コインアクロス、3フライ、ウィングドシルバーの違いって何?
コインの移動マジックとして有名なのが「コインアクロス」「3フライ」「ウィングドシルバー」この3つだと思います。
どれも全て、片方の手からもう片方の手へとコインが移動していくという現象ですが、これらの違いって一体なんなんでしょうか?
枚数なのかな?でも、「3コインアクロス」なんてものもあります。
今回の記事では、僕なりに思うそれぞれの違いについて話していこうと思います。あくまで僕なりの見解ですので、これが正解だ!というわけではありません。というか先に言っちゃうと、おそらく厳密なく区分はないと思います。
なんとなくこっちかな?ぐらいの感じだと思っています。それらの傾向というか雰囲気を、僕なりに考察したものとなっていることをご了承ください。
コインアクロス族の3フライ君
僕の見解を述べる前に、別の方がおっしゃていた一つの分類を引用します。これは史実にも基づいているのでかなり納得度が高いと感じました。
つまり、「犬のポチ」や「人間のタケル」のような感じで「コインアクロスというマジックの『3フライ』」という感じですね。
ウィングドシルバーもこれと同じく作品名として考えられるでしょう。これは、デビッド・ロス氏の代表作として有名な作品です。
3フライから着想を得ているものは3フライ、ウィングドシルバーから着想を得ているのはウィングドシルバーになる、という分類になるでしょう。
この分類は結構自分の中で納得がいっていて、この分類だと最初に例を挙げた「3コインアクロス」も説明ができます。おそらくなんですが、「3コインアクロス」の初出はポン太THEスミス氏の『SICK』ではないかなと思っています。
ざっと調べた感じ、一番古い「3コインアクロス」はポン太氏の映像でした。
※追記
どうやら「3コインアクロスの元祖はポン太さん説」は間違いのようです。
やはりマジックの歴史は計り知れなく深いですね…。自分の不勉強を身にしみて感じました。情報ありがとうございます。
3枚のコインで行うが、指先では持たずに、基本は指の上に乗せるプレゼンテーションで行うものを、「3コインアクロス」というのかなと思いました。
この見解はかなりしっくりくるなあと感じたので紹介させていただきました。
では、ここからは僕の思うそれぞれの分類についてです。
コインの進み方による分類
僕はこの3つのマジックでは「コインの進み方」が違うのではないか、と考えています。ちょっと図解してみたのでご覧ください。
絶望的に絵心がなくて、伝わりづらかったらすみません。泣
多分伝わっているとは思うんですが、黒線で書かれている草みたいなものが手で、赤い線がコインの進み方のイメージです。ちなみにこれは、あくまでマジックの現象としてのコインの進み方イメージを図解したものです。実際の種の部分としての動きは含まれていません。
一つ一つ見ていきましょう。
コインアクロスは時間差がある
コインアクロスは、コインが孤を描くようにして、上に上がってから下に落ちて移動するイメージです。握った手をクイっと上に動かして、間を置いてチャリンと音が鳴る、みたいな演出が多いですよね。似ているものとして、手の中を通ってという演出をするものもありますが、このパターンもこれに該当します。
つまり、コインが移動を始めてから、少しの間を置いてもう片方の手に到達するものをコインアクロスと分類します。
3フライは直線的に素早く進む
3フライは、手から手へとコインが移動する際に、ものすごく早いスピードで直線的に移動するイメージです。3フライで最後の移動の時によく用いられる演出として、「見えるように移動させますね」と言った後、普通に手渡しするジョーク的な演出がありますよね。
大抵の方が、まっすぐ移動させています。中には波打つように移動させたり、フィンガーチップマッスルパスで飛ばす人もいますが、大体、手と手の間の直線距離上で行われています。
そのため、コインが移動した後、すぐにコインの移動が示されることが多いです。先述で紹介した分類でもこのことについて触れられています。つまり、3フライは移動直後に移動が完了するコインの移動現象だと分類されます。まるで新幹線のような感じで移動するイメージですね。
ここまで読むと「ウィングドシルバーも移動直後に移動が完了する感じじゃない?」って思う方もいると思います。まさにその通りなのですが、コインの進み方のイメージが違うのです。
ウィングドシルバーはパッと消えてパッと現れる
おそらくこの画像が一番伝わりづらいのではないかと思っています。絵心のなさを痛感しました。笑
瞬間移動には2種類のパターンがあると思っています。一つは、ものすごいスピードで高速移動するタイプです。X-MENでいうところのクイックシルバーみたいな感じです。3フライはこちらにあたります。
もう一つは、A地点からB地点へとワープをするタイプの瞬間移動です。SF映画やポケモンとかで出てくるテレポートとかがそれにあたりますね。ウィングドシルバーはこちらのイメージです。
点線部分をA地点、赤丸部分をB地点とした時、握ったコインがA地点からB地点にパッとワープするようなイメージです。ですので、3フライと比べた時、ウィングドシルバーはコインの移動の瞬間、横軸の手の動きはありません。
基本的には、握った手を開くだけでコインが瞬間移動する、というものがウィングドシルバーのイメージです。
コインマジックはパントマイム的要素が強い
以上の3つが分類する上での一つの見解です。コインアクロスは弧を描いて宙を飛ぶイメージ、3フライは超高速で直線的に移動するイメージ、ウィングドシルバーはパッと消えてワープするイメージ、という感じです。
コインマジックのレクチャーを受ける際に、「コインが実際にあるイメージで」というのを耳にしたことがありませんか?
例えば、フェイクパスをする際も実際に渡す練習をして、その感覚をつかんでから同じようにするといい、といったアドバイスをします。
確かにコインマジックは、パームしてるコインを実際はそこに無いように振る舞わなきゃいけないですし、その逆も然りで、実際はないコインをそこにあるように振る舞わなければいけません。いわゆるパントマイム的要素を大きく含んでいます。
そう考えた時、このマジックはどのようにコインが移動しているのか、というのも非常に重要なポイントです。
僕はこの考えを持っているので、消えた後に少し間を置いて出現する3フライとかを見ると、なんだかムズムズしてしまいます。この分類でいうと、コインアクロスと3フライの移動イメージが混在しているので、ちょっとしっくりこない感じがしてしまいます。考えすぎなのはわかっていますし、一般の人から見たらどうでもいいことではあるんですけどね。笑
最初にもお伝えしましたが、これは分類する上での一つの見方であり、これが唯一の正解だとは思っていません。例えば、人間を分類する際も、男女だったり、血液型だったり、国籍だったり、目玉焼きには醤油かソースか、というように一つの物事もいろんな種類の分類ができます。今回の件もそれと一緒だと感じています。
あなたはどう思いましたか?何か参考になれば嬉しいです。是非感想をお聞かせください。最後までご覧いただきありがとうございました。
月乃輪ウルフ
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