煉獄《紅蓮終期》に出てきた人たち
刹 月影(セツ ツキカゲ)
アウラ・ゼラ族の青年。表の顔は冒険者、裏の顔は復讐専門の殺し屋。冒険者としては忍者として活動することが多いが、あらゆる職種を齧るため、ほかの立ち回りもある程度は出来る。故郷で《忍びの真似事》を継承してきたため、通常の忍術以外に隠し武器や銃の心得もあるが、普段は冒険者に準じた忍者として行動する。目が悪く、自然光、人工光どちらにも弱いため、シェイデッドグラスを愛用する。至って冷静であり、どこか不敵に笑っていることが多い。5歳年上の兄、3つ下の妻がいる。ふとしたことで魔物であるパイッサの子供を拾い、栗丸と名前をつけて世話をすることに。こう見えて甘い物が大好物。皮肉屋であり、縛られることを極端に嫌う自由人だが、お人好しでもある。普段はなんでもないように振舞っているが、異常なほどの苦悩と絶望を隠しており、実は自殺願望も強い。真逆に生きねばならないという想いも持っており、板挟みになって密かに疲弊している。
劉 月影(リュウ・ツキカゲ)
刹の五歳年上の兄。故郷がガレマール帝国に焼き討ちにされ、弟と二人で逃げていた際、追っ手を分散させるためにと二手に分かれることを提案してエオルゼアで会おうと約束してバラバラに逃げ、長く生き別れていた。無事に生き延びていたが、エオルゼアに到達したのは刹より遅い。イシュガルドがドラゴン族の攻撃にさらされた時たまたま主力部隊におり、その後エオルゼア各国のゴタゴタに巻き込まれた末、一時的に罪人扱いされイシュガルドに逃げ込んでいた。その時に漸く、兄らしき人物がいると聞きつけた刹と再会することになる。弟に比べてしっかり者であり心配性。生まれ持って目の悪かった刹を支えていた時期があり、今でもその感覚が抜けていない。同時に最も刹を理解している人物でもあり、弟が実際非常に繊細で弱みを隠していることも把握している。今回の騒動で初めて、生き別れた時の弟の絶望を正確に知った。二手に分かれたのにはお互いを生かす以外の意図は無かったものの、それが弟を異常に追い詰める結果になったと知って後悔するようになる。
ジーキル・ガーティア
アウラ・ゼラ族のベテラン冒険者。黒の魔道士や召喚士、暗黒騎士の心得がある。本人が得意としているのは黒の魔道士。刹、劉兄弟がまだ村に住んでいた頃に出会い、彼らに双子の弟の命を救われた経験を持つ。そのために月影兄弟は恩人として大事に思っており、同時に弟や息子のような目線で見ている。冷静沈着で感情的な表現を滅多にしない人物だが、普通に感情も持っている。単に表に出すのが得意ではないらしい。双子の弟と組んで旅をしており、その冒険歴はかなり長く場数も相当踏んでいる。そのためか窮地の時に彼ほど頼れる存在も無い。刹が長年、不安定な精神状態で生きているのを把握している少ない人物で、事あるごとにフォローしてやっていた。月影兄弟と同じく《超える力》もちだが、特に心の声を聴く力が強いらしい。そのため、彼にはあまり隠し事や嘘は通用しない。遠方に家を持ち、そこに妻子が住んでいるため定期的に帰宅しては長く休み、また冒険に出るを繰り返している。
メッシ・ガーティア
ジーキルの双子の弟にあたるベテラン冒険者。暗黒騎士を主に、多少の黒魔導士の技術を持つ。兄であるジーキルとは正反対に明るくお喋りで感情表現も豊か。ジーキルとは顔立ちだけならソックリなため、無言になるとどっちなのか区別しづらいという理由でお互い違う色のメッシュを髪に入れているがメッシが黙って居ることは滅多にない。ヤンサ地方を冒険中に致命傷を負い、これはもう駄目だなと思っていたところを月影兄弟に助けられて一命を取り留めている。その際、刹が村の掟を破る決断をし、劉がその手伝いをしたと理解して色々と複雑な想いを抱いたようだ。同時に、命の恩人であると二人を大事な弟のように思っている。今回の刹の騒動でだいぶショックを受けた様子だが、それでも死なれちゃ困ると度々見舞っていた。ジーキルとはかなり仲良しで、戦闘となると無言で連携をとることもしばしばある。
レン・イグナシオ
