俳句ネプリ「あわゆき通信」第5号へのご感想を紹介♪
昨日から、各コンビニでプリント開始した俳句ネプリ「あわゆき通信」第5号。
今回作品をお寄せいただいた山田すずめさん(@suzume12312)より、同時掲載の作品についてご感想をいただきましたので、その一部を下記にご紹介します。
丁寧に読んでくださり、ありがとうございました!
鶏卵の尻の日付の春や春 八月きりん
俳人としての季節感覚と実際の季節感覚のずれを再認識させられ、またそのずれを前向きに捉えられる句だと思った。
俳人にとって2月は春。でも、俳人以外の人に聞けば大抵、2月は冬だと返事される。なんといっても寒い。
暦の上では、日付の上では、春なんだと言い聞かせようとして春の句を詠もうとしても、寒さの前にくじけそうになる。
でも、その日付が鶏卵の尻に書かれているのをみれば、心持が違ってくる。
鶏卵は、ひよこの孵化と成長を連想させる。だから春の兆しはどこかに眠っていて、それが近いうちに成長し本格的な春になるのだと、信じさせてくれる。春のかけらを探しに行こうかという気持ちにさせられる。
囀りや安楽椅子に解くパズル 村瀬ふみや
一つ前の句に「ハヤカワ文庫」とあるので、安楽椅子と聞けば探偵を想像する。
安楽椅子探偵は助手からどんな謎を聞かされ、それを如何に鮮やかに解くのか?
でも、実際は視点人物は探偵ではない。
解いているのはパズル。安楽椅子探偵が向かい合う謎と違い、深刻さはない。被害者も加害者もいない。解かねばならぬ強い動機もない。
解かねばならぬ謎のない日常にいれる長閑さを、改めて実感させられる。囀りもこの日常を祝福してくれているようだ
春愁の顔拭くふかふかのタオル 瀬戸優理子
心地よさの中にある怖さを感じる。
「ふかふか」はポジティブなはずなのだけれども、「愁」という文字の後でよめば、そのふかふかは、たとえば、底なし沼の「ずぶずぶ」のようにも思えてくる。そう思えば、春の暖かさも、心地よさも、すべて何か不気味な罠のように思えてくる。
他にも、Xで「好きな句」を呟いてくださっている方々がたくさんいらして、嬉しい限りです。「あわゆき通信」の語を入れてアップしてくださると発見しやすいので、お読みいただいたかたは是非お気軽に感想をお知らせくださいね♪
29日(木)までプリントアウトできます!(出力に必要な情報は下記の記事に掲載)