暮らしの中の科学:伝熱学 熱の伝わり方3つ

これは理系を目指す人、熱の伝わり方にどんな種類のものがあるのか知りたいキミ、暇つぶししたいあなたに向けたテキストです。熱がどういう伝わり方をするのかについて書くよ。

まず前提として3つ、最初に熱はあったかいほうから冷たいほうにしか行かないよ。普通の水に普通の氷入れてもどんどん大きくなっていったりしないよね。もしそう言う現象を見つけられたらノーベル賞どころの騒ぎじゃない。次に、温度差が大きいほど熱のやり取りは大きくなるよ。50℃くらいのお湯なら触ってもあっつい!!くらいですむけど沸騰してる100℃のお湯だとやけどして大変だよね。最後に、ここに書いてあることは日常における熱の伝わり方についてだよ。先端研究とかなら別の現象もあったりするかもしれない。その時はがんばって調べてね。

熱の伝わり方は、物と物が動かず直接接触して熱が伝わる熱伝導、気体や液体が物にあたって熱のやり取りが起きる対流熱伝達、物と物が離れている状態で電磁波によって熱をやり取りする熱放射、基本的にこの3種類だけです。この下にそれぞれの例と特徴について書くよ。


熱伝導

フライパンで肉が焼けたり、冷えピタで冷たくて気持ち良かったりするのが熱伝導の例。熱が伝わるスピードは

物体の熱の伝わりやすさ×物体同士の温度差×物体が接触している面積

で決まる。熱の伝わりやすさはその物体の密度・温まりやすさ(比熱)・熱伝導率で決まります。式で書くと

熱の伝わりやすさ=熱伝導率/(密度×比熱)

となります。軽くて温まりやすいほうが熱が伝わりやすいってことです。この熱の伝わりやすさは熱拡散率とも呼ばれています。


対流熱伝達

風にあたると涼しかったり石油ファンヒーターの温風にあたるとあったまるのが対流熱伝達の例です。ちなみに砂漠とかで体温よりも気温のほうが高いと風が無いときよりも風が吹いたほうが暑いよ。砂漠の人があんまり肌を出してないのはこのためでもあるんだ。対流熱伝達も2種類に分けられ、温度差で勝手に気体や液体が動いて熱の交換が起きるのが自然対流、気体や液体が風とかでものに吹き付けられて熱が伝わるのが強制対流と呼ばれています。熱の移動する量は式で表すと、

熱伝達率×熱交換が行われる面積×温度差

となります。熱伝達率は計算で求めるんだけど滅茶苦茶めんどくさい計算になるから説明もめんどくさいです。だから説明しません。熱伝達率の計算が必要になったら専門書を読んで調べてね。そしてくじけないでね。ちなみに熱伝達率を求める中で気体液体の流速が使われていて、流速が1m/s変化すると、温度差が1℃変わったくらいの変化になります。風速が1m/s増えるごとに体感温度が1℃下がるなんて聞いたことはない?それはこの対流熱伝達の影響のことを言ってるよ。


輻射熱(放射熱)

鉄が熱されて赤く光ったり、太陽からの光が暖かかったり、冬晴れた時の朝が冷えるのとかもこれによるものです。これは上で説明した2つの熱のやり取りと違って、もの同士が直接接触する必要はなく、もの同士が離れていても電磁波のやり取りで熱のやり取りが起こるよ。というか物体は常にこの輻射熱を周囲に放ってるよ。赤外線とか聞いたことない?アレです。物体が周囲に放っている輻射熱は式で書くと、

ステファン‐ボルツマン定数×放射率×物体の表面積×物体の温度^4

となり、逆にある物体から受け取る輻射熱は

ステファン‐ボルツマン定数×吸収率×輻射熱を受ける面積×物体の温度^4

になるよ。ステファン-ボルツマン定数は定数なので環境や条件には左右されない。放射率と吸収率は物体の材質によって違うけど、基本的には同じくらいの数値になります。だけど物体表面の状態を変えて放射率を下げて吸収率は高くする、みたいに変化させることもある程度可能だよ。あと式の中の^4は累乗のことです。2^2だったら2×2、3^4だったら3×3×3×3を略して書いたものです。上の式だと^4なので物体の温度を4回かけています。このせいで輻射熱は温度が高かったり逆に低かったりするほどほかの二つの熱のやり取りと比べて、影響がどんどん大きくなるんだ。

今回はこれくらいにしておこうと思う。気が向いたときにほかのことも書くよ。間違ってたり疑問点あったりしたらコメントで気軽に質問してみてね。

おわり

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