ヒューラン・ハイランダー族の女性。刹の配偶者。アラミゴ出身で幼い頃に両親に連れられて帝国属州だった本国を脱出し、エオルゼアで育つ。両親はアラミゴ解放軍に所属し活動中に戦死。戦災孤児、としてまとめて育てられていたが、常に自分は独りぼっちなのだと思っていた。長らく、解放軍のせいで両親が死んだ、と思っており、アラミゴ関係から遠ざかりたい一心で10代で裏の世界に足を突っ込むようになる。裏側の仕事がきっかけで刹と出会った。仕事を何度か共にこなしたのち、プロポーズしたのは彼女から。以来、時々二人で冒険にも行っている。刹とは反対で視力が良い。多少の護身術は使える。最近は機工士をちょっと触っている。掃除や片付けは好きだが、料理は苦手。好物は旦那の手料理。刹が度々破滅的な行動をとるのは承知しているが、今回の騒動にも慌てて駆けつけて傍にずっとついていた。怒りたい気持ちももちろんあるし哀しいがとにかく刹が立ち直れるようにと色々思案している。
スティムブリダ・ロストニスウェルドウィン
刹、劉の義理の母であるルガディン族の女性。名前はゼーヴォルフの名だが部族としてはローエンガルデの方になる。ウルダハのほうの生まれ育ちだが祖父がゼーヴォルフだったのでその流れで名前がこうなったらしい。非常に穏やかで優しい女性だが、その昔は凄腕の傭兵として争い事もこなしてきた豪快さと血の気の粗さも持ち合わせている。普段の様子からは彼女が元傭兵である、などとは全く分からない。料理上手であり、心配性。実の息子を病で早く亡くしており、西に逃げてきたばかりの刹に亡くした息子を重ねてみていた。種族も全く違うながら実の息子として刹を世話し、のちのち再会の叶った兄の劉も当然のように息子の一人として扱っている。ウルダハに転がり込んできたばかりの刹が精神的に不安定だったのをきちんと理解しており、少しでも落ち着くことが出来ればと尽力していた。今でも、刹のことも劉のことも常に気にかけている。今回の騒動にも酷くショックを受けた様子だが、それでも刹に死んでほしくないと伝え続けることにしている。
ウィルフトゥーム・イルンアビルシン
刹、劉の義理の父であるルガディン族の男性。両親は海賊で本人は傭兵という戦闘が得意な一家の出身。荒仕事でスティムブリダと知り合い意気投合して結婚。息子を授かるも流行り病で亡くしている。刹をリムサ・ロミンサで見かけた時、息子が生きていたらこのくらいの年齢ではないかとの考えが過り、放っておけなくなって連れ帰る決心をした。そのまま養子として迎え、以来、家族として暮らしている。夫婦そろって西の作法や常識、エオルゼア文字の読み書きなどを刹に教え込み、冒険者になっても大丈夫なようにと備えてくれていた。料理上手であり傭兵を引退してからは酒場パッシングマーシナリー《行きずりの傭兵》を経営している。刹が料理好きになったのは義両親の影響が大きい。基本的に明るく優しい人物だが、スティムブリダと同じく血の気の粗さも持ち合わせており、それなりに怒りっぽい。刹、劉共に今でも大事に思っており、時折帰ってくるのを夫婦そろって楽しみにしている。だからこそ度々刹が折れてしまうのも心配しており、時々もう全部捨てて帰ってこいと話すこともあるようだ。
栗丸(くりまる)
刹が宝探しの際、開けた宝箱から出てきたパイッサという魔物の子供。どういう経緯でなのか宝箱に詰められていた。放置して見殺すことも手を下して始末することも出来たが、刹の「俺の宝箱から出てこられたら仕方がない。」という理屈でそのまま拾われて一緒に暮らすことになった。性別は♂らしい。鳴き声も発さないが、超える力という言語や時間を超える力を持つ刹やその兄とは普通に会話ができる。好物はエーコン。嫌いなものは狭い箱の中と寒い場所。刹に連れられてあちこち散歩するのが一番の楽しみ。刹の様子がおかしくなったのを察して元気づけようと必死である。栗丸にしてみれば刹は最初にできた家族であり、絶対にサヨナラをしたくないのだ。
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