「お役立ち記事」にするための文章の書き方~10のチェックポイント
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何か「目的」を果たすために文章を書いて発信するなら、単なる「呟き」や「自己表現」するだけでは物足りません。読み手に「有益」と思ってもらえる要素を付け加えていく意識が必要です。
いわゆる「お役立ち記事」にするということですね。
「お役立ち」というと「難しい!」「自分はそんな特別な知識も実績もスキルもない」と考え込んでしまう人がいますが、もっと広い視点から「お役立ち」を考えて大丈夫です。
たとえば、心に引っ掛かった情報や言葉を、自分流に表現し直して解釈、アウトプットするなんていうのも、立派な「お役立ち記事」です。「経験」を「未経験」の人にもわかりやすく、「やってみたい!」と思ってもらえるように書くのもそう。
ご自分にとって有益だった経験・情報を、あなたのフィルターを通して「新しい情報」に仕立て直す。そこから「お役立ち記事」が生まれます。
一例として、私が「これは有益!」と思った情報を、私なりの解釈を付け加えてアウトプットしてみますね。
それは「花森安治の実用文十訓」です。早速ご紹介しましょう。
【花森安治の実用文十訓】
1.やさしい言葉で書く
2.外来語を避ける
3.目に見えるように表現する
4.短く書く
5.余韻を残す
6.大事なことは繰り返す
7.頭でなく、心に訴える
8.説得しようとしない(理詰めで話をすすめない)
9.自己満足をしない
10.一人のために書く
花森安治(はなもりやすじ)さんは、NHK朝ドラ「とと姉ちゃん」でも有名になった、生活雑誌『暮しの手帖』の創刊者。編集、デザイン、執筆とマルチにこなした多才な方です。
戦後の「日本の暮らし方」を変えたとも言われる『暮しの手帖』の読者は、もちろん主婦。特別な知識を持たない人々にも、読んで楽しい、もっと読みたいと思われる文章を書くために、どんな気配りと工夫をしていたか?
それがよくわかる上記の十訓です。
端的に列記していて、これだけでもすごくわかりやすいのですが、せっかくなので、少し私なりの解釈を付け加えてみますね。
「1.やさしい言葉で書く」は絶対に外せない要素!専門用語や難解な漢字、堅苦しい言葉で書かれた文章は、読むのに疲れるので敬遠されてしまいます。「深いことを易しく」「難しいことを簡潔に」表現すること。これは、実用・お役立ちブログを書くなら、絶対に外せないことです。
「2.外来語を避ける」は、少しピンと来ない方もいるかもしれませんが、花森さんの時代は時代的な背景を想像するとわかりやすいでしょう。日本語で言えるものを、わざわざ「カタカナ語」で言うことは、生活に根ざした場所にいる主婦には受け入れ難いものであったはずです。自分の世界と違うと思われては、読者になってもらえません。
これは今の時代でも言えること。ある業界では、当たり前のように使っている「外来語」や「略語」であっても、それが一般的に受け入れられる言葉であるか、今一度見直してみましょう。日本語で言ったほうが意味が伝わりやすいなら、言い換えたり、カッコ内に注釈を入れたりなど、配慮してみるほうが賢明でしょう。
ある世代にしか通用しない流行コトバやネットスラングの使用も注意が必要です。
「3.目に見えるように表現する」も見落としがちな点。写真を貼ってあれば「見ればわかるだろう」と文章を手抜きしてしまうケースが散見されますが、実際に目にしている人でなければわかならい情報を、あなたの五感を通して表現することで、読者の中に「再現」できるような文章を心がけてみると、反応が違ってくるはず。細部まで丁寧に書き込んでいきましょう。
食べ物の味、素敵な景色、商品やサービスを体験した感想……どう言語化できるか、自身のトレーニングにもなります。
「4.短く書く」は、ブログ文章で言えば「1文1意」「1記事1ネタ」に当たる要素かと思います。丁寧に情報を盛り込んでいく姿勢も大事ですが、ダラダラとして、横道が多く、キレのない文章になっているなら考えもの。「削れる部分はないか?」「切り離して別記事にしたほうが良い要素はないか?」見直してみましょう。
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「5.余韻を残す」。これは、ちょっと難しい要素です。テクニックだけではカバーしきれないものかなと思います。たとえ実用的な内容であっても、「書き手の人生観」「蓄積した知恵」みたいなものが反映される文章を目指したいということ。そこに触れたとき、読者の心に良い変化が訪れ、行動に駆り立てられるのです。そんな読者を「動かす」文章に必要なのが「余韻」と言えるでしょう。
自分なりの「見方」「感じ方」を敏感にキャッチする習慣が、文章力にもつながっていくということです。
「6.大事なことは繰り返す」は、読者に言いたいことを伝えるために外せないこと。記事タイトル、導入部、締めの文章。核となるキーワードを入れながら、ときには表現を少し変えつつ「伝えたいこと」を印象に残るように繰り返して語ること。すると、読者の記憶に残る文章となるのです。
「7.頭でなく、心に訴える」「8.説得しようとしない(理詰めで話をすすめない)」。これは自分が読み手の立場になったら、わかりますよね。理詰めで、事実や情報ばかり並んだ文章は読んでいて面白くなくて、途中で飽きてしまいます。ハートをふわっと包んだり、密かに夢見ていること、隠しているコンプレックスなどを刺激してくるような文章は、思わず読みすすめてしまいます。上手なセールレターや人気ブロガーさんの文章を精読して「心に訴える表現」を抜き書きしてみると、コツがつかめるかもしれません。
「9.自己満足をしない」は、「自分目線」ではなく「読者目線」で書くということ。いい文章かどうかは「読者」が決めるのです。テクニックに溺れず、読者に喜ばれるような内容、切り口で書くことを第一義としましょう。
「10.一人のために書く」は、よく言われることですね。一人の読者を思い浮かべて書くから、濃くて刺さる内容になります。「皆さん」に向けた文章はどうしても薄味になって、変に肩に力が入った「あなたらしくない」文章になりがち。大切な人にしたためる手紙のように、愛を込めてかいてきましょう。
以上です。
こうして、自分の言葉に置き換えて解釈を書くことで、私自身も大事なことを「再確認」することができました。自身の「学び」は、同じ関心を持つ他者の「学び」にも転換することが可能なのです。
あなたも、心に引っ掛かった情報や言葉を、自分流に表現し直して解釈、アウトプットすることで、ご自分にとっても読者にとっても有益な「新しい情報」に仕立てて「お役立ち記事」を書いてみてくださいね。
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