【つながる旅行記#5】函館来たけど駒ケ岳登ってくるわ編 part.2
北海道駒ヶ岳の登山はここからが本番だ。
大抵の人はここまで車で来て、入山届を出して登り始めるのだろう。
自分は駐車場まで徒歩だったので、少しばかり体力面でロスをしたような気もするが、始めての景色を歩く速さで味わえたということにして気合を入れ直す。
果たしてこの先何が待っているのか。
時刻は9時20分を回ったくらい。
登り始めると、露骨に大きな石が現れ始める。
先程までの砂が主体の道とは違う。
やはりここからが本番だったようだ。
滑らないように気をつけながら進む。
8合目にたどり着いた。
時刻は9時45分。20分くらい歩いた。
となるとあと2合でもう山頂なのか。
というか7合目どこいった?(駐車場か?)
後ろをふと振り返ってみると、うっすらと大沼公園が見える。
カラッと晴れていたらどんな事になっていたのかは気になるけど、これもまた幻想的でいいかもしれない。
足元には謎の植物。
こういう植物の知識があると、山登りは更に楽しくなるのだ。
自分にはまったくわからないが。
※Google検索に画像を入れたらタニウツギという結果が出た。便利。
歩いて行くが延々こんな感じの風景が続く。
地面の薄茶色と濃い緑。
坂もどんどん急になってきた。
山頂まで200mの看板を発見。
もうすぐそこじゃないか。
時刻を見ると10時15分。
8合目から30分ほど歩いたようだ。
体はすっかり汗だくだ。
そして坂がきつい。
足元の砂利も、踏み出した足を下に押し流す感じで妨害してくる。
ふとまた後ろを振り返ってみる。
なんかさっきより見通しが悪くなった気がする。
山頂ではそこそこ良い景色を見たいものだが、どうなるんだろう。
そしてあと100mの倒れた看板を見つける。
時刻は10時25分。
この山では100m登るのに自分は10分かかっているということか。
そして唐突に開けた場所が見える。
これはまさか……!?
到着した。
最後に見た看板から数分しか経ってないので、あの看板は剣ヶ峰までの距離を書いていたのだろう。
前回も言ったが、北海道駒ヶ岳は火山活動の影響で山頂(剣ヶ峰)まで行くことは出来ない。
なので登山はここで終わりだ。
そういえば今回の登山をするに当たり、家電量販店でSP360というカメラを購入していた。
360度の景色を撮影することが出来るカメラだ。
確か函館のビックカメラで3万円だっただろうか。
働き始めの自分には大きい買い物だったが、将来への投資だと思って奮発したわけだ。
そして今後使われることはほぼない。
なぜこれではなく普通のコンデジを買わなかったのか。
さて、山頂の景色を堪能できなかったのは残念だが、達成感はある。
この霧の中、お菓子でも食べて、帰ろう。
下山を始める。
そうか、常に大沼公園を見ながらの下山になるのか。
これは晴れていたらかなり爽快なことになりそうだ。
ふと横を見ると先程まで全く見えなかった剣ヶ峰もちょっとだけ姿を見せてくれた。もうちょっと早く見せてくれ。
まあでもまた登りに来るのも良いかもしれない。
今度はしっかり晴れた日に。
できれば駅からは自転車で。
駐車場に到着。
思えばここのスタートが9時20分。
山頂(山頂じゃない)に着いたのが10時25分なので、大体1時間だった。
これは気楽に行ける山と言えるのかも知れない。
車なら尚良しだろう。
さあ、自分は徒歩なのでまた歩いて駅まで帰ろう。
すんごく長いたんぽぽなどを見つけてテンションがあがる。
そういえば行きのルートではあまり心に余裕がなかったような気がする。
ヒグマの件もあるけど、道端の植物に目をやることもさほど無かった。
登頂できた達成感による気分の高揚もあるのだろうけど、すごく心が開放的になっているのを感じる。
やはり登山は良い。
どうやら仕事の関係で、また函館に来ることは多いようだ。
となると、函館に来るたびに、遠くに見える駒ケ岳を見て「自分はあそこに立ったんだな」と思い返すことになるんだろう。
山というのは遠くから見ると、
「あんな高くて遠い場所に行けるわけないだろ?」と思ってしまうものだ。
でも実際登ってみると、意外とたどり着けてしまったりする。
自分の頭の中では否定しがちなことも、やってみたら案外出来るもんだということを登頂した山を見るたびに自分は思い出す。
そうやって見るだけでテンションを上げる効果が自分の力で登頂した山にはあるのだ。
自分はそのために山に登っている面もあるのかもしれない。
そうだ、こうやって自分を奮い立たせてくれる山を日本中に増やして、行く先々で山を見るだけで力が湧くようしたらすごいんじゃないか?
よくわからない目標が出来た。
次はどこへ行こうか。
次回↓