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すみませんの便利さと不安

どうも、今回は『すみません』について語っていきます。すみません、謝罪の言葉ですが皆さんは一年に何回言っていますか?私はそもそも人と会話する機会が……ゲフンゲフン。とはいえ、現役時代はかなりすみませんと言っていた気がします。

きみ、謝罪多くない?

日本人は古くから謙遜こそ美徳と考えられてきましたが、それと同時に謝りっ子に育てられてきました。とりあえずすみません、よく分かんないけどすみません、私が悪いわけじゃないと思うけどすみませんと……。しかし、この習慣はぶっちゃけ悪手にも程があります。

言葉とは、重ねる毎にチープなものとなっていきます。一度しか会わない人ならともかく、何回も同じ人に謝罪をしていると「本当に反省しているのか?」と却って不機嫌にさせてしまいます。軽いものでも謝罪してしまうから、大事な場面での謝罪が軽くなってしまうわけですね。

社会全体が謝罪ありきみたいな風潮になっているとはいえ、せめてプライベートな時間だけは謝罪のタイミングと頻度を考えた方がいいでしょう。

それ、謝罪なの?それとも感謝?

面白いことに、私みたいなちゃらんぽらんにも後輩という存在がいました。この後輩がまあ謙遜と遠慮が服を着て歩いているみたいな子で、隙あらば「すみません」をぶち込んできたものです。ちょっと困るのが、謝罪の軽さもなんですけど、感謝するときも「すみません」を使うところ。

親切にしてもらったときとか、助けてもらったときにも謝罪から先に来るもんですから「え、なんで今私謝られたの?」と困惑します。でも、これ別に珍しい話ではありません。特に若い世代(私も若いよ!)にはよくありがちで、「ありがとう」より「すみません」が多いです。

はっきり言います、感謝と謝罪は使い分けてください。先ほども言いましたが、言葉は重ねるほど安っぽくなります。感謝したいときは「ありがとう」、謝罪したいときは「すみません」、コレ超大切です。

すみませんって便利過ぎない?

ここまで話しておいてなんですが、すみませんって便利すぎやしませんか?たぶん『やばい』の次くらいの汎用性はありますよ。とりあえず「すみません」って言っておけば、【声掛け】【謝罪】【感謝】の3つはクリアできますよね。英語だって「Excuse me」「sorry」「thank you」くらいありますよ!

日本って言い方とか複数あるわりに、同じような使い方する言葉がめちゃくちゃ多いんです。特に謝罪には天下の宝刀「ごめんなさい」があるから、人によっては謝罪を「ごめんなさい」、感謝を「すみません」で使い分ける人もいます。いや、どっちも謝罪だからソレ!

聞いてるこっちが混乱するので、後輩には「ありがとうって言ってね」と言ってました。なにかする度に謝罪されてたら、凄いこっちが悪者みたいになります。

すみませんが当たり前になる世界

便利は便利でも、やはり「すみません」は後ろ向きな言葉。謝罪だけならいざ知らず、感謝にまで使われても嬉しくないです。やっぱり、「ありがとう」と言われた方が気分はいいんですよね。

もし、すみませんが当たり前になってしまったらどうなるんでしょう?多分、助ける意味すら薄くなると思うんです。どれだけ綺麗事を並べても、誰かを助けたときは「ありがとう」って言われたいのが人の心というもの。どんな時でも「すみません」しか言わなかったら、誰からも遠ざかってしまうような気すらします。

とはいえ、社会って悲しいことにそんなもの

安い謝罪に価値はないとはいえ、残念なことに社会に放り込まれると謝り放題になることは珍しくありません。得意先、上司、先輩、上の立場の人間にはどうしても委縮してしまい、ついつい謝罪を口にしてしまうものです。私も「謝罪はあまり気安く言わない方がいい」と言われた経験があります。

謝罪することが悪いわけではありません。謝罪を『意味のない言葉』へと格下げしてしまうことが悪いのです。意味や意思のない言葉は、必ず相手にも伝わります。本当に悪いと思っていても、伝える手段がいつも同じだと意味は希薄に感じてしまいます。

今更直せないって人は、せめて感謝するときに「すみません、ありがとうございます」って感謝の言葉を後付けしましょう。それだけでだいぶ印象が変わります。まあ、「遠慮がちな子だな」とは思っちゃいますが……。

せめて、謝罪と感謝の違いくらいは身に着けたいものですね。

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