#32 VSナメック星人
一軒家のいなか暮らし。
初めて迎える夏。
虫が出ることは、相当覚悟をしていた。
12月、引っ越し早々登場した巨大カメムシの洗礼をうけ。
夏場はそれはもう想像を絶する戦いが待ち受けていると思っていた。
殺虫スプレーは常時二種類を手元に。
家のまわりには防虫の粉を撒き。
それはもう気合いを入れて迎え撃った。
だが、いい意味で裏切られることになった。
一番恐れていたゴキブリは一度も姿をみることがなく。
夏場に1日だけ、なぜか大量に侵入してきたアリンコに悩まされたくらいだった。
(さらっと書いたがこの一晩は地獄の所業だった)
あとは庭に盛大にクモの巣がはられていたが、あやつらは害虫を食べてくれる益虫なので、まあそこまで敵視しないでおいた。
(そもそも屋外だし)
そうして一度目の夏は終わる…
はずだった。
そいつが出てきたのは、もう秋の気配がする頃だった。
はじめは一匹。
どこから侵入してきたのか、ダイニングに、のそっといた。
別に飛ぶわけでもなし、噛むわけでもなし。
虫嫌いのわたしでも、直接処理はできないまでも、そんなに嫌悪感がわかないシルエット。
基本動きも遅いので、目を離していても見失う心配はない。
とりあえずパートナーの帰りを待って、事情を話したらティッシュでつかんでポイしてくれた。
「どっからきたんだろうねー?」
のんびりそんな話をしていた。
数日が過ぎ、もうそんな記憶も消えかけた頃。
仕事を終えてダイニングにもどると、なんとそこにはいつぞやのヤツが、今度は三匹ほどちらばって落ちていた。
うおお、なんだこりゃ。
急いでパートナーを召喚し、また処理をしてもらう。
それにしても、どっから入ってくるんだ??
はった後もなく、ちょこんと突然そこに現れたかのような出現ぷりだ。
そんな日がさらに二回ほど続いた。
そして。
いよいよわたしの限界が越える日がやってくる。
それは、秋晴れの、9月の末日のことだった。
朝の洗い物をしようとシンクに置いてあった食器を手に取ると。
なんだかぷるんとした感覚が指先を襲う。
ぷるん…??
不思議に思って見ると、食器のうらにナメクジが!!!
うわあ、と食器のはしをもって三角コーナーに入れ、食器用洗剤の泡をかけてみる。
だがノーダメージの風だったので、伝家の宝刀である食塩をたっぷりかけて駆逐した。
ここまでは、まだ耐えれた。
しかし同日。
夜ごはんに天ぷらをしようと、オイルポットを手に取り。
いつもはそのまま使うのだが、本能がそうさせたのか、いれる前にふたをとり、オイルの状態を確かめてみた。
そしたら、油の中に、なにか黒っぽい塊がある。
わたしは油をオイルポットにいれる際は必ず屑が入らないように濾している。
なんだろう?
気になって、スプーンですくってみた。
「ひっ!!」
こんの、ナメック星人があああ!!
エスカルゴよろしく、油まみれのナメクジが出てきたのでした。
オイルポットって、注ぎ口の部分だけ密閉されてないから、入れたんだろうな…。
ああでも、まじでトラウマ級。
わたしもう二度とエスカルゴ食べれない。
(そもそもたべない。笑)
ナメクジが家に出る原因を調べたら、隙間から侵入(3ミリあればはいれる)が一番可能性がありそうだった。
あとは野菜についた卵が侵入する説。
にしても、隙間からの侵入なら、なんでダイニングばっかり狙い打ちなのかわかんないし。
野菜は夏場は庭で作ってたから、そこから入るのはまだ理解できる。
だがもう我が家の野菜は収穫を終え、新鮮野菜を持ち込むことはそうそうない。
パートナーの想像では、おそらく床下にたくさんいて、それが床のすきまから入ってくるのでは、とのこと。
いずれにしても、家の周囲にナメクジ用の農薬をまいてくれることになった。
はああ。
とりあえず食べ物にははいらないでくれええ。
それはそうと、ナメクジってちょっと宇宙人っぽい見た目だと思わない??
とおもったら、バンダイさんが宇宙人図鑑にナメクジ型エイリアンを載せていた。
どうやら発想は間違っていないらしい。
(注:正解でもない)
限りなくどうでもいい話だが、語感が近いから、個人的にナメック星人と呼んでいる。ドラゴンボールファンから刺されてしまうだろうか。笑
なにはともあれ、しばらく我が家のドッカンバトルは終わりそうにない。
さて、次回のコラムはなんの話題がでることやら。
絶対見てくれよな!!笑