそも好きなんですよね、情報量の多い画面が。

だけど、全部がそれだと読みにくい。
ので、ネームの時に視線誘導できてるかも含めて決めてしまってます。

けど、ここでやっとくとほんとに後々が楽だと思います。
って、殆どの方は頭の中でできちゃってるとは思うのですけど💦不器用なんですよ自分!

②枠線
+下書き
+描き文字
+3D含む背景線画と仕上げ

多分、ここに一番時間をかけてます。
下書き丁寧に描くの大事…!

人物の下書き終わったらおそらく編集さんに提出してチェック受けると思うんですが、その待ちの間に3Dデータの線を抽出。
基本トーンも貼ってしまいます。

下書き終わった時はこのくらいの仕上がりに。



終わったら定規を削除してラスター化。

ちなみに私は、枠線は枠線フォルダ式です。
その中に背景データ入れてます。
その方が断然早い…

あ!でもひとつ大事なこと!

背景は大きめに作っておき、別ファイルで背景データとして保存しておくの大事!!!

特に連載だと何回も使いますので…!!
で、3Dだったとしても見栄えのする画角ってそんなにないので、使いまわせたりするんですよね。
なので私は用紙いっぱい分の背景を作ってしまってます。

あと、人物作画に使いそうな素材なんかも今のうちに探しておきます。
人物のペン入れは人物に集中するため!

③人物ペン入れ
+マベタ
+影ベタ

人物と一緒に、首の下の影や髪に落ちる影、液溜まりを描き、マベタもついでにやってしまいます。

あと、あとでカケアミブラシで削るだろうところもベタ塗りしちゃいます。

この方が、全体のイメージつきやすい気がしますし、編集さんにも伝わりやすい。

もちろんトーン貼る時にまた調整入れたりしますし、変更するかもだけど、とりあえず近いイメージで。

実はアシスタント先の先生がこの方法で、トーン貼る時すごく楽だなと思ったのです。

ちなみに先生は瞳の描き込みもペン入れの時にやってしまうそう。
めちゃくちゃ筆の速い先生なんですけど、
ほんっと線画がめちゃくちゃお綺麗で…!

しかも、ベクターじゃなくて全部ラスターなんですよねえ…真似できないぃ…

どうしてベクター使わずに、細かい髪の線画が描けるのでしょう…!!?
ペン入れに使っているツールはこのへん。

主線はかしペン、髪の毛はカスレかしペン。
アシ先の先生に教えていただきました!手書き感がよき……!
アップの時の主線や髪の毛、顔の中にも。
入り抜きベタは影ベタに。
筆圧弱めに描かないといかんので、腱鞘炎予防にもなりそう。

④トーンやツヤベタの指定を入れる
+マスク取り

ここでまた、ペン入れのチェックを編集さんから受けると思うので、
待ちの間に指定と、人物と背景を分けるマスクとか、髪の毛のマスクとかをかけてしまいます。

実はアナログの時は毎回指定を水色の色鉛筆でやってました。(懐かしい!)

何せ!トーンが高かったですので!!!(ICスクリーンとか、500円近くしませんでした?)

基本はお手頃(でも300円はした気がする)デリータスクリーンさんでしたが、ICさんにしかないエモい柄とかがあったので、そこはここぞ!ってとこに。

なので、学生の自分にはどのトーンがどのくらい必要か、最初に割り出しておく必要があったからです。
トーン代と本と同人誌のためにバイトしてた(笑)。

それを、今回改めてやってみました。
アシスタントの時は先生の指定が入ってるわけですが、それがやはり分かりやすい。

自分でトーン処理が遅いとは思ってなかったんですが、やってみたら「めちゃくちゃ楽でした!」

やっぱり、考えることと作業は別にした方が個々の時短になる気がします。
後から変に迷わない。

⑤人物基礎トーン
+ツヤベタ
+人物影トーン
+カケアミ
+ホワイト
+仮置きしておいた背景演出をきれいに

指定を入れてあると、ここが楽ーーー!
作業は多いですが、何も考えず、手を動かすだけ!
音楽かけながらとか、とにかく一気に!
ツヤベタが好き…マスクかけとくと楽らしいですが、その手間を惜しんで直に筆ツールで塗り塗りしてます。

このペンを愛用してます

⑥最終仕上げ

⑤の工程でもホワイトは入れるんですが、最後の最後のブラッシュアップ。
線画のはみ出しはないか、とか、モアレはないか、荒れてるところはないかのチェック。

ここで吹き出しの位置をずらすことがままあるので(本当は良くないのでしょうが…)、
吹き出しの下もきっちり仕上げしています。

ほら、あとで過去回想とかにでてくるパターンもあるし!?

このやり方で、プロット→完成まで、40pを3週間ちょいでできたらいいなと思っております。

今、1話のネーム直しを担当編集さんにお渡ししていて、編集長さんへの連載可能かの判定待ち。
通る、通らないももちろんですけど、
自分と担当さんがいいと思ってるのが、
商業として通じないと判定されてしまうのが一番きつい。
ダメだった時の心の準備をしなきゃなあとは思いますが……
……
……
……できる気がしない!(笑)

ので、2次創作の原稿してます(笑)

ネームばかり描いてると、ペン入れや仕上げの腕がなまりますしね!
練習になるし。

でもこのお話、最後まで描きたいなあ……ネームの直しとかは全然平気なので、企画がどうか通って欲しい。


そういえば、キャラクターは描き慣れがあるので、連載始めはペン入れに時間かかるよーと、アシスタント先の先生がおっしゃってたなあ…
キャラクターの練習もしたいなあと思いつつ……ちょっと現実逃避中です(∩^ω^∩)

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