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About us -つくる暮らしの会-
脱・消費だけ生活
奈良県北西部に位置する斑鳩町は、飛鳥時代に聖徳太子が法隆寺を建立したことで知られる古い歴史のあるまちです。
大阪のベットタウンとして都市化が進んでいるものの、今も所々に古い町並みや田園風景が残り、『斑鳩の里』とも呼ばれます。
私たち「つくる暮らしの会」は、そんな斑鳩町を拠点に、5名のゆるやかな繋がりとして誕生しました(2019.9〜)。
この会では、現代の「買うこと」が当たり前になりすぎた暮らしを少し見直し、「つくること」を通して、これからの新しい暮らしを模索することを目指しています。
暮らしの『感覚』
必要なものは何でもお金で買って解決してきた私たちは、自らの力で暮らしをつくる機会を失い、どこか地に足がついていない感覚とともに生活している気がします。
少し前まで、私たちの祖父母が小さかった頃は、当たり前のように日用品から住まいまで、身の回りのものを自分たちでつくり、手直しして暮らしていたそうです。あるものを活かし、買わない、捨てない、自分でつくる暮らしです。
その知恵の深さやたくましさ、始末の良さにとても惹かれます。
それは現代の生活からは想像できないような非効率的な暮らしかもしれませんが、便利さと引き替えに、私たちが失ってしまった暮らしの『感覚』があるだろうと思います。
「つくる暮らし」が人間にもたらす感覚とは、どのようなものでしょうか。みんながその感覚を少し取り戻せたら、社会はどのように変わるでしょうか。
私たちは、この『感覚』に興味を持っています。
成熟社会のその先の時代を考えるヒントが、つくる暮らしに隠されているような気がしています。
斑鳩の記憶データベース チエノワ・イカルよりhttps://archive-ikaruga.org/
少しずつ、つくる暮らし
会のメンバーは、20代〜40代のいわゆる働く世代、子育て世代です。ものづくりの専門家ではありませんし、昔ながらの農的な生活に慣れ親しんできたわけでもありません。
ごく普通の素人が、先人の知恵に学びつつ、現代のフィルターを通して「つくる暮らし」を実践する活動をはじめました。
暮らしのすべてを変えることは出来ませんが、個々人ができる範囲で、無理なく楽しく、つくる暮らしがもたらす『感覚』を少しずつたぐり寄せたいと思います。
私たちは、①自分の暮しにフィットするものを自分でつくる、②自然や地域の恵みを活かす、③捨てられるものや古いものを活かす暮らしを「つくる暮らし」と呼び、その成功や失敗、感じたこと、見聞きしたことなどを公開・共有することで、共感の輪を広げていけたらと考えています。
5名のメンバーはそれぞれ興味の範囲・深さが違います。それぞれの目線で実践するつくる暮らしが、色んな方と繋がり、広がることを願っています。
インスタグラムhttps://www.instagram.com/tukuru_kurasi/
このまちだから出来る暮らしを
この活動は、事業名「このまちで『つくる暮らし』」として、斑鳩町の「令和2年度斑鳩町協働のまちづくり活動提案事業」に採択されています。
「つくる暮らし」は、その地域の恵み、伝統、人材と繋がることで成立する側面が大きいものです。
一方、現代では、日中は職場へ行き、家に帰ったら眠るだけ、休日は別の街へ遊びに出かけるという生活の方も多いのではないでしょうか。
暮らしの中で「その土地に生きる感覚」は希薄化し、場所性を失った暮らしと言えるかもしれません。
特にベットタウンとして発展したまちでは、文字通り「ベットとしてのまち」の機能を享受するだけで、その土地の自然や歴史を暮らしの中で十分感じることができていないように思います。足元の多様な四季の移ろいにも気づかず過ごしているかもしれません。
ここ斑鳩町もまさに大阪のベットタウンとして都市化し人口を増やしてきました。この会のメンバーのほとんども他地域からの転入者です。
働く世代・子育て世代、そして転入者の目線で、斑鳩町を拠点にした「つくる暮らし」を発信することで、斑鳩の土地で生きる魅力を、次の世代へ伝えることができれば嬉しいです。
これからの暮らしを考える
この活動を続けることでどんなことが起こるのでしょうか。
良くも悪くも、先の展開は計りかねるのですが、この活動が「つくる暮らし」の裾野を広げ、これからの暮らしについて、考え語る文化がこのまちで醸成されることを期待したいです。
私たちと似た思いを持つ方は、顕在的にも潜在的にもたくさんおられると思います。町内のみならず、県外、国外の方々との繋がりも楽しみにしています。
「昔は良かった」と過去の暮らしの再現を試みるでなく、新しい暮らしの模索という位置付けで、
また、単に「ものづくり」を推奨しているのではなく、暮らしの中で自分で考え何かを生み出そうとする精神や行動力を大切にしたいと考えています。
筆者:fujino