久々の中島らもワールド
中島らもさんをご存知だろうか。
20年近く前に52歳でなくなっている。今の私よりも年下なんだってびっくりする。
らもさんは割と好きな作家さんというか関西のおっちゃんだった。
別に知り合いではない。
いわゆる大方の関西人のおっちゃんの印象、ちょっとやかましくて賑やかな感じからは対極にあるような人。そしてその風貌からはまるで感じられないのだが(失礼)、相当なインテリなのだ。
関西には時々そんな人がいる、と聞いたことがある。ナリはホームレスなのだが、話してみると超インテリっていうような。。東京ではあまり見かけない感じ。
別にらもさんはホームレスではない。
そして、らもさんが書く文章には毒も沢山仕込まれているけれど、主旋律には優しさが貫かれている、と私は思う。
どのエッセイだったか忘れたが、彼女への誕生日プレゼントの話があって、髑髏マークの灰皿をプレゼントした、とあった。それを読んだ時は「彼女に髑髏マークってどう言うセンス⁉️」っておもったけれど、その後読み進めると、その灰皿を自分が今使っている、とある。
そう、その彼女とは、らもさんの奥様のこと。
なんか、すごくいいなあって思った。その逸話ひとつで心を鷲掴みにされてしまったのだった。
新聞で「悩み相談室」もやっていて、その受け答えが無責任だけど優しくてスキだった。
そんな中島らもさん原作の舞台「こどもの一生」を観てきた。
今回脚本が新しくなって、どんなかなぁて思っていた。案の定、毒は山盛りで怖さも半端なかった。子供も観に来ていたけれど、トラウマになりはしないかと心配なほど、終始ゾクゾクする展開だった。
でもそんな中にも、やっぱりちょっと優しさが見つかった。
らもさんを見つけた気がして嬉しくなった。
天国でもお仕事されてらっしゃるのですね、って思った。