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四季折々の暮らしを大事にする
お正月が終わると、お雛様の宣伝が急に多くなる。
今までは、何となくやり過ごしていたけれど、今年はそうは行かなくて。
去年初孫が生まれて、その初節句だから。
本来であれば、うちにあるお雛様をもっていけば話は簡単だけれど、娘のところは手狭だから寝るところがなくなってしまう。
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うちにあるのは半世紀以上前に、私が買ってもらった7段飾のフルセット。
それを長女が引き継いだのだった。
流石にコレは。。持っていくのも大変だし、その上狭いからと出してもらえなければ、お人形がかわいそう。
ということで、小さめのものを新たに購入したい、と娘にLINEで持ちかけてみた。
すると、
「お雛様、飾る場所ないし要らないな。。。」との返事。
それを読んでカチンときた。だからこう伝えてみた。
「自分は当たり前にしてもらっていたから、今はそのありがたみがわからないのかも知れないけれど、そういう四季折々の行事って大事にした方がいいと思います。まあ、それぞれ考え方があるので要らないなら要らないでもいいです。」
私の実家の母はお雛様を出さない人だったので、私は物心ついた頃から自分で出して自分でしまっていた。
そんなことも娘は知っていて、うちでのお雛様の出し入れはかなり大きなイベントだった。
3月3日をすぎてもお雛様が出してあると、二人の娘達から「いつ片付けるの❓」とすごいプレッシャーだった。(お雛様はすぐにしまわないと、お嫁に行き遅れると本気で信じていたので🙄)
お雛祭りは3日までには済ませて、翌日の4日には片付けたい。
だけれど、天気が悪いと片付けられないし、できれば空気の綺麗な午前中にやってしまいたいし、と日程調整が結構大変だった。
私がフルタイムで働いている時なんて、午前中にお雛様を片付けたいからと仕事を休んだ程。
(今から思うと、会社がそれを理解してくれたのがありがたい)
それくらいの心意気を持って、私がその行事を大事にしていたのをみていたのだから、娘に返す言葉はないはず。
そう言われて流石に、娘も自分がしてもらっていたことに気づいてくれたみたい。
娘自身が親から受けたものを、孫にもしてあげてほしい、そう思う。
それは私のわがままかも知れないけれど。。
ということで、近々人形選びに娘一家のいる大阪へ行くことになった。
買うと決まったからには、夫婦で盛り上がって色々調べている様子。
そうやって四季の行事を楽しむ家族であってほしい。
省いてもイイこともあるけれど、そうじゃないものもきっとあるから。
大阪では松屋町というところに人形店が軒を連ねていて、東京でいう浅草橋みたいな場所らしい。
東西では人形の顔立ちが違ったりするのかなぁ。
西は京都の文化の影響もあるのかな。今からちょっと楽しみ。
でも未だかつて、うちのお雛様より綺麗なお雛様って見たことがなくて。。
何年か前に奈良の義母が、近所にすごいお雛様があるから、と連れて行ってくれたことがあった。
何やらお公家さんの家に古くから伝わっていたお雛様だそうで、人の身長くらいある立ち雛だった。人形はもちろんのことお道具もすごかった。
でも見せてもらった後で、こっそり娘が私に言ったのだった。
「すごいお雛様だけど、顔はうちの方が断然綺麗だね。」
義母の手前もあって、私は心の中だけで激しく同意した。
実家の母は、人形は出さなかったけれど、ピカイチのお雛様を選ぶ目を持ったヒトだった。
その目は私にも娘たちにも引き継がれている。
そんな大切なものをもらって、母にはものすごく感謝してる。