第五回口語俳句作品大賞奨励賞をいただきました
昨日、口語俳句振興協会会報「原点」が届き、第五回口語俳句作品大賞の発表を確認、私の「もやしのひげ」が奨励賞に入賞したことを知りました。
大賞は重富蒼子さんの「蹴飛ばした夢」、奨励賞は3作品で私の他に「起点」(小林万年青)、「月の輪郭」(久光良一)という結果でした。
私の作品は3次選考に残った14編中得点4番手で、ぎりぎり奨励賞へ滑り込みました…ありがたや!(笑)年末に1年の総決算、ご褒美的な朗報嬉しく。
受賞作品置いておきますので、よろしければご笑覧ください。力の抜けたタイトルが、わりと気に入っています。
「もやしのひげ」 瀬戸優理子
月光をざあざあ零し滑り台
まだ死んでいない無花果の神経
冬来ると風を聴く耳尖りだす
人参の赤は人間アレルギー
おでん鍋孤独擬きが浮いている
ばかに青い空冬林檎まるかじり
冬銀河実験室の箱へ布
薄氷の鼓膜地球にも余命
頬杖を外せば蝶の霞みゆく
ともだちをひとり減らして鶴帰る
薔薇芽吹く正義何度も書き換えて
たんぽぽを摘む右利きになれない手
寂しさの抗体となる落椿
花は葉に寝そべって無料求人誌
蟇跳んで万有引力的自粛
時の日のもやしのひげを抜いている
指で梳く髪一本は蜘蛛の糸
血の通う耳へ囁く水蜜桃
黒葡萄光る多情をゆるされて
だとしてもひとりを選ぶ実むらさき
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