見出し画像

トランジット・プログレス・ソーラーアークを読み比べる

ある程度マニアックな占星術話になります!

生まれた時のホロスコープ、ネイタルチャート(出生図)は、本人の生まれ持っての性質を読む事が出来る、基本のチャートです。

さて、具体的な期間を占う、たとえば今日とか、ここ一ヵ月とかを占う場合は、様々な技法がありますが、
トランジット
プログレス
ソーラーアーク
の3つに絞ってお話しようと思います。


それぞれのチャートの違い

まず、そもそもこの3つのチャートの違いは?という話ですが。
(すでに把握している方にとっては、おさらい的な内容になります)

トランジット…その時のリアルな天体の動き

まずこれはわかりやすいですね!
チャートを出す時間、その時にリアルで空の上で、天体がどう動いているか。それを示したものがトランジットチャートです。

例えば8月5日のトランジットチャートなら、今は太陽が獅子座にあるな~…と読むわけです。
太陽が獅子座の時期は、世の中全体がクリエイティブ、外向的になると読むこともできます(超ざっくりですが)

個人の運勢を見る場合は、二重円として読むのが基本。
ネイタル(出生図。生まれた時のホロスコープ)とトランジット、二つのチャートを重ねて読んでいきます。

読み方が難しいなら、シンプルに、ネイタルの太陽星座に、トランジットの太陽や金星が来ていたらラッキー!というように、ざっくりと占う事はできますね。

たとえば、ネイタルで太陽獅子座の人にとっては、トランジットの太陽が獅子座に来ていればラッキー!というように。
…と書くと難しく聞こえますね。
獅子座生まれの人は、太陽獅子座の時期(7月下旬~8月中旬)はラッキー!ということです。
誕生日やその前後の数日は、特にラッキー!

星と星との角度、アスペクトについては、
ネイタルの天体とトランジットの天体の0度は特に影響が大きいです。
誕生日は、ネイタルの太陽とトランジットの太陽が0度。ぴったり重なるということなので、影響も大きいです。

プログレス…一年を一日として見る

プログレスチャート、ここでは一日一年法という技法の話です。一般的に使われるのはこの一日一年法。
(※一度一年法という技法もありますが、それは後述するソーラーアークに非常に近いものとなります)

たとえばですが、生まれた日が1月1日だとしましょう。
その次の日。1月2日のホロスコープを見ると、一年後の運勢が分かる。
一日後のホロスコープが、一年後に対応しているという考え方です。

1月1日生まれの人でしたら太陽は山羊座ですが、20日後、1月21日には、太陽は水瓶座に入っているはず。
一日を一年と考えると、生まれてから20年後。20歳で大きな転機が訪れる…というように読む事ができます。
基本の性格は山羊座ですが、20歳以降は水瓶座っぽい性格が混ざってくるんですよね。大人になるにつれ、性格に深みが出てきます。

太陽だけでなく、他の天体も同じように見ていきますが、木星以降の遠くの天体は、ほとんど動かない。
基本的には個人天体(太陽・月・水星・金星・火星)を中心に読んでいきます。

ソーラーアーク…太陽と同じように他の星も動くと仮定

ソーラーアークは、太陽弧とも呼ばれます。
プログレスの太陽は、ホロスコープ360度のうち、一年に約1度ずつ移動していきます。
他の天体も、太陽と全く同じ速さで移動させる…というのがソーラーアーク。太陽と同じ速度で、他の天体も動く。

例えばですが、ネイタルチャートで、
太陽が牡羊座の1度、冥王星が蟹座の1度
だったとしましょう。
20歳の時期のソーラーアークチャートでは、
太陽が牡羊座の21度、冥王星が蟹座の21度
になります。
どちらも+20度になる訳ですね。(厳密には誤差がある場合があります)

トランジットやプログレスとの大きな違いは、現実に存在しないホロスコープが出来上がる事。
月と冥王星が同じ速度で動く事は現実にはありませんので。
プログレス(一日一年法)では、動きの遅い天体、特に天王星・海王星・冥王星はほとんど動きませんが、ソーラーアークでしたら、太陽と同じ速さで動く。

ソーラーアークの天体同士は、ネイタルと同じアスペクトを形成します。
全ての天体が太陽と同じ速さで動くため、天体の位置関係は同じということですね。
ネイタルの太陽ネイタルの月が120度ならば、
ソーラーアーク太陽ソーラーアーク月も120度です。
そういう意味では、ネイタルの延長線上にあるホロスコープ…と言ってよいかも知れません。

ちなみに、プログレスの一度一年法も、ソーラーアークとほぼ同じなのですが、こちらはシンプルに、一年に1度ずつ足す、という方法。
ネイタルで太陽が獅子座0度ならば、20歳の時はプラス20で、獅子座20度。手計算でも出しやすいです。
ソーラーアークの場合、正確に言えば一年に1度…ではなく、ほんの少しの微妙なズレがあります。といっても、ほぼ誤差の範囲ですので、あまり気にしなくて良いレベルかと。

どう読み比べるか?

それでは、具体的に上記の3つのチャートをどう使い分けるか。
といっても慣れないうちは複雑でごちゃごちゃしてしまうので、
まずは自分が気に入った読み方、直感的に、これがいい!というものをまず試してみると良いでしょう。
基本的には、具体的な運勢を見たいならトランジット
内面の変化を見たいのならばプログレス、で大丈夫ですし、その方式が一番メジャーかと思います。

プログレスソーラーアークは、近いといえば近いので、最終的にどちらを重視するかは、好みの問題と言ってしまっても良いかもしれません。
どちらも、まず重視するのは太陽。その太陽の動きは、プログレスでもソーラーアークでも同じです。
慣れないうちは、太陽を見るだけでも大丈夫。そうすると、どちらでも一緒という話になってしまうのですが。
とはいえ、トランスサタニアンの動きなど、大きく変わるところもあるので。
色々見比べて、しっくりくる方法を試すと良いですね。

ソーラーアークは太陽を基準にする以上、太陽の意味合いを強く帯びるチャートだと私は考えています。
太陽は自分らしさ、自分の本質。
太陽星座が育つ年齢域は25~35歳ですので、おおよそ25歳以降、大人になってある程度太陽星座を活用できるようになってからのほうが、ソーラーアークがしっくりくる、当たっていると思えるようになるかも。
若いうちは、ソーラーアークの星があまりネイタルと変化がないというのもありますが。
自分らしさを知る、自分らしく生きるヒントにもなると思っています。

以下、それぞれ詳しい読み方を書いていきます。

ここから先は

15,474字

¥ 500

この記事が気に入ったらチップで応援してみませんか?