映画『ガーンジー島の読書会の秘密』
これはもう、言うことなしで私の好みにぴったりの映画でした。冒頭20分で、物語の世界に心をガシッとつかまれてしまいました。そして、最後まで見終わった今、この映画が大好きだと、何度も何度も声に出したくなる、そのくらい、いい映画でした。
1940年冬、ナチスドイツの占領下にあったイギリス領ガーンジー島。ドイツ軍に家畜もラジオも奪われ、郵便も止められて人々は完全に孤立状態の中で寒さと飢えに震えて暮らしていました。そんなある日ドーシーの元に一通の招待状が届きます。訪問したアメリアの家には隠していた一頭の豚と近所に住む友人達がいました。久しぶりのローストポークとポテトピールパイ、ジンを味わいながらドーシーは気づいたのです。
「僕らが食べ物以上に欲しているのは、人との繋がりや語らい、友情だと。」
ガーンジー島読書会「ポテトピールパイ ソサエティ」のはじまりです。
占領下にあって孤立を強いられていた彼らは集い語らうことで、つかの間占領下の苦しみを忘れ、人間らしさを取り戻していきました。彼らの困難はどこか2021年の私たちに重なります。どんな状況下にあったとしても、私たちが人間らしく生きていくためには、手放してはいけないものもあるのかもしれません。
物語はリリー・ジェームス演じる作家のジュリエットのロマンスも描かれていてそれも素敵でした。自分にとって本当に大切なものは何かに気づくことって人生の選択の上でとても大事なことだと思います。ジュリエットが気づいた大切なものに、私は共感します。
映画に登場する人々は本をこよなく愛する人たちです。私も本を愛する人であって、読書会にも参加しています。あらためて本を通した繋がりっていいなぁと思いました。本を愛する人におすすめの映画です。
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