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「福澤諭吉ー幻の国・日本の創生」池田浩士著ブックレビュー「日高新報」2024年10月18日付け掲載

 ~天は人の上に人を造らず人の下に人を造らず、といえり。~
 これは福澤諭吉の名著『学問のすゝめ』の冒頭の言葉である。余りにも有名な文章であるが、これは本当に人間の平等を謳った言葉であろうか?、というのが著者の池田氏の問いかけである。本著は福澤諭吉の実像をその著書から読み解くものである。
 我々が知る福澤像というのは、『講談社の絵本』シリーズの伝記に拠るところが大きいと著者は述べている。(以下引用)
 -諭吉は、中津藩(大分県)の貧乏侍の家に生まれ、若いときから蘭学を学びました。後に英学に転じて、いくども欧米に渡り、西洋文明の実際を見てきた人です。(中略)
 そこで学んだ独立自尊の旗を高らかに掲げ、日本の封建制度を打ち破り、ほんとうの民主主義を起こすために、一生を戦い抜きました。(中略)ほんとうに明治の日本を立派な文明国に作り上げるために、教育を通じて懸命に努力した大恩人です。-
 福澤は確かに『学問のすゝめ』で学問(勉強)の大切さを謳ったが、この著書を詳しく読むと福澤の別の面が見えてくる。

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