柊子 第4話
久しぶりの友人の家は、やけに乱雑となっていた。
そして出迎えてくれたのは友人ではなく、彼女の4つ下の妹さんだった事に驚く。
彼女との約束は5日前。
妹さんの襲来は2日前。
詳しくは後から彼女に聞くとして、想像できる範囲でなんとなくこの状況を理解した。
日を改めると伝えて帰ろうとしたが、止められ妹さんと2人で向かい合って、紅茶を飲む羽目になった。
私はとりあえず、その場に相応しいであろう相槌をうち、妹さんの名前を思い出そうと記憶を呼び起こす。
そして、最後に会った日の事を思い出す。
妹さんの事を苦手だった事も思い出す。
目の前で喋り続けるこの人はどんな相手にも変わらない、良くも悪くも。
少し大人になったのか、言葉選びはする様になったみたいだが、それが尚更『嫌味かな?』と思わせる。
そして友人と違って、私の怠惰を諦めてくれない。
そう、私はもう飽きてきている。
会話とは言葉を零すものなのだから、熱心になってはダメだ。
『やっぱり妹さん苦手だわ』…と思いつつ、友人の帰りを切実に待つ。