銀貨崇拝思想〜レプリカじゃダメなの？

昨日の記事が、タイトルだけ読んだ人によって、炎上してしまわないか不安でした。

どうも、狼でマジシャンの月乃輪ウルフです。

昨日の記事を読んでいない方は、そちらを読んでから今日の記事を読むことをオススメします。ある程度、続きになっていますし、読まないとおそらく誤解を生む可能性があるので…

（しかし、昨日の記事もまぁまぁ誤解を生みそうなスレスレの表現してるけどね）

お読みいただいたでしょうか？まぁ読むのめんどくさいという方もいるかもなので、簡単にまとめると、銀貨はめちゃくちゃいいです。ニッケルやレプリカよりも優れている点がとても多いです。

しかしながら、唯一にして最大のデメリットがあります。

それはいったいなんなのか？銀貨最大のデメリットは、
銀貨はとても高価である、ということです。

それについては、この方の記事にとても詳しく書かれていますので、ぜひご覧ください。

要約すると、ハーフダラー銀貨５枚で約15,000円、モルガンで約30,000円、銀のモルガンシェル１枚で10,000〜15,000円します。

…たっけ。DVD５枚とか１０枚ぐらい買えてしまう…。まあそうなると、確かに銀貨を買うのって、ちょっと勇気がいりますし、今はいいかなって思っちゃいます。

しかし、一度銀貨を手にいれてしまうとどうでしょう！
「もうニッケルには戻れない！」「レプリカなんて嫌だ！」
とほとんどの人が思ってしまうのです。

銀貨を持っていなくても「レプリカはなあ…」と思ってる人もいるのではないでしょうか。この辺りは前回の記事にも書いた通りだと思います。

ですが、一度考えてもらいたいのです。本当にそうなのか？

ちょっとこちらの動画をご覧ください。レプリカと銀貨の比較をしたものです。最初の両手に持っている段階で、レプリカと銀貨を見極められますか？

いかがでしたでしょうか？最初に鳴らす方がレプリカで、後に鳴らす方が銀貨です。音を聞いてみると、レプリカの方が音が高くて、銀貨の方が響くような感じがしますよね。マジシャンが聞けば、

「ああ、やっぱり銀貨の音はいいな」「レプリカの音は安っぽいな」という感想を持つと思います。

ちょっと待ってください。それは本当ですか？
それってあなたの感想ですよね？（ひろゆき風）

聴き比べてみると、確かに銀貨の音の方がいい風に聞こえますが、ではレプリカの音はよくない音なのでしょうか？ちなみに、マジックは見る専の家族や友人にも触ってもらったり音を聞いてもらったところ、まあ銀貨の方がいいのは分かるけど、ぶっちゃけ言われなきゃわからない、と答えました。

レプリカは７５点、銀貨は９０点ぐらい、どっちもいいことには変わりない、ということです。

マジシャンの銀貨崇拝思想の正体

つまり、「いいものとそれに劣るものを知っている。銀貨はいいもの、レプリカは劣るもの、だからレプリカはよくない」という発想になっているのではないだろうか。レプリカはコインマジックにおいては悪いものではない。一つの選択肢である。

（偽物の流通が与える市場への弊害は、今回は考えないものとします。あくまでコインマジックとしての道具という前提です）

銀貨崇拝思想は、ある弊害を生み出していると思うのです。

それは、ギミックコインになかなか手を出せない、ということ。

銀貨シェルはとんでもなく高価です。ですが、レプリカであれば、銀貨の半額以下の値段で買えます。シェルコイン一つあるだけで、コインマジックが圧倒的に不思議になります。コインマジックに幅ができるのです。

マジックサークルの学生に、SCBギミックやスーパートリプルコインのマジックを見せた時、本当に不思議がっていました。YouTubeでマジックを学ぶ今の時代、テクニックのことはたくさん知っていますが、こういったギミックコインの素晴らしさや不思議さはまだ知られていないようです。

また、持ってはいるけど、ぶっちゃけどう使えばいいかわからない、というのも多いと思います。コインテクニックのレクチャーやDVDはかなり多くなりましたが、ギミックコインを取り扱ったものは、まだまだ少ないですしね。

月乃輪ウルフは、そういった現状を変えていくために、よりマジックを楽しむ人が増えるように、今いろいろと動いています。近々、また告知があると思いますので、どうぞ楽しみにお待ちください。

いろいろと書きましたが、銀貨には銀貨の良さ、レプリカにはレプリカの良さ、ギミックにはギミックの良さがあります。自分はマジックを１５年以上やっていますが、知れば知るほどマジックの奥深さ、面白さが次々と湧き出てきます。掘って掘って、そろそろ底かなと思ったら、更なる奥深さを見せてくれます。

５億年ボタンを押したら、きっと僕はマジックの研究をするでしょう。現実世界に戻るときに、記憶がなくなってしまうのが本当に惜しいです。（なんのことかわからない人は「５億年ボタン」で検索してみてください。面白いですよ）

多くの人がよりマジックの楽しさを知ってもらえるように、これからも頑張っていきます。今日もここまで読んでいただき、ありがとうございました。

月乃輪ウルフ