真夜中のコーヒー《漆黒》に出てきた人たち
刹 月影(セツ ツキカゲ)
アウラ・ゼラ族の青年。表の顔は冒険者、裏の顔は復讐専門の殺し屋。冒険者としては忍者として活動することが多いが、あらゆる職種を齧るため、ほかの立ち回りもある程度は出来る。故郷で《忍びの真似事》を継承してきたため、通常の忍術以外に隠し武器や銃の心得もあるが、普段は冒険者に準じた忍者として行動する。目が悪く、自然光、人工光どちらにも弱いため、シェイデッドグラスを愛用する。至って冷静であり、どこか不敵に笑っていることが多い。5歳年上の兄、3つ下の妻がいる。ふとしたことで魔物であるパイッサの子供を拾い、栗丸と名前をつけて世話をすることに。こう見えて甘い物が大好物。皮肉屋であり、縛られることを極端に嫌う自由人だが、お人好しでもある。普段はなんでもないように振舞っているが、異常なほどの苦悩と絶望を隠しており、実は自殺願望も強い。真逆に生きねばならないという想いも持っており、板挟みになって密かに疲弊している。
誰にも話していないが、もう一つの人格である絶影という存在を抱えている。刹が裏仕事の殺し屋をする際に名乗っている名は、その人格からそのまま借りているだけで、殺し屋の時に必ず人格が絶影になっている、というわけではない。
狂い月の絶影(くるいづき の ぜつえい)
黒い仮面で顔を隠し、冴え冴えとした白髪をしたアウラゼラ族の黒服の男。名乗り名は狂い月の絶影。復讐専門の殺し屋を自称し、働きに対して相応の対価を支払うと事を成してくれる。復讐専門とは言うものの、それ以外を受けないという訳ではなく、情報収集や人質の救助なども請け負う。が、最優先されるのは復讐である。仕事の邪魔となれば無害な相手であろうと平気で始末する一方で、目撃者や妨害者が未成年だった場合は見逃すのが主義らしい。笑いながら相手を追い詰めて殺すような残忍さを持ち、殺し屋としての仕事を心底楽しんでいる。その本来の姿は光の戦士と呼ばれる冒険者、月影の刹、その人である。
刹が少年時代、トラウマやストレスの強さに耐えかねて無意識に作り出した防衛用の人格。そのために細かい事を言えば彼も刹の一部なので刹でしかないのだが、絶影と名前を持っており刹とは違う思考や行動を取る。主な役割は本人の精神的苦痛の肩代わりだが、時々示し合わせて交代したりもする。殺し屋業に関しては交代でこなすことが多く、絶影を名乗っているが中身は刹の時もあり、絶影そのものの時もある。その時々で交代するのでどちらが表に出ているのかパっと判別はつかない。性質としては絶影のほうが凶暴で口調も荒くなり、刹本人に害となりそうな相手には非常に攻撃的になる。
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