暮らしの中の科学:国際単位系いろいろ

m/s、Ω、Hz、℃、世の中には様々な単位があります。今日はそんな国際的に使われている単位の大本、国際単位系について書こうと思います。単位系はほかにもあるので気になった人は調べてみると面白いかも。

世の中の単位は様々な基礎単位の組み合わせで表現されます。国際単位系の基礎単位の数は全部で7つ。意外と少ない。2017年現在、重さ以外の単位は普遍的であるように何かの物理量を基準にしています。

メートル 長さの単位。記号はm。最初に決められた長さは赤道から北極までの距離の1000万分の1。最初の長さを決めるときには、測量で赤道から北極までの距離を測ったんだけど、何やってるのか怪しまれて悪魔の使い扱いされたりしたんだって。今は光が1秒の299792458分の1の時間の間に真空中を進む距離が基準になっています。分数がなんか細かいのは最初に決めた長さに近づけるためだとか。

キログラム 重さの単位。記号はkg。初めて決められたときは蒸留水1lの重さが基準でした。現在はプラチナ90%イリジウム10%でできた合金で作られた、直径高さともに39mmのキログラム原器というものが重さの基準になっています。そのため、キログラム原器を誰かが気づかれないように削っちゃったり逆に付け足したりしたら重さの基準が変わっちゃいます。重さの定義をプランク定数という定数をもとにした定義にするための会議とかも開かれていて、2018年には基準が変わるかもしれないそうです。

秒 時間の単位。記号はs。地球での1日の86400分の1とされていましたが、月や惑星間の引力のなどの影響から自転の速度には変化が起こり、1日の長さは一定ではありません。そのため、現在はセシウム133原子を使ったセシウム原子時計で観測される時間が基準になっています。

アンペア 電流の単位。記号はA。電流とそこから発生する磁場の法則を発見したアンペールさんから名前が付けられた。平行に配置された導線に流れる電流によって発生する導線同士が及ぼしあう力から定義されています。ややこしい。いまいち面白エピソードがなくてこのテキスト的には困る。

ケルビン 温度の単位。記号はK。一般的に使用されているセルシウス温度と単位の大きさに違いはありませんが、0K=-273.15℃と、セルシウス温度に273.15加えることでケルビンに変換することができます。ちなみにセルシウス温度が最初決められたときは、水が凍る温度を0℃、沸騰する温度を100℃ど定義していました。水が沸騰したり凍ったりするときの温度がかっちりと決まっているのはこのためです。ケルビンの定義は、水の3重点の温度の1/273.16と定義されています。3重点というのはある物体の個体・液体・気体の3体が同時に存在している温度と圧力の状態のことを指していて、水の場合は温度が273.16K(0.01℃)、圧力が611.654771007894Paのときに、氷・水・水蒸気の3つが共存した状態になるそうです。

カンデラ 光度の単位。記号はcd。語源はキャンドルと同じものになっています。これが定められる前は各国が定めた一定の材料と大きさで作られたろうそくで明るさを定義していたそうです。現在は黄色と黄緑色の中間ぐらいの色の単色光(波長540nm)のある方向に対する強度で定義されています。

モル 物質量の単位。記号はmol。定義は炭素12グラムの中に含まれる原子の数と同じ数の要素粒子、となっています。炭素が基準なのは炭素が世の中にありふれていてかつ安定した物質だからだそうです。炭素12グラムの中に含まれる原子の数は、化学などで重要なアボガドロ定数(6.022140857(74)×10^23)としても知られています。

国際単位系はその名の通り国際的に使われているものなので、科学的な教養がある人ならばどの国でも通じる…はずです。…アメリカはいまだにマイルとかインチとか使ってるから通じないことあるかも。

今回はこれでおしまいです。間違ってたり疑問点あったりしたらコメントで気軽に質問してみてね。

おわり

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