【修理】一度もカメラを分解したことがない人間が液晶交換してみた記録【COOLPIX P1000】
荷物が届いた。
……まさか1週間で届くとは。
アリエクくんの仕事が早いことに驚きを隠せない。
アリエクことAliExpressは、
中国のアリババグループが運営する上級者向け通販サイトだ。
壊れたものが送られてきたり、
届くまで2週間以上かかったり、
そもそも送られてこなかったり、
話題に事欠かないサイトである。
しかしそんなアリエクでまさかの1週間で商品が届くという優秀さを見せつけられることになるとは……。
今や中国のスマホを使う人が普通になってきたように、通販サービスもいつの間にか改善して、どんどん侵食してくるのかもしれない。
まあそれはさておき、
注文したあれこれの中の一つがカメラの液晶モニタである。
こういう交換パーツは現状AliExpressくらいしか買える場所がない気がする。
この液晶も5年前のカメラのものだし、国内に一般流通させる在庫なんて存在しないのだろう。
そんなわけでこれを取り付ける液晶が割れたカメラがこちらである。
この状態をなんとかしたいとずっと思っていたのだが、メーカーに修理に出そうものなら数万円は取られるのは確実。
だったら自分でパーツを取り寄せて直したほうがいいということで、今回アリエクを頼ってみたのである。
まあ自分、一度もカメラ分解したことないけどね!!
いやいや、大丈夫大丈夫!
Youtubeでいろんなガジェットの分解動画は見てるから!!
(このカメラの液晶交換の動画は結局なかったけど)
そんなわけで初心者の無謀な挑戦が始まった。
とはいえ液晶交換の難易度はかなり低いと思っている。
なにせ液晶周りは修理が多そうだし、メーカーだってきっと交換しやすい設計にしていることだろう。
自分だったら確実にそうする。
なので自分より賢いメーカーの人達はきっとそうしている。
そういうことだ。
しかし緩衝材にしっかり包まれて実にまともな梱包である。
アリエクにもまともな出品者とそうじゃない出品者がいるということなのだろうか……。
それでは作業を始めよう。
それっぽいネジをどんどん外していけばいけると信じて。
おお……!
さすがはNikonだ。
「ここ外すだけで液晶交換出来ますんで!^^」と言わんばかりなネジがあるじゃないか!
……やはりそういうものなのだ。
壊れる可能性の高い部分にはアクセスしやすく。
設計者に感謝を……!!
(別にここ外さなくて良いかも)
なんだかいつも見ているYoutubeの分解動画みたいになってきたぞ……!
さて、これは動画でよく見るパーツだ。
たしか黒い部分を持ち上げたあとに、茶色いフィルムみたいなやつを引き抜くんだっけ……?
「いや~液晶交換くらいならちょろいもんかもしれないな^^」
そんなことを考え始めた自分だが、ここで問題が発生。
なんと基盤が液晶側にしっかり貼り付けられているのだ。
えっ……なにこれ……?
メーカーの嫌がらせ?
やっぱり自分で直さずに大人しく修理出せやってこと……?
だがもう引き返せない。
今の自分に出来ることは……!!
ベリベリ……ミシミシ……!!
力技でいくしかない。
(絶対アウトだと思う)
取れました。
一部じゃなく全体にしっかり貼られた粘着テープに悪意を感じる。
正直なぜ基盤を液晶側にガッツリ貼り付ける必要があるのか、自分には理解できない。
貼り付けるにしたってアルミの板の側に貼り付けたほうが修理の手間は減るはずだ。
……いや、賢い人が設計したのだからきっと意図はあるのだろう。
嫌がらせ以外のなにかすごい理由が。
それはそうと、やっとアリエクで買った液晶の出番だ。
これで直るぞ!!
(基盤が死んでなければ)
修理完了!!
……いや、まだ安心はできない。
本当に直ったのか、動作チェックをしなければ。
んなもん組み上げる前にやれという幻聴が聞こえるが、初心者なので許してほしい。
なにはともあれ、電源オン!!
(スンッ……)
嘘だろ……?
交換した液晶には何も映らなかった。
これは失敗…………いやまてよ!?
ファインダーには写っているぞ!!
このカメラはボタンで液晶とファインダーの表示を切り替える仕様なのだ。
今はファインダーでの表示になっていたということなのだろう。
全く、驚かせてくれる。
さっそく切り替えボタンを押す。
これで液晶側に映像が映るはずだ。
(スンッ……)
……嘘でしょ?
まさかのボタンを何度押しても液晶側に切り替わらない。
こ、これは……
また分解ですか!?
パカッと開けたらなんかついた。
・・・
(なんだそりゃ……)
その後は使っていても液晶が消えたりはしなくなった。
これで一応直った……のか?
なんとも歯切れの悪い結果だ。
そのうち突然つかなくなりそうで怖い。
とはいえこれで画面はまともになったし、初めての液晶交換は成功でいいだろう。
自分の調べた限りでは修理している先人がいなかったのでわりと困ったが、多くの人はこの程度の修理は記事や動画に残すまでもないと考えているのかもしれない。
自分的にはかなりの大冒険だったのだが……。
でもこれでまた、このCOOLPIX P1000で撮影に行くことが出来る。
木星の衛星すら写し出すこのコンデジ(1.5kg)は唯一無二の存在なのだ。
天体ショーのときは活躍してもらうとしよう。
そんなわけで、正直自力での修理(しかも初心者)はあまりおすすめはしないが、あふれる好奇心でやりたくなってしまったら挑戦してみるのも一興。
……なお、壊れても私は責任を負いませんのであしからず。
身近に詳しい人がいるのなら、教えてもらいながらやりましょう!!