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作画作業、時短したい!

作業の流れはこんな感じ。

最近、満足度の高い作品を作るには、まずはネーム、そして下書き大事だなと思いまして…その時間を捻出するために、作業の効率化を図れないか、トライアンドエラーを繰り返しています。

個人的に、作業の洗い出しと工数把握は漫画を描く上でやっておいたほうが良いと考えてます。

実際、出張編集部でも普通に聞かれましたので、当たり前のことなんだろうなと。

何となくで済ませないで、記録をつけ、意識する。

そのうえで、自分にあった時短方法を模索しています。

プロット、ネーム

漫画描く人なら伝わると思うんですが、
漫画って頭を使って描くとこと、
ただひたすら作業する、に分かれるんですよね。

おそらく時短しやすいのは、作業の方だと考えてます。

そしてネームは完全に頭をつかうやつ。

ストーリー、コマ割り、構図、演出などなど考えなきゃいけないですし。

これを時短するには、

・普段からネタを書き留める
・コマ割りを勉強する
・つまづいたら根本から見直す

くらいかなあ。
…きっとここの時短は、別次元レベルで難しい。

・演出はネームの時点である程度確定させる。特に画面の黒さを意識する

あとはこのくらい?
下書きの時でもいいかもですが、演出によってセリフもコマ構成も変わると思うので、このタイミングがいいかなと思ってます。

下書き

これも、私の場合結構頭を使います。
ネームほどではないけれど、
下書きでデッサン整えたり、表情を細かく決めたりするから、かな?

なのでここでの時短は、

・アナログでデッサン、クロッキーをしてイメージを形にする力をつける

かな?と思います。
デジタルでも消しゴム、反転縛りとかかければいいかな?

・背景は人体下書きの前に入れる

これをやっとくと、背景が人体バランスのアタリになるので楽になりますー!

ペン入れ


ペン入れは作業分類かなと思ってます。
音楽聴きながらできるのはここから先の作業!

時短としては

・とにかく描いて慣れる
・自分が描きたい線画のイメージを普段から意識する

しかないかなあ。

あと、

・ペン入れに必要そうな資料、素材、背景などは下書きのときにやっておく

のがいいかなと思ってます。

作業って、頭を使うターンと体を使うターンなら、完全に分けたほうが効率いい気がするので。

ペン入れは体の作業だから、頭をなるべく使わないようにしたほうが早いと思います。

なるべく体を使う作業は、可能な限り単純作業にしてしまう!

仕上げ

元々そんなに時間がかからない作業なのだとは思うのですが、
個人的にちまちました単純作業が得意ではないので、削るならここ!

で、考え出したのが

・仕上げの前に指定をする

ことです!

作業と思考を完全に分ける。


私は

・基礎トーン(トーンの種類違ってても基本1枚で)
・グラデ
・影トーン(はみ出し、塗り残しなく)
・重ね貼り
・ツヤベタ(ツヤベタキャラの髪の毛全塗り)

これを、レイヤーカラーを変えた下書きレイヤーで描いてます。
色設定変えた選択レイヤーでもいい気はするんですが何となく(笑)

そして最近始めたのが、

・その指定を、トーンを貼るつもりで塗る

です!

髪の毛も毛先まで。

私、細かい作業好きなんですが、
単純作業の繰り返しが苦手!
誤字脱字にも気づきづらいし、膨大な資料の取りまとめとかクソ面倒なことは好きなのに、流れ作業とか絶対できないタイプ。

おそらくミス連発するポンコツになります。

それでも漫画には理想の出来というものが明確にあるので、

トーンのはみ出しとか塗り残しとか、今までトーン貼った後にトーンレイヤー範囲表示したり、クイックマスク使って、
頑張っていたのですが……

もうね、、わかるんですよね。

「あ、自分この作業好きじゃないな」って(笑)!

小説でいうとこの、ひたすら誤字脱字探ししてるような感じ。

でも指定をしてる時にふと気づいた。

「この作業、ほぼトーン貼りと同じだ」と。


ただ指定を描いていた時は、はみ出しもしてたし、きっちりやってなかった。
けど、途中まではほぼ一緒。

逆にラフな指定にしていることで、トーン貼りの時に同じ作業をしている…


「なら、指定の時に範囲取りすればいいじゃん!!」


と、思ったわけです。

アシスタントさんにお願いするんじゃなくて、指定もトーン貼りも自分でやるので、時短になるだろうと。

あとは、塗り込むことで面が目に見えるので、イメージを掴みやすい&バランスの崩れに気がつくかなと。

仕上げまでやった絵を直すのは本当に大変なので…

①ツヤベタ

指定レイヤーをctrl押しつつクリックして選択。
予め作っておいたツヤベタレイヤーに塗りつぶし!→マスクかけて、ツヤはマスクを削って作る!(やり直しが簡単)

慣れは必要ですけど、黒で塗ってくより早い気がします。

②基礎トーン

指定レイヤーで選択範囲
→とりあえず60L30%とかで塗りつぶし

線数や%が違うコマは、切り取り貼り付けして、コピーした方の線数や%を変える。

③ グラデ、重ね貼り、影トーン

やり方は②と同じ。

影トーンは事前によく使う透明なトーンレイヤーを作っておいて、
該当トーンレイヤー上で使いたい選択範囲の部分を、なげなわ塗りしてます。

クリックひとつでトーンがババっと貼られるので、めちゃくちゃ早い。
脳死でできます。

そのあとで、コマごとの線数に合わせて切り貼りしたり、濃度を変更したりします。

重ね貼りのところはトーンの柄ずらしも忘れず。

④仕上げ、ホワイト

ここからが頭を使うターン。足りない部分を足したり、削ったり。
髪の毛の毛束?ホワイトで抜く部分や、瞳の光などもここで。

また、魅せゴマなどで、気合をいれて影処理したいところはここでやります。

指定と変わったところもありますが、イメージが掴みやすくなりました。

⑤演出確定


これはネーム、下書きの時にざっと作ったものをきれいにしたり、推敲したり。

⑥最終調整

スプレー散らしたり、
消し忘れをホワイトで塗りつぶしたり。


こんな感じで、作業と思考を切り離した作業方法に変えてみました。
指定込みで、見開き2ページで1時間半くらい?

ただトーン貼るだけならかかってる方かもですが、私にとっては圧倒的に楽でした。

利点


・右脳と左脳の切り替え回数が少なくて済む

・白いところにトーンを貼っていると立体が掴みにくいが、最初に塗りで作るために把握しやすい→やり直しが少ない

・トーンの貼りすぎを防げる

・とにかく基礎トーンだけ貼ってあれば!など、いざという時のボーダーになる。

欠点

・アシスタントさんに頼む場合は、時短に繋がらないかも?

でも①〜③だけ頼んで(ツヤベタの抜きは自分でやるとして)、

④以降は自分でやります!みたいな感じにできるかな…指定はザッとの範囲どりになるとは思うけど、

依頼の見える化、指示の明確さには繋がりそう。

・トーン指定を作る時間すらない、作業的に苦痛な場合には活用できない

こうなったらもう仕方ない(笑)
そうならないためにも、前段階で時間の余裕が欲しいところ。

この方法を試してみて、工数の計り直しをしてみたいですねぇ。

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