【つながる旅行記#55】in新居浜 別子銅山を知るために『マイントピア別子』へGO!!
旅人の朝は早い。
……嘘である。
実際はもう9時だ。
石鎚山さんぽを終えた自分は西条市で一泊した後、
朝から新居浜(にいはま)駅に来ていた。
新居浜市は西条市からすぐそこなので、移動にさほど時間はかからない。
今日の目的地は別子銅山である。
でもきっと、大半の人が知っている銅山といえば足尾銅山だろうと思う。
正直、自分も別子銅山については何も知らない。
だからこそ行く価値があるのだ。
バスに乗り込み、いざ出発だ。
目的地はマイントピア別子。
mine(鉱山)のUtopia(理想郷)でマイントピアなのだろう。
良い名前である。
※調べたら思いもよらぬ翻訳が出た。
マイントピア別子にたどり着いた。
オシャレなレンガ造りの建物がお出迎えだ。
中に入ると盛大に食べ物が売っていた。
スーパーに入った覚えはないのだが……?
しかもお手頃価格である。
山に行ったら物が高くなるなんて常識は知ったことではないのだ。
しかもパック寿司を買った客はなぜかお茶が150円から100円になる。
客への還元がヤバい。
なぜかサーターアンダギーも売っている。
しかも大盛りである。
いやいや、別に食べ物を買いに来たわけではないのだ。
いい加減に中を見ていこう。
そしてまた食べ物を見ている。
9時にパン食べただろ!
食欲を抑えて探索していると、ドでかい金鉱石が展示してあるのを発見。
いや、ここって銅山……ですよね?
説明を読むと、どうやらこの別子銅山の銅鉱石は、多くの金銀も含んでいたらしいのだ。銅鉱石だからといって銅しか含まれていないわけではないのである。
なるほどなあ。
しかし凄い大きさだ………ってこれ鹿児島の石じゃねぇか!!!
そして銅鉱石でもないじゃねぇか!!
そう、展示されているこれは鹿児島(菱刈鉱山)からもってきた石である。
「でも別子銅山でも金銀取れたのは嘘じゃないから……」
というマイントピア関係者の声が聞こえてきそうだ。
この2トンの金鉱石には、なんと6.1kgの金と2.3kgの銀が含まれている。
発掘当時は1000万円だった価値も、平成24年時点では画像のように2642万円に上昇した。
試しに2022年の今、その価値を計算すると……?
金1g 約8500円 8500×6100g=5185万円
銀1g 約100円 100×2300g=23万円
ご、ご、5200万円……!!?
これが金持ち達が金を買う理由……!!
といっても、この石から金と銀を取り出すにあたって、あれこれとコストがかかってくるはずなので、この金額をそのまま懐に入れることにはならないだろう。しかしものすごい金額だ。
Utopiaの翻訳結果の『黄金世界』が思い出される。
別子銅山は金銀も取れたのだ。実際正しい。
まさかそこまで考えてこのネーミングを……!?
砂金の展示もあった。
砂金というと紋別を思い出す。
また行きたいとは思うが、いつになるのか。
さて、この何の変哲もないポスト。
実は今まで巡った旅と関わりのあるポストである。
説明書きを読むと、このポストは青函連絡船 羊蹄丸の中にある青函ワールドの、青森駅前の朝市ゾーンで設置されていたものだそうだ。
青函ワールドはこの旅行記でも青森の八甲田丸で見ているわけだが、
歴史的には羊蹄丸の一般公開終了にあたり、中にあった青函ワールドを八甲田丸に移したという経緯がある。
その羊蹄丸から八甲田丸への展示品移し作業の中で、新居浜市に記念品として贈られたのがこのポストという事らしい。
……まさかこの遠い四国の地で青函連絡船の話が出てくるとは。
大洲の武田斐三郎といい、もはや距離は関係ないのかもしれない。
しかし今までの知識がなかったら、この説明書きもポストも盛大にスルーしていたであろうことを考えると、やはり人生を面白くするのは知識の量なんじゃないかという気がしてくる。
この消防車からは今のところ何の知識も浮かんでこないが、これも見る人が見たら相当意味のあるものなのかもしれない。
……いや、冷静に考えるとこれ消防車なの……?
昔の消防車、めっちゃ小さいどころじゃないな。
はしご車的な要素を削っているとしても、消火作業だけならこのサイズ感でいけるということなのか?
というか現代の消防車って、あのドでかい車体の中に一体何が詰まってるんだろうか?
……世の中知らないことばかりだ。
!?
唐突に水樹奈々さんのサインが展示されていた。
あのアニソンの女王と言われたり言われなかったりする大物声優の水樹奈々さんである。
なんでこんなところに……?
実は、この別子銅山の各所で、水樹奈々さんのミュージックビデオの撮影が行われていたのである。
そしてこの記事を書いていて発見したが、レストランのメニューもおすすめしていた。
しかも「新居浜ふるさと観光大使」と書いてある。
というか調べたら新居浜生まれだった。
全然知らなかった。
というわけで、ロケ地へ向かうことにする。
実はこのマイントピア別子、このスペースで終わりな訳がない。
本当のコンテンツは、まだまだこれからなのだ。
車を走らせた先にある、それは……
『東洋のマチュピチュ』
……これは期待が膨らんでくるネーミングだ。
ここから11km離れた東平(とうなる)にそれはある。
さあ、バスに乗って向かおう。
空中都市マチュピチュ。
自分の人生で行けるか微妙なラインだったが、別子銅山で済ませることが出来るとは思わなかった。(別物)
これからは、
「マチュピチュ? 行ったよ?(愛媛)」
と言えるのだ。
一体どんな顔をされるのか、楽しみすぎる……!
(たぶん冷笑されて終わる)
~次回へ続く